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転生した私(オタク)は、推し(妹)が尊すぎて溺愛しています!〜アニメ放送当日に死んだけど、生で推しを拝めるならむしろサイコーです!〜  作者: 宝石 モモカ
第2章: シエラちゃんの覚醒と皇帝の秘密編

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第9話 本当の姿

なかなか投稿できずすみませんでした⋯⋯。

 私は、シエラちゃんのためにお菓子パーティーの準備をしていた。

 シエラちゃんは掃除をしなきゃいけないというから、今はチャンスだ。


「まずは⋯⋯飾り付けてパーティー感出してみよっと!」


 そうは思っても、飾りを持っていないし、お菓子ももう少し買っておきたい。


(じゃあ買い出しだー!)


 私は買い出しに行くことにした。



 ◇◇◇



「そこにおいてあるリボンをください」


 私は冷たい目で悪役令嬢っぽく言い放った。店員さんは「かしこまりました!」と言いながら慌てて走っていく。

 ここらへんのリボンはお菓子パーティーの雰囲気に合うような明るい色で、私のイメージにぴったりと合っていた。


(シエラちゃんのためにがんばるぞーっ!)


 次は、お菓子を買いに行った。いろいろな種類を買いたいから、前に行ったお店ではなく、おせんべいやスナック菓子に似ているものが売ってある場所に来た。


 やっぱり甘いものだけじゃ飽きちゃうからね!


 私は周りの人に困惑した顔をされるくらいお菓子を買うと、店を出た。


「意外と買い出し早く終わったなぁ⋯⋯」


 私の独り言は人の声にかき消されていく。

 今度は何しよう⋯⋯掃除の終わりの時間まで、まだまだあるし⋯⋯。


「あら? セイラじゃない」


 聞き慣れた、どこか冷たい声。私はゆっくりと振り返った。


「お母、様?」

「やっぱりセイラね。家を抜け出して何してたのかしら?」

「⋯⋯」


 私が黙っていると、お母様ははあ、と息を吐いた。


「何を買ったの? 見せなさい」

「⋯⋯嫌だ」


 お母様は、無理やり、私の持っているお菓子やリボンの入った袋を奪い取ろうとする。

 私は袋の取っ手をギュッと握った。


「セイラ、いい? 私はあなたに期待してるのよ。シエラみたいに掃除をしたくなかったら、言うことを聞きなさい」

「見てどうするの? 捨てるんでしょ!?」


 言ってから、ハッとした。お母様の味方を演じるって決めたのに、これじゃあ台無しだ。

 でも——。


(お菓子パーティーを邪魔しないでよ!! もうこうなったら我慢しない⋯⋯!)


「お母様はシエラちゃんに何してきたか分かってる!? 掃除だってやらせて、いつもいつも悪口言って! それでシエラちゃんがどれだけ傷ついたと思ってるの!? 許さないから!!」

「セイラ!!」


 お母様が叫ぶ。


「出来の悪い子ね! 期待して損したわ!」

(あ、やばい、失敗した⋯⋯)


 お母様は私の腕を掴むと、ずるずると私を引っ張っていった。

 私は周りの視線と服が汚れるのを気にしながら、抵抗せずにお母様に引っ張られていった。



 ◇◇◇



「しばらくここで反省しなさい!」


 お母様は私を暗い倉庫に押し込んだ。私の体が倉庫の奥まで投げ出される。棚に体があたってものが落ちてきた。

 ギーッと音がなり、ゆっくりと扉が閉まる。


「お母様!」


 叫んで扉に駆け寄る。私はどんどんと扉を叩いたけど、返事はなかった。扉も鍵が閉まっていた。

 へなへなと床に座り込む。


「やっちゃった⋯⋯」


 私はポケットの中を確認する。じゃらりと音がした。お金までは取られていないみたいだ。

 でも、お菓子は取られてしまった。

 いくら出かけてもバレないからと油断しすぎたみたいだ。それに感情が爆発してしまって、お母様の機嫌を損ねてしまった。


「シエラちゃんがいないからつまんないな⋯⋯」


 私は床にゴロンと寝転がると、暗くてうっすらとしか見えない天井をぼーっと眺めていた。


(やば、何か天井にシエラちゃんの顔が浮かんで見える⋯⋯オタクってこういうものだよね⋯⋯)


 私はそんな事を考えながら、ぼーっとしていた。

 どうせ何も出来ないんだから、お菓子パーティーのリベンジ計画でも練っておこうかな。


「⋯⋯お姉様」


(やばいかも、今度はシエラちゃんの声が聞こえたんだけど⋯⋯)


「お姉様!」

「あれ? 気のせいじゃない⋯⋯?」


 扉の向こうから声が聞こえる。

 それは確かにシエラちゃんの声だった。


「お姉様、いる?」

「いるよーっ! シエラちゃんっ!」


 私が声を張り上げると、ギーッとドアが開く音がした。

 眩しい光が入ってきて、私は目を細める。


 そこに、シエラちゃんがちょこんと立っていた。


「お姉様! 大丈夫?」

「大丈夫! シエラちゃんが来てくれたからねっ!」

「⋯⋯」


(あれ? オタク感強かったかな?)


「⋯⋯良かった」


 シエラちゃんが小さな声でつぶやく。


「本当に、良かった⋯⋯」


 コロンコロン。

 硬いものが落ちる音がした。しかもたくさん。


「⋯⋯シエラちゃん?」


 私はシエラちゃんの顔を覗き込む。

 シエラちゃんは、涙を流して静かに泣いていた。流れた涙が、ダイヤモンドとなってコロンコロンと転がっていく。


「ありがとね、シエラちゃん」

「⋯⋯お姉様⋯⋯」


 私はシエラちゃんの背中をそっと撫でる。シエラちゃんは、しばらく泣いてくれていた。



 ◇◇◇



「落ち着いた?」

「⋯⋯うん」


 シエラちゃんは目をこすると、ダイヤモンドをそっと集めた。


「⋯⋯あれ?」


 目が慣れてきて、ダイヤモンドがよく見えた。

 これは、ダイヤモンドの原石ではない。


 それは、白く曇ったものではなく、綺麗にカットされ磨かれたダイヤモンドだった。


 たまに宝石そのものではなく、原石の涙を流す人がいるらしい。その人はなにかが起きたとき、カットされ磨かれたものに変わるらしい。

 シエラちゃんもその一人なのだが、原作では皇子と結ばれたときにその涙が本来あるべき「カットされたダイヤモンド」となるのだった。


(え、覚醒するの早くない? しかもこれってつまり、私を助けに来ようとしたことで覚醒したんだよね? めちゃくちゃ嬉しいんだけど⋯⋯!)


 私の頭がパニックになりかけた。


「⋯⋯何で本当にダイヤモンドが⋯⋯?」


 そして、完全に信じ切ってはいなかったシエラちゃんが、戸惑った顔を見せた。

お読みいただきありがとうございます。

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