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第2部 驚愕のニュージーランド編 VOL14「今日だけは俺が日本人代表」(1997年)

ー驚愕のニュージーランド編 VOL14

「今日だけは俺が日本人代表」

クイーンズタウン 1997年1月


ー前回からの続きー


そう、ギブアップするなら今しかない。

地上102mか、、、、。

でももしここで俺がマイッタって言うてみろ。

まわりのコイツらがこの旅行からそれぞれ

自分の国へ帰って、友達とバーで飲みながら

「なあ、ニュージーランド旅行どうだった?」

って訊かれて、

「いやあ、オモロかったよー。 

いろんなことやったしねー。

あ!そーそー。バンジーやった時、

日本人ひとりだけがビビッて

よー飛ばんかってんでえ!

根性ナシやなあ! ガハハハハ!」

って世界のアチコチで

バカにされるやないかあ!

あかん! ここは「日本人代表」として

ぜええーったい飛ばねばっ!!!


そしてついにその時が訪れた。

ドクン! ドクン! ドクン!

い、いくのかっ? いくのかっ? 

ホンマにっ?

インストラクターや周りの皆が陽気に

実にムセキニンなカウントダウンを始める。

「5! 4! 3! 2! 1! 

トおーベえー!(日本語)」

ええーーーいいっ!!!

両腕を大きく拡げてアタマから

何もない空中へ。

飛んだっ!!!

「のわあああああああーーーーーー

ーーーーっ!!!!!!」

そこには「人生最大のキョーフ」

が待っていたのだった。


ごおおおおーーーーーーっ!!!

耳の中で風が渦巻く!

鳥のさえずりしか聞こえなかった

平和な夏空の下から突然、

上半身ハダカの俺は風に包まれながら

何の抵抗もできない異次元へと

吸い込まれてゆく。

これがまさに奈落の底へ落ちて行く

という感じだろうか。

さらにグングン加速していく!!

うわあああっ!!! 

どこまで落ちるんやあ!!!

ここここれってホンマにちゃんと

止まるのかあーー!!?

心臓をぎゅうっと掴まれていくような

かつて経験のない恐怖心。

3秒、、、、4秒、、、、。

もうあかああああーーーーーん!!

ゲンカイやああああーー!!!

もし緊急停止ボタンというようなものを

握っていたとしたら押していたかもしれない。


その時、足首にぐぐうーーーっとロープが

引っ張る力を感じた。

みるみる落下速度が落ちてゆく。

た、た、た、

たすかったああーーーーーーーーーーっ。

その瞬間、脳内でエンドルフィンが

一気に分泌されるのか、

死ぬほど怖かったはずが見事に一転して

谷の間を自然に優しく抱かれて

飛んでいるような最高の安堵感に包まれる。

川の上10mくらい?まで下がりきると

今度はロープの張力でグングン上昇してゆく。

「おおっ、、、、素晴らしい!!!」

今、俺の目の前に広がるこの緑にあふれる

世界をさえぎるものは何ひとつない。

なんという解放感、、、、。

自分自身もこの地球の自然の一部なんだ

と確信する。

はるか空高くまっ逆さまに吊り下げられる

という非現実的なオソロシイ状況にあるのに

この安らいだ気持ちは一体なんなのだ??


地上102mの橋の10mくらい?下まで

跳ね上げられる。

橋から皆が顔を突き出して

明るく手を振ってくる。

「I love New Zealaaa------nd!!」

両腕を大きく拡げて叫んで皆に応える。

ホンっトに不思議なことに

7秒前とは全く正反対に幸福感に満たされて

再び落下してゆく。

段々低くなりながら何度も上下する。

やがてロープを伸ばしていき、

下の川のボートに乗ったインストラクターに

外してもらい、川岸でボートから

降ろされると、すでにジャンプを終えた皆は

イキイキしてしゃべっていた。

女性のチャレンジャーが俺に訊いた。

「Do you like It?」

「Oh! Yeah−−!!!」

いろんな国から集まった見ず知らずの俺らは

同じ強烈な体験をした者同士コーフンして

目を輝かせて感想を語り合ったのだった。


「究極の恐怖感」と「最高の幸福感」の

ブッ飛んだカクテル。

皆さんもいかが?


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