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転生した私(オタク)は、推し(妹)が尊すぎて溺愛しています!〜アニメ放送当日に死んだけど、生で推しを拝めるならむしろサイコーです!〜  作者: 宝石 モモカ
第3章: 魔法学校と皇帝の来訪編

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第17話 お父様

 私はベッドの上でゆったりとしながら、秘密について考えていた。

 秘密っていうのは、なぜ皇族のシエラちゃんがこの家にいるかについてだ。


「お母様に聞いたら⋯⋯流石に怒られるよね」


 私はお母様に聞くのは無理だと思って、他の選択肢を考えた。


「あっ! そういえば⋯⋯」


(影が薄すぎて忘れてたけど、お父様もいるんだった!)


 影が薄すぎるという理由でどんな人かもよく分からないけど、聞いてみようかと思って、私は部屋を出た。


「うわぁ、おばけが出そう⋯⋯」


 部屋の外は真っ暗で、窓から木の陰が見えて不気味だ。


「明日でも良いけど⋯⋯」


(今すぐはっきりさせたい⋯⋯!)


 私はそう考えて、自分の足音しか聞こえない静かな廊下をゆっくりと歩いていった。




 コンコンコン。

 お父様の部屋のドアを優しく叩いた。


「お父様、入ってもいいですか?」

「⋯⋯」


 返事はない。

 私はもう一度ドアを叩いた。

 コンコンコン。

 返事は、またなかった。


「入りますね」


 私はそう言うと、ゆっくりとドアを開けた。

 中は暗かった。


(あ、やっぱり寝てたかな⋯⋯)


 そう思った途端。火がぱっとついて、部屋が急に明るくなった。


「⋯⋯セイラか」


 お父様はロウソクを近くに置くと、こちらへと手招きした。


「どうしたんだ? 何かあったか?」

「いいえ。ただ、シエラちゃんについて知りたくて」

「⋯⋯シエラについて、か」


 お父様は俯いた。

 私はそんなお父様をまっすぐ見つめながら、返した。


「はい」

「⋯⋯もう帰りなさいと言ったら、帰るか?」

「帰りません」

「⋯⋯そうか」


 お父様は諦めたように言った。


「シエラは、スーラから生まれた子ではない」


 スーラというのは、お母様の名前だ。


「⋯⋯知っているようだな」

「はい、シエラちゃんは皇族の子、であっていますか?」


 私が問うと、お父様はゆっくりと頷いた。


「ああ」

「なんでこの家にいるんですか?」


 私がそれも尋ねると、お父様は静かに口を開いた。


「⋯⋯最初は、ただの迷子だと思っていたよ。でも、その子が初めて流した涙はダイヤモンドだった」

「じ、じゃあ、皇帝のもとに届けなかったのは何で⋯⋯」

「あの頃の皇帝は、妻と子を亡くして途方に暮れていた。ときには、暴力的になることもあった。そんなときに、その子を届けたらどうなる?」

「⋯⋯さらった犯人だと思われて、処刑されます」


 私が静かに答えると、お父様は「そういうことだ」と答えた。


「自分勝手だろう?」

「⋯⋯誰だって、自分の命を優先するのは、仕方ないと思います」


(私はシエラちゃんの事を優先しちゃいそうだけど、まあ推しだからっていう理由もあるし)


 お父様ははっと目を見開くと、「そうだな」とつぶやいた。


「セイラ。シエラを助けられなくて、申し訳ない」

「大丈夫です。私がシエラちゃんを支えているので」


(いや、正直に言うと助けてあげてほしい!!)


 言葉では大丈夫と言いながらも、心のなかではそう思ってしまった。


「もう帰るかい?」

「あ、いえ。もう一つ知りたいことがあります」


 私が言うと、お父様は穏やかな表情で、「何だ?」とたずねた。

 私は息を吐くと、口を開いた。


「なぜお母様は、シエラちゃんをあんなに嫌っているんでしょうか」

「⋯⋯」


 お父様は黙っている。


「⋯⋯わからないよ。スーラ本人に聞いたらどうだ?」

「⋯⋯分かりました」


 私はそう言うと、部屋を出た。


(お母様に、聞けるわけない)

 私はそう思った。



 ◇◇◇



 しばらくして。


「シエラちゃんっ!」

「⋯⋯何?」


 私はシエラちゃんに声をかけた。


「いきなりでごめんね? あの⋯⋯」


 私は首を傾げて、続けた。


「シエラちゃんって、もしかして学校行かせてもらってない?」

「⋯⋯私は、使えない娘だから」


(つまり行かせてもらってないってことー!?)


 私はぐっと拳を握りしめた。

 学校はめんどくさいけど、友達と交流したりできる素敵な場所なのに。


(行かせないとか、サイテー!!)


「シエラちゃんは使えなくないよ!? っていうか、行きたい? 私が行けるように手助けしてあげる!」

「⋯⋯ありがとう。でも、お母様が何ていうか⋯⋯」

「それは私がなんとかするから!」


(シエラちゃんと学校行きたい!!)


 今はたまたま休みの期間で、本当は学校があるみたいなんだ。

 それをお父様が、この間教えてくれた。


(結構お父様とも仲良くなったかな!)


 私はニコニコしながらシエラちゃんを見つめる。

 とうとう根負けして、シエラちゃんは小さな笑みを浮かべた。


「じゃあ、お願い」

「ぎゃあああ! 私の推し可愛⋯⋯」


 ハッとして、叫びを抑えた。


「⋯⋯お姉様、面白い」


 シエラちゃんはくすくすと笑っている。


(いやいや、その顔は反則でしょ!!)


 私はそう思い、ジタバタしながらシエラちゃんを見つめていた。

お読みいただきありがとうございます。

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