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穂條家二階、李珠の部屋は春頃に比べて随分ものが多くなったように感じる。本棚に並んだアイドル関連の雑誌やCD、グッズもそうだが、特に変わったのは勉強机。来ると必ずパソコンが置いてあり、メモ帳やノート、最近始めたゲーム配信用のゲームソフトが散乱している。それに、ラジオ局でしか見ないようなマイクが置いてあった。遂に買ったらしい。
そんな部屋の真ん中には、いつもの折り畳みテーブルが置いてある。だが、いつもは紙コップであるはずなのに、今日は洒落たウォールグラスに透明な炭酸飲料が注がれている。
「沙希の誕生日だから、特別サービスだよ」
李珠に言われ、思い出す。文化祭やら体育祭やらの話題ですっかり忘れていたが、今日は私の誕生日だった。李珠がスマホをスタンドにセットし、録画を開始する。私の誕生日パーティー動画の撮影が始まるのだが、正直それどころではない。
李珠が今日ずっと浮かない顔をしていた理由を、私はまだ聞いていない。
「はっぴばーすでぃさーきー、はっぴばーすでぃさーきー」
いきなりふざけた調子で歌い出す李珠。瑠琉も玲奈も、美波も一緒になって手拍子と共に歌い出し、私も祝われればそれはそれで照れる。頭の片隅にモヤモヤを閉じ込めて、今は撮影に集中する。
「ほらさき、蝋燭消して」
「いやケーキないじゃん。そういやケーキは?」
「高かったね」
「ああ、うん」
「だから作った」
「え、作った?」
李珠が一旦部屋を退出し、戻って来たかと思えば皿に載せたケーキを運んできた。
「チョコレートアイスケーキ。昨日のうちにるると作ったよぅ」
「え、みなみとれいなは?」
「家が遠いから」
「家が遠いから」
「料理が苦手だから参加しなかったんですよね」
ミックスベリーがふんだんにのったチョコレートアイスケーキを綺麗に五等分し、小皿に盛り付けたところでプレゼントが配られる。李珠からはボディウォッシュとバスソルトとボディローションの三点セット、瑠琉からは高級感のある桜色のポーチ、美波からはランニング用のキャップ、玲奈からはカラフルなバスボムを貰った。
ケーキを食べながら雑談をし、撮影は一時間半で終了。
余った炭酸を飲み干していると、李珠が「さて」と、ようやくメインイベントに切り込む。いや、メインイベントは私の誕生日パーティーであるはずだったんだけど、私以外の皆も撮影中しきりに李珠の顔を見てたし。やっぱり李珠の話を聞いてから撮影の順番にするべきだったんじゃないだろうか。なんて、今更思っても遅い。
李珠は注目する私達の顔を一人一人見た後、徐に口を開いた。
「実はさ……」
ごくり。唾を飲みこむ私達。否、美波だけは髪の毛先を指でくるくるしながら話を聞いていた。緊張感がなさすぎる。
「実は、さ……文化祭、のことなんだけど」
あれ? 文化祭? 李珠の口から出てきた単語に、私は思わず隣の瑠琉と顔を見合わせる。
瑠琉も目を丸くして、私を見ていた。どういうことだろう。てっきりSky′s関係の何かかと思っていたのに。
「あー、えっと、何から言おうかなー……あ、そだ」
李珠は言いながら、スマホを手に取る。暫く何かを調べていた後、「これ見て」とスマホをテーブルに置いた。覗き込む私達。
そこには。
「歌うまバトル……ってこれ」
Webサイトのタイトルを読み上げた瑠琉に、李珠が神妙な面持ちで頷く。
「これ、テレビ番組ですよね。毎週やってる、人気の……」
「これに出ようと思う」
「は?」
と、声を出したのは私ではない。玲奈だったが、私も同じことを言いそうになった。李珠は私達を置いて、スマホの画面をスクロールしていく。下の方までいくと、出場者募集のリンクがある。李珠がそこをタップすると、ある文字が目に飛び込んできた。
「高校生限定、アカペラ歌唱大会……」
私が思わず声に出して呟くと、李珠は「そう」と大きく頷く。
「これに、出る。締め切りは今日の、二十三時五十九分まで」
言われて、当然まだ間に合うと頭では解っているのに時計を確認してしまった。穂條家の壁掛け時計は現在十七時四十六分をさしている。私はもう一度李珠を見た。李珠は俯いていた。
「誰でも出られるわけじゃなくて、まずは書類審査を通過する必要がある。で、面接を通過したら出場。打ち合わせが十月十日、収録が十一日にある」
十月十日と十一日。何かあったっけ、なんて思うまでもない。文化祭の日だ。
「私、落ちるつもりはない。ないけど、もし審査を通過したら、文化祭には出られなくなる。それが、その……まぁ、主に、高橋さん達から反感買わないか、ちょっと心配で……」
十日は前夜祭なのでまだお店はやらない。体育館で吹奏楽部の演奏や新体操部の演技発表、ダンスや歌唱といったフリーステージを見るだけだ。が、十一日は保護者や他校の生徒など、外からのお客さんも含めた大規模な祭りを行う。勿論、お店はその時にやる。
「なるほどね……特に私と沙希と瑠琉と玲奈は、同じ時間に同じ班としてお店を回さなきゃいけないんだもの。ごっそり抜けたら面倒なことになるでしょうね」
美波の言う通り、十一時二十分から十二時までの間、お店を回す人が一人もいなくなってしまっては、間違いなく反感を買ってしまう。しかも、既に決まっていることを自分達の都合でやっぱなしとするのだから、怒られるのも当然の話。
どうしようか、と頭を悩ませていると、
「え?」
と、李珠が何故か目を見開いていた。李珠は梟のような顔で、疑問に満ちた声で言う。
「……皆も出るの?」
「は?」
今度は美波が声を出す番だった。が、美波が言わなければ私が言っていただろう。そのくらい、李珠の発言は衝撃だった。
「え、いやいや、なんで李珠だけが出ることになってるのよ。Sky′sの知名度を上げるためにテレビに出ようっていう……そういう話でしょう? それとも、あなたが単に趣味の範疇で出場したいと思っているだけなのかしら? だとしたら、いちいち深刻そうな顔で報告なんてしないでもらえるかしら。紛らわしいったらないわ」
「あ、うん。いや、そうなんだけど。Sky′sの知名度を上げるためってのはそうなんだけど。でもまさか、皆も一緒に出るとは思ってなくて」
「どうしてよ。ほら、ここ」
そう言って美波が指さしたスマホの画面には、『高校生限定アカペラ歌唱バトル! チーム参加もオッケー!』の文字がある。リンクをタップすると、更に詳しい詳細が流れてきた。一チームの人数は、一人~六人までらしい。私達は五人。ちゃんとルールに沿っている。
李珠は暫く固まっていた。双眸をじっとスマホに向け、一言も喋らなかった。そうした時間が数十秒ほど続いた後。
「まぁ、まだテレビ出られるって決まったわけじゃないしね」
と、肩が軽くなったような調子で言った。
「でも、そうなるともっと反感買うよ? どうする? 今更私達文化祭出ませんって、どうやって言うの?」
そうしてまた、肩が重くなったように李珠は言う。確かに、書類審査と面接を通過しなければテレビには出られないが、テレビに出られるよう私達は全力を尽くす。で、それでもし本当にテレビに出られるとなったら、高橋さん達と衝突する事態は避けられないわけで。
「やっぱ、今のうちに伝えといた方が良いんじゃないかな? もしかしたら文化祭出られないかもしれないから、補欠用意しといて……いや、補欠は私達で探そう。できるだけ迷惑をかけない形で、もしもの時はごめんよろしくって言っとこうよ。テレビ出られるって文化祭の直前くらいで決まって直前でごめんって言うより、よっぽどマシでしょ」
事前に声くらいはかけといた方が良いと玲奈は言う。が、李珠は難色を示した。
「それはそうだと思うけど……でもさ、恥ずかしくない? それでもし書類か面接落ちて、やっぱ文化祭出られるってなったら、あいつら落ちたんだーって笑われることになるじゃん」
どうやら言い淀んでいる原因はそれらしい。気持ちは解らなくもないが。
「でもそんなの、笑う奴らの方が頭おかしいでしょ。大抵の人はそんなこと気にしないんだから、私も玲奈に賛成だわ」
「私も賛成です。事前に伝えるのと直前に伝えるのとでは、印象が全然違いますし。李珠さんの心配も、解りますけど……」
美波と瑠琉が玲奈の意見に賛同し、完全に三対一の図になった。李珠が私をちらと見てくる。
私はそういえば、と思い出す。李珠は文化祭の話し合いの時、展示か劇の裏方をやりたいと言っていた。あれは、文化祭当日にできるだけ皆に迷惑をかけないためだったのだろう。あそこでもし李珠が、文化祭に出られないかもしれないと伝えていたら、衝突はしただろうが今こうして頭を悩ませることもなかったかもしれない。いや、でも。あそこで、クラスメイト全員が見守る中で、そんなことが言えるだろうか? 先生もいない、同い年の人しかいない、あの中で。
李珠は、あまり陽キャではない。明るくて誰とでも話が弾む、コミュニケ―ションに長けている子だ。でも、クラスにあまり友達はいない。いや、私よりかは誰とでも話している印象はあるけど、それでもトイレに行った時、よく李珠について話しているクラスの人達を見かける。それは高橋さん達だけじゃなくて、他クラスも交えたいろんな人が。
Colorful*Starsオーデションを見たけど、李珠の歌もダンスもあんまりだったとか、桜乃夢に比べたら劣るとか、絶対自分のこと可愛いと思ってそうとか、正直苦手とか。SNSだって、穂條李珠で検索すれば良い意見も悪い意見も出て来る。
李珠はこの中の誰より、悪意と身近に生きている。
「……別に、高橋さん達に言う必要はないんじゃないかな」
私の言葉に、皆は最初どういうことか疑問に思ったようだったが、玲奈がすぐに「ああ」と頷いた。
「確かに。委員長の八尾坂くんとかで良いよね」
だが、私はそれにも首を振る。八尾坂くんじゃなくても、別に良い。
「小口先生にさ、職員室かどっかで文化祭出られないかもしれませんって言うの。で、補欠は玲奈の言う通り私達で探して……で、当日まで、私達がいないかもってことは黙っててもらおう。当日になってもし私達が来なくても、それならクラスが困ることはないわけだし。補欠の人には、後でお礼か何かしてさ」
「沙希、でも、それは……」
誠実じゃない。玲奈の言いたいことは解っている。でも、と私は言葉を絞り出す。
「言葉、悪いけどさ、所詮学校のイベントだよ? そこまできっちりする必要、あるのかなって。そりゃ、高橋さん達にとっては所詮じゃないかもしれないけど、私達にとって一番大切なのは、歌唱バトルの方なんだし。学生だからって、学校のイベントを優先しなきゃいけないなんてルールもないでしょ? 一番穏便に済ませるなら、この方が良いんじゃないかな」
言うと、少しの沈黙が落ちた。秒針を刻む時計の音を聞いていると、玲奈が「あのさ」と口を開く。
「私の方から言い出しといてなんだけど、補欠って、誰が良いのかな」
私の頭に何人かの顔が浮かぶ。真っ先に浮かんだのは、瑠琉の友達の利木十架さんや小野寺春さん、後は補欠を引き受けてくれそうな優しそうで、大人しそうな顔の人が数人。玲奈も同じ人を想像していたのだろう。渋い顔をして言う。
「まず、高橋さん達には絶対頼めないでしょ? で、うっかり口を滑らせそうな……所謂、クラスでも目立つような人にもリスクがあるから頼めない。そうなると、大人しそうで優しそうな人に頼むしかないよね? するとたぶんだけど、良いよって言って引き受けてくれる。……でも、それで良いのかな」
公平じゃない。解っては、いる。
「それに沙希の方法ってさ、文化祭が終わった後が大変でしょ。なんで言ってくれなかったのって言われるだろうし、それで怒られたら私達は何も言えなくなっちゃう。私達だけじゃない。補欠を引き受けてくれた人にもとばっちりがいく可能性あるよ」
玲奈に言われ、私は言葉に詰まってしまう。ぐぅの音も出ない正論に黙る私を見た玲奈は、「あ、ごめん……」と小さく呟く。別に、謝る必要はないのに。
沈黙の時間が続く。どうすべきかは頭で解っているのに、そこに行くまでの正確な道筋が解らない。否。そもそも。
私は文化祭が嫌いだ。体育祭も修学旅行も、他の学校に関するイベントだってそう。本当にテレビに出られるとなれば、文化祭を休む理由が見つかって万々歳だ。Sky′s以外に友達なんていないから、誰に迷惑をかけてもそこまで気に病まない。
でも、他の皆はどうなんだろう。文化祭を楽しみにしていた人がいれば。Sky′s以外の誰かと回る文化祭を楽しみにしていた人がいれば。私より人脈が広くて、誰かとの人間関係がこじれてしまうかもしれない、そんな恐怖に身体が強張っている人がいるとすれば。
解らない。皆が何を考えているのか。
「良い方法、なんてものは解らないけれど、筋は通すべきだわ」
毅然と、美波がそう言い放った。筋を通す。私はよく解らなくて首を傾げる。
「どういうこと?」
「要するに、私達は私達のしたいことを優先するんだから、堂々としてるってこと」
堂々と。言われて、私は気が付いた。どうして私の心は今、こんなに静かなんだろう。私達Sky′sは今、新しいことに挑戦しようとしている。もしかしたらテレビに出て、Sky′sの知名度が上がって、アカペラ大会で優勝できるかもしれない。そんな期待と希望に溢れたチャンスを掴もうとしているのに、全然、心が躍らない。ワクワクしない。
何故なら、好きなことをしようとしている私達に、ちょっと待ってよと怒った声で言うかもしれない人がいるから。私達の好きが、誰かの迷惑になってしまうかもしれないから。
でも、それでも私達は誰一人、誰かに迷惑をかけてしまうと解ってはいても、挑戦をやめようとは言わない。今回はなしにしようとは、誰も言わない。
そうだ。それが、答えじゃないか。
「……八尾坂くんには言っておこうか」
そう答えたのは、李珠だった。ふぅと短い息を吐いた李珠は、「うん、そうしよう」と自分の案に自分で賛成する。
「明日朝一……いや、直接言うことでもないか。私の方からLINEで、今言うね」
「え、李珠、八尾坂くんのLINE知ってるの?」
玲奈が訊ねると、李珠は「知らない」と言いながらLINEを開く。
「知らないけど、クラスLINEから探して勝手に追加する」
あ、なるほど。そういうやり方があるのか。「お、あったあった」と李珠が八尾坂くんのアカウントを見つけたらしく、躊躇なく追加する。そして、声を出しながら文面を作成。
「勝手に追加してごめんね。同じクラスの穂條です……えーと、えっと、なんて言えば良い?」
「文化祭の件についてご相談したいことが、で良いんじゃないんですか?」
瑠琉の言う通りに文を打つ李珠。それを、玲奈が止める。
「でも、もし八尾坂くんの周りに人がいたらどうするの? 高橋さんとか。いきなり用件から入るっていうのは、なかなかリスクあるんじゃ……」
「高橋さんがいたらその時はその時よ。筋を通せば良いんだわ。私達は私達の用事があるから文化祭には出られないのごめんなさい。もしそれで何か言ってこようものなら、あなた達は学校という狭い箱の中でしか生きていないんですね、人生の学び舎とは学校だけではなく生涯学習といった──」
「あーはいはい、美波は黙ってて。トラブルにしかならないから」
玲奈が美波の口をふさぐ。美波がもがもが言っている間に、李珠は八尾坂くんに文章を送る。
『勝手に追加してごめんね! 同じクラスの穂條です! 今どこにいる?』
全員でスマホを覗き込み、三分ほどが経過。既読がつき、返信もすぐにくる。
『追加は全然いいよ。今は駅。このあと塾だけど、何か用事?』
駅、か。文脈から一人か複数でいるかの判別は難しい。同じ塾に通っている友達がいるなら、その人と駅で暇を潰しているかもしれないし。
李珠も同じことを考えたのか、少し間を置いた後に切り込んだことを訊いた。
『一人?』
切り込み過ぎだろう。と思ったが、送ってしまったものは仕方がない。八尾坂くんは不審に思ったのか、すぐには返事をしてくれなかった。が、既読がついた手前スルーもできないのか、一分ほど待って返事がくる。
『一人だけど、何?』
警戒心マシマシだった。すかさず李珠が返信。
『文化祭に関して話したいことがあるんだけど。委員長の八尾坂くんには一応知っておいてほしいことで。他の人にはまだ喋らないでほしい』
続けて、李珠は八尾坂くんの返信も待たずに素早く文を打つ。Sky′sのことには敢えて触れず、李珠、美波、瑠琉、玲奈、私がアカペラ歌唱大会に出場するかもしれないこと。もし出場が決まれば、打ち合わせやリハーサル、収録などで文化祭には両日参加できないかもしれないこと。出場できるか否かは合否を確認しだい再度連絡するが、それまではクラスの皆に黙っていてほしいこと。加えて、もし出場できなかった場合は補欠の人を探す必要があり、人員を八尾坂くんの方でも何人か確保しておいてほしいこと。
こういったことを簡潔に纏め、送信。すると、すぐに『オッケー』と返事がきた。本当に解っているのかと思ったが、
『補欠は別にいらないと思う。全班の時間を五分か十分くらい延長すれば良いだけだし』
と、神みたいな案が返ってきた。そうだ、班は全部で七つ。一班のシフト時間が四十分で、一班抜けた分の四十分を埋めるとなれば……ええと、四十分を六班で分配すれば良いわけだから、確かに、八尾坂くんの言うように全班五分から十分ていど延長すれば問題ない。そのくらいの延長なら、あまり文句も言われないだろう。
「流石は委員長ね。頭が良い……」
「あれ、美波って期末の順位いくつだっけ」
玲奈に訊ねられた美波は、「五」と言った。苦笑する玲奈。八尾坂くんは何位なんだろう。
「よーっし、肩の荷も下りたことだし! ちゃちゃっとエントリーしちゃいますかっ!」
まだ問題が解決したわけではないが……。李珠は伸びをすると、背筋を正してスマホの画面を先ほどのアカペラ歌唱大会のサイトに戻す。募集中のリンクをタップし、ちゃちゃっと必要事項を記入していく李珠。さっきまでの深刻さはどこ吹く風、今は目の前のチャンスにただ期待と希望を抱いている挑戦者の顔つきだ。
「あ、皆の住所と電話番号教えて。それと、歌ってる動画が必要みたいなんだけど、『ReVenge』と『ヒビキ』どっちにする?」
弾んだ声が私の鼓膜を揺する。なんだか私もウズウズしてきた。
まだまだ夏の夕空は、十八時になろうとしても仄かに青い。黄色味を帯びた眩しい光が、私たちの足元を照らしていた。




