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転生した私(オタク)は、推し(妹)が尊すぎて溺愛しています!〜アニメ放送当日に死んだけど、生で推しを拝めるならむしろサイコーです!〜  作者: 宝石 モモカ
第3章: 魔法学校と皇帝の来訪編

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第23話 皇帝の来訪 二日目 後編

 はなればなれになるなんて。


(そんなの、嫌だ!)


 そう思ってから、はっとした。

 私、シエラちゃんの気持ちを、全然考えてない――。


 シエラちゃんは、その方が幸せなのかもしれないのに。お母様に怒られることも、こき使われることもなく、幸せに過ごせるのかもしれないのに。


 私の今の考えは、自分勝手だ。


 その時、シエラちゃんがくりくりの瞳をこちらに向けて、小さく微笑みながら聞いた。


「お姉様、どうしたの?」

「ど、どうもしてないよ! た、ただ、お母様たち、喧嘩みたいに話し合いしてるなぁと思って!」


 私が無理やり笑みを浮かべると、シエラちゃんは、「たしかにずっとそんな感じだよね」と小さく笑ってくれた。


(笑ってくれるのを見るのが、一番幸せだなぁ)


 私はそう思いながら、喧嘩(?)をしている二人を眺めていた。



 ◇◇◇



 一時間くらい経っても、まだ状況は変わっていなかった。

 雑談を挟んだかと思えば急に皇帝が怒り出したりして、話が全く進まない。


 それに少し、ホッとしている自分がいた。


 その時、皇帝が机をドンと叩いた。


「私が言いたいことは、シエラを引き取らせてほしいということだけだ。なぜそんなに拒む」

「そ、それは⋯⋯」


 お母様は青ざめている。

 皇帝は、そんなお母様をギロリと睨んだ。


「まさか、シエラを使用人のように扱っていたのか? 人手が足りなくなるから拒んでいる。そういうことか?」

「そ、そういうわけではないのです! 私は、シエラを愛しているからこそ⋯⋯」

「では、昨日の『セイラには劣る』という発言はどういうことだったのだ」


 お母様は、何も言えない様子で口をパクパクと動かした。顔がみるみる青ざめていく。


「そ、それは、いい間違えて⋯⋯」

「そうか、だったらなんと言おうとしていたのだ」


 お母様は言い訳を考えているようだけど、皇帝はもうシエラちゃんの過去は全て分かってしまっただろう。


 その時、シエラちゃんがすっと立ち上がった。深呼吸をしてから、口を開いた。


「陛下、それくらいでおわりにしてほしいです」


 たどたどしい敬語が可愛らしい。皇帝に向かって、一生懸命話しかけている。

 私はそんなシエラちゃんを見て、目をランランと輝かせた。


(シエラちゃん、可愛い! そして、すごい!! こんなこともできるようになったなんて、私の推し、サイコー! って、今の完全にお母さんの視点だよね⋯⋯)


 シエラちゃんは、今度はお母様の方を向いた。

 一瞬ためらうような顔をして俯いていたけど、ゆっくりと顔を上げて話しだした。


「⋯⋯お母様。私がお姉様に劣っているのは確かだけど、悲しかったです」


(シエラちゃーん! シエラちゃんは私に劣ってなんかないし、むしろ私が劣ってるよーっ! でも、本音を言えてえらいよっ!!)


 私は褒めまくりたかったけど、流石にこの空気でそれをするのも良くないので、心のなかにとどめておいた。


「シ、シエラ⋯⋯! 何を言うの!? 自分の立場が分かって⋯⋯あっ」


 お母様は皇帝がいることに気がついて慌てて口を閉じたけど、もう手遅れだった。

 皇帝はさっきまでシエラちゃんに話しかけられてにこにこしていた顔を歪めて、さっき以上にお母様を睨む。


「やっと本性を現したな? シエラは私が引き取る。反論は許さない」


 皇帝はそれだけ言うと、シエラちゃんを部屋を出ていこうとした。

 ドアをくぐるとき、皇帝は一瞬振り返って、シエラちゃんを見た。


「シエラ⋯⋯いや、エレナ。荷物をまとめておいてほしい。明日の朝には出発する予定だ」


(エレナって言った⋯⋯本当に、これからシエラちゃんは皇帝の娘・エレナに戻るんだ⋯⋯)


 私は皇帝が部屋から出ていくのを見送ると、シエラちゃんと一緒に部屋を出た。


「ねえ、シエラちゃん」

「⋯⋯何?」

「シエラちゃんは、本当にあの結果で良かったの?」


 どうしても、そのことが気になっていた。

お読みいただきありがとうございます。

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