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転生した私(オタク)は、推し(妹)が尊すぎて溺愛しています!〜アニメ放送当日に死んだけど、生で推しを拝めるならむしろサイコーです!〜  作者: 宝石 モモカ
第4章︰新しい奴隷と皇宮潜入編

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第25話 新しい奴隷

「シエラちゃ⋯⋯」


 私は元気よくシエラちゃんの部屋に飛び込んだ。

 元々ものが少なかったのに、棚のもの以外何もなくなった、物置のような空間。

 やけに静かな部屋を見て、はっとする。


(そうか、シエラちゃんは⋯⋯)


 私はしばらく黙り込んだあと、くるりと部屋に背を向けて走り去っていった。



 ◇◇◇



 ある日の昼。私とお母様は庭でお茶会をしていた。


「セイラ、シエラもいなくなったことだし、新しい奴隷を買ってはどうかしら?」

「⋯⋯」


 お母様の言葉を無視する。

 お母様は、しばらくそんな私を見つめたあと、「セイラ」と私にふたたび声をかけた。


「シエラがいなくなっていろいろ困っているから悲しんでいるのね、私も今とっても困っているのよねぇ。というか、シエラは皇帝のどういう存在なのかしら? あのどこが気に入ったのか⋯⋯セイラ?」


 早口で言うお母様。


 私は俯いたまま、何もいわずに紅茶を口に流しこんだ。


「セイラ、返事をしなさい」

「⋯⋯はい」

「もう、こんなんだから奴隷を買おうと言っているのに。まあ、シエラは無能だけど、人一人いなくなるだけでもだいぶ違うものねぇ」


 お母様は紅茶を一口すすった。

 私も紅茶を飲み干すと、小さく口を開けた。


「⋯⋯他の人じゃシエラちゃんの代わりにはなれない」

「セイラ、今なんて言ったのかしら?」

「⋯⋯なんでもない」


 私はそういって、静かに部屋に戻っていった。


「⋯⋯新しい奴隷、か」


 部屋で、私はポツリと呟いた。


 シエラちゃんがいなくなってから、一週間がたった。シエラちゃんには、まだ一度も会えていない。というか、会えそうにない。


 そして。


 私は、まだ立ち直れていない。


 原作小説や漫画版を読んで、アニメを待っていたときは、こうはならなかったのに。もちろんシエラちゃんに会いたいと思ったことはあったけど、ただ夢見ていただけだからかそんなにつらくはなかった。


 それなのに。


 いまは、すごくつらい。シエラちゃんに、少しの間会えていないというだけで。


「⋯⋯退屈を紛らわすには、新しいことも必要かな」


 私は声を漏らすと、静かに椅子から立ち上がった。



 ◇◇◇



「お母様。新しい奴隷の件ですが、お願いしても良いですか?」

「あら、もちろんいいわよ」


 元気になったのねー、と、お母様はごきげんだ。


(元気ではないんだけど)


 シエラちゃんの代わりにはならなくても、今はこの気持ちをどうにかしたかった。


「どんな奴隷が良いかしらー、今度奴隷のお店に行きましょうね」


(⋯⋯そう言えば、奴隷ってそんな堂々と売られてるの? 禁止されないのかな?)


 原作には詳しく出てなかったけど、確か番外編でシエラちゃんたちが奴隷の売買を見て怒ってるシーンがあったはずだから、公ではやってないはずだ。


 何なら、禁止されているんじゃないだろうか。


(もしかして、ダメなことに手を出しちゃった⋯⋯?)


 シエラちゃんがいなくて暗い気持ちになっていたせいで気づけなかった。

 慌てて訂正しようとしたけど、お母様は「どこの店がいいかしらー」と言っていて、全く訂正できるような空気ではない。


(どうしよう⋯⋯)


 私は、せめて奴隷を救うために買いに行こうと思った。



 ◇◇◇



「ここよ」


 お母様は奴隷の店に着くと、ニッコリと笑って教えてくれた。


「ここ、ですか⋯⋯?」


 私は目の前の光景を見る。

 そこには⋯⋯。


「誰も、いないようですが」

「そうね⋯⋯店の人はどこに行ったのかしら」


 そう。お店だと言うのに、誰もいなかった。


「奥に行ってるのかしら⋯⋯」


 二人で引き返そうとした、その時。


「おい! そいつを捕まえろ!!」


 大きな声が聞こえて、振り向いた。

 ボロボロの服を着た少年が、思いっきり走っていく。


 それを店の人らしい男が、慌てて追いかけていた。


 私たちは顔を見合わせる。

 少年は私たちの間をすり抜けていった。


(この少年は⋯⋯)


 奴隷?

お読みいただきありがとうございます。

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