↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した私(オタク)は、推し(妹)が尊すぎて溺愛しています!〜アニメ放送当日に死んだけど、生で推しを拝めるならむしろサイコーです!〜  作者: 宝石 モモカ
第2章: シエラちゃんの覚醒と皇帝の秘密編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/28

第13話 フィオナ

「もう少しここにいてくれるか?」

「はい」


 皇族に逆らうのもと思って、私は答えた。


(っていうか⋯⋯原作でも一瞬出てきたよね? 漫画版ではすごい怖い顔してたけど⋯⋯)


 とても穏やかな表情だ。

 シエラちゃんに会ったからかな?


「こっちに来てくれるか?」


 皇帝はシエラちゃんを優しく呼んだ。

 シエラちゃんは少し戸惑いながらも、ゆっくりと皇帝に近づく。


「エレ⋯⋯シエラ、母さんのことを知りたくないか?」

「⋯⋯お母様を?」


 シエラちゃんは困惑している。

 お母様を知りたくないかと言われても、お母様のことは知っているからだろう。


 でも、私は何となく意味がわかる。


(きっと、お母様はシエラちゃんの本当のお母さんじゃないんだよね)


 皇帝の妻の人が、本当のお母さんなんだろう。その人のことは、私も少し気になっている。


「こっちだ」


 皇帝は、部屋に案内してくれた。




「ここだ」


 皇帝は、部屋に入るとそう言った。

 そこには、優しくてほっこりするような空間が広がっていた。

 具体的に言うと、壁に可愛らしい絵がかけてあったり、ベッドのクッションの色味が柔らかかったりというところだ。


 やさしい人が過ごしている部屋だと、何となく分かる。


「ここは妻の部屋だ」

「えっと、入っちゃって良いんですか?」

「ああ」


(いや、ちょっと抵抗あるんですけど⋯⋯)


 そう思いながらも、ゆっくりと一歩を踏み出した。


「わぁ⋯⋯」


 シエラちゃんが声を漏らす。

 それもそのはず。さっきまでは見えなかった角度に、大きな絵が飾られていたからだ。

 その絵には、美しい人が描かれていた。


「この人は?」

「妻だ」

「へぇー……」


 思わず声が漏れてしまった。

 シエラちゃんも嬉しそうに微笑んでいる。


「それで、本人は?」

「……」


 皇帝の顔があまりにも寂しそうで、私はハッとした。

 もしかして、シエラちゃんのお母さんって……。


「妻は、死んだんだ」

「……!」


(余計なこと聞いちゃった……)


「すみません、知らなくて」

「まぁ、そこまで大きな事件だったわけでもないから仕方ないだろう」


 皇帝は寂しそうに言った。


「妻や子がいなくなっても、また次を見つければいい。そんな感じだった。特にエ……シエラは女だったから、最悪の場合いなくてもいいみたいな空気だった」

「そんな……」


 シエラちゃんは、小さく俯いている。


(いなくてもいいなんて、誰でも許されないよっ!)


「じ、じゃあ、あなたは新しく妻を娶ったんですか……?」


 皇帝と呼ぶのも少し変な気がして、私は「あなた」と言った。それはそれで失礼な気もするけど、私は別にいい。


「いや、フィオナ以外を娶るつもりはない」


 フィオナというのは恐らくシエラちゃんのお母さんの名前だ。


「エレナとフィオナは、私の宝物なんだ」


 皇帝は、その時のことを話してくれた。




 私は、ただ父が皇帝だっただけで、何の才もなかった。皇帝に選ばれるわけがないと、思っていた。

 だが選ばれたのは私だった。当たり前だ、私以外男がいなかった。


 消去法で、私が皇帝になった。

 私は焦った。自分が皇帝になんて、と。

 だからだろうか、しばらく嫌だと言って引きこもった時期があった。


 そんなある日、父が死んだ。私はいつの間にか皇帝の座に立たされていた。

 適当に、投げやりに過ごしていたとき。

 フィオナがやってきたんだ。私の教育係として。

 同い年の人が教育しに来るなんて、子供に見られたものだ、とは思った。


 だが、気づかされた。投げやりに過ごしていたときの行動は、子供みたいだったと。

 そう教えてくれたのも、フィオナなんだ。


 気がついたら惹かれ合っていた。


 そして、子供が生まれた。フィオナは、その子を「エレナ」と名付けた。


 一ヶ月は大事に育てていた。だがある日、庭に連れて行って花々を見せていたら、突然行方不明になったんだ。

 私たちは一生懸命探した。それでも見つからなかった。



 ◇◇◇



(フィオナさんとも、シエラちゃんとも、思い出があったんだね)


「聞かせてくださりありがとうございます」

「ありがとうございます」


 私に続いてシエラちゃんが言った。


「もう帰っても大丈夫ですか? そろそろ帰らないとお母さんに怪しまれます」

「母⋯⋯そうか、別で母がいるのか⋯⋯いや、なんでもない。帰っても大丈夫だ」


 皇帝はそういうと、帰り道を示してくれた。


「ここを抜けると大きい通りに出るからね」

「はい」


 私は言われたとおりに帰った。

 シエラちゃんは俯いている。


「どうしたのっ、シエラちゃん!」

「⋯⋯どうもしてない。ただ、私はなんであの家に⋯⋯」

「ん? 何ていった?」

「⋯⋯なんでもないよ」


 シエラちゃんはぱっと顔を上げると、顔を思いっきり左右に振った。


(ふるふるしててかわいいーっ! でもシエラちゃんのちっちゃい顔がとれちゃうーっ!)


 そう思いながら、私は必死にシエラちゃんを止めた。

 シエラちゃんの心配に、気づくことができなかたった。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。