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第2部 驚愕のニュージーランド編 VOL12「激流ラフティング」(1997年)

ー驚愕のニュージーランド編 VOL12

「激流ラフティング」

クイーンズタウン 1997年1月


5-20mほどの幅の川の両側は

ゴツゴツの岩の壁である。

そこをでっかいゴムボートで

ガンガンぶち当たりながら下っていくのだ!

ウェットスーツ、シューズ、ヘルメット、

ライフジャケットを借りて装着。

まず川原でゴムボートに乗り、

インストラクターの指示に従って

陸上でオールを漕ぐ練習をする。

指示は右、左、前、後ろ、掴まれ、の5つだ。


「HOLD ON!(掴まれ)」

という指示が出たら何が起こるかわからない。

流れが強すぎてどう漕いでももうムダな時、

このいちばん緊張するひとことを

聞くことになる。


このカワラウ川は所々流れがすごく激しく、

2m以上落下する小さい滝まである。

このけっこう危険な所をほとんど初体験の

メンバー6-8人くらい、5-6隻で下っていく。

驚いたことに40-60代くらいのヒトが

けっこう多い。

ナント真っ白な髪の夫婦らしきペアも

何組かいる。

ジェットコースターに乗るにしても、

「心臓の弱いひと、高齢、

酒気を帯びたひとはダメ」とか

手取り足取り指図する日本とは全く違い、

ここニュージーランドでは何をするにも

何の制限もない。

あなたは自由だけど、

責任は自分で負いなさいね、

ということだろう。

残念ながら日本はものすごい過保護で

多くの意味でオトナが自立して的確な

判断や行動ができない国であるように

強く感じてしまう。


今回、ウチのボートのメンバーの中では

経験者は2回目の俺と20代後半くらいの

アメリカ人の男だけだ。

さあ、スタート!

川へボートを押し入れて、

アメリカ人と俺の2人が先頭に座る。

水はすううっごくキレイだっ。

最初の方は時々流れが速いけれど

それ以外は緑に囲まれた景色を見ながら

のんびり進んでゆく。

その間に実際に漕ぐ動作の復習と

お互い自己紹介をする。

アトラクションのインストラクターは皆、

陽気で感じがいい。

参加者も皆、明るい。

国籍はバラバラだ。

ウキウキしている俺がアメリカ人に

「2年前にやったけど、

ここはかなりオモロイよー。

キミはけっこうやってるの?」

と訊くと、

彼はややフキゲンに

「アメリカではかなりキツイとこで

何回もやってきたよ。」

と答える。

うーーん、なんかカワイゲないなあ、コイツ。

どうもこの川の流れが物足りないみたいだ。

あとからスゴイとこあるんやけどなあ。


「HOLD ON!」と指示される以外は

ボートのヘリに腰掛けて漕いでいるので、

身を守るためにオールで岩の壁を押したり、

ボートの内側に逃げ込んだり

しなくてはいけない。

「HOLD ON!」とインストラクターが

叫ぶたびに皆の悲鳴や歓喜の?声が飛び交い、

ボートは木の葉のように揺れ、浸水する。

真夏の1月でもこの川の水温はナント8度前後。

ウェットスーツなしでは冷たくて冷たくて

とても耐えられないだろう。

ちなみにボートはちゃんと排水するように

なっているので沈没することはないようだ。

やがてごうごうと白波が立つ

激流地帯へと入っていき、

あっちでこっちで転覆するボートもでてくる。

「うーーん、楽しすぎるう!!」


あっ、と思ったら、うなりをあげる激流に

飲み込まれて吹っ飛ばされた。

目を開けると水の中。

上を見ると水面までは2mくらいだ。

ジタバタ動くと足を岩にぶつけてケガするから

水に落ちたらじっとしているように、と

指示されている。

それにしてもなんてことだ!

強力な浮力を持つライフジャケットを

着けているというのに、

いっこうに浮かび上がる気配がない。

それほど流れが速いのだ!

ものすごい力で水中に沈んだまま

どんどん押し流されてゆく。

おいおいー。息が続かんぞ。

仕方なくちょっと慌てて泳いで浮上開始。

やっと水面に顔を出す。

ぷはあーっ!

同時に目の前にアメリカ人の顔が

ポン!と浮かんだ。

「ぎゃははははあ!Yoo,too!」


やっと元のボートに皆に

引っ張り上げてもらう。

アメリカ人はすっかりイキイキとした

表情になっていた。

「This river is great!!」 

「Ye-s!! I told you!!」 

波に転覆寸前まで振り回され、

滝を流れ落ちながら、俺らはゴキゲンに

叫び続けたのだった。

「ひゃっほうーーー!!」


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