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翌日の放課後、私は体育館にいた。目の前では2年生と3年生が流行りのK-Popに合わせて懸命に手足を動かしており、仮入部をしたらしい1年生も何とか動きについていこうと藻掻いている。ジトっとした目で眺めること3分半、今日初めてフルで踊り切ったという1年生はぜぇはぁ息を切らしながら床に座り込み、先輩方は慣れた様子で互いに「今のどうだった?」と反省会をしている。何でも、去年の全国大会で惜しいところまでいったため、今年こそはと気合を入れているのだとか。
「どうだった? うちのダンス部は」
ダンス部の部長を務める藤堂先輩の綺麗なプロポーションが私の前に現れる。正直な感想を言えるはずもなく、私は愛想笑いを浮かべた。
「はい、とても凄いダンスだったと思います。やっぱりレベルが高いですね」
やっぱり、とは言ったものの私は今日初めて、この部活のダンスを見た。いや、もしかしたら部活動紹介の際に見たのかもしれないが、この学校は部活動の数が多いせいで記憶にない。
藤堂先輩は爽やかな笑みで「ありがと」と言った後、
「じゃあ、一条さんはどうだった?」
私の隣で体育座りをしていた一条さんに意見を求める。一条さんはぴくりと肩を震わせると、
「……綺麗なダンス、だったと思います」
「っ……! だったら!」
「でもごめんなさい。私やっぱり……何度来ても、意見は、変わらない、です」
一条さんのことを顔と名前くらいしか知らない私でも、一条さんがおどおどびくびくしつつも入部をきっぱり断っていることくらいは理解できた。それに、何度来てもと言っていることから何度も勧誘を受け、その度に難色を示しているらしい。
ここまではっきりと言い切られたら藤堂先輩も諦めるだろう、と思いきや、
「でも一条さん、中学でダンスやってたんだよね⁉」
大きな魚影を発見した漁師のような顔で、藤堂先輩は一条さんに勢いよく訊ねた。珍しく、今回の主役は私ではなく一条さんらしい。私のことはもうどうでも良くなったのか、藤堂さんは一条さんの瞳だけを見て熱烈に語りかけた。
「お願い! 一条さんが入ってくれたら、絶対今年全国いけるの! ううん、全国で優勝だって狙えちゃう! 一条さんもダンス、好きなんでしょ? 好きなこと極めておまけに大会優勝の肩書までゲットできるんだよ? ゲットしちゃったら大学入試のとき、内申点に困らないよ?」
いるいる。内申点がーとか言って生徒会選挙に立候補するよう強要してくる先生、中学のときにいた。実際問題、内申点ってそこまで重要なのだろうか。そりゃあ運動部に所属していたとして、大会で良い成績を残しまくっていたらスポーツ高校や大学の推薦がもらえるんだろうけど、生徒会役員だったり職業にしようとは思わない趣味程度の部活動で積んだ経験は、面接のネタにはなっても大学合格に繋がりはしない。結局のところ、ほとんどが筆記試験の総合点数で決まるのだから。
「……ごめんなさい、内申点よりまず、私は勉強をどうにかしないといけないので」
そら見ろ。ダンスが好きな人間は既に仮入部をしてるんだよ。してないってことはそういうことなんだ。だが、藤堂先輩はしつこかった。
「勉強なら大丈夫だよ! 夏休みに部員みんなで合宿するの! 朝とお昼はダンスの練習で、夜は勉強! しかも、合宿地はなんと金沢! 海で遊んだり、花火したり、楽しいんだよ!」
今の説明を聞いて勉強への不安が払拭できるのなら、頭がお花畑にもほどがある。一条さんも、ダンス部への拒否感がよりいっそう強まったのか、表情の陰りが濃くなった。
「すみません。私、ダンスはもう、やらないんです」
「え、なんで──」
「ほんとにごめんなさい。じゃあ、私、その、用事あるので、これで──」
「ちょ、待った待った!」
立ち上がりかけた一条さんを、藤堂先輩が両手を大きく広げて制する。帰らせてやれよ、ついでに私も帰るから。
「じゃあさ、えっと……最後にもう1曲だけ、ダンス見ていってよ! 見たら帰ってくれて良いから!」
ダンスを見るまで出られない部屋……。まぁ、1曲くらいなら良いか。一条さんも、そう言われてしまえば断ることはできなくなったのか、「解りました」と呟いて座り直す。
藤堂先輩は未だへたり込んでいる1年生に、「1年は休んでて良いからね」と優しく声をかけ、2年生と3年生だけを集めると、何やらこそこそ話し合ってから各々のポジションにつく。1年生の女子がスマホを操作すると、Bluetoothスピーカーから音楽が流れ始めた。偶然か必然か、去年SNSを中心に話題になったアイドルソングだった。
隣の男子バトミントン部が、熱の籠った目でダンス部をガン見している。対する私と一条さんは、理不尽な説教を受けているような目でダンスを眺めていた。
「ねぇ、もしかして勧誘されたの?」
サビに入ったところで、暇だったので一条さんに話しかけてみた。一条さんはびくっと肩を震わせた後、「え」とか「う」とか何か言いかけては喉に引っ込める。別に難しい質問ではなかったと思うんだけど。
「う、うん。昇降口で、待ち伏せされてて……」
何か重大な秘密を打ち明けるように、何でもないことを一条さんは言う。人見知りなのかもしれない。
「へぇー、私は正門だった」
「え、穂條さんも、待ち合わせ?」
「うん。最近ずっと、いろんな部活の先輩が勧誘してくるんだ。昨日は軽音部だったし、その前は吹奏楽部。バレー部とか野球部のマネージャーとか、うんざりするくらい」
内容は愚痴だが、愚痴っぽくならないようマイルドに、笑みを浮かべておく。一条さんは笑っているのか笑っていないのか、曖昧な表情で、
「た、大変だね」
と小さな声で言う。曲が2番に入る。センターの藤堂さんが指でハートの形を作り、パチッと綺麗なウインクを決める。私は笑顔で控えめに手を叩き、一条さんは何故か会釈をする。
「でも、一条さんも大変じゃない?」
藤堂先輩が後ろを向いたタイミングで、私はまた一条さんに話しかける。今度は、藤堂先輩の動きを入念に観察しながら、できるだけ声のボリュームを落とす。
「部活の勧誘、さっきの言い方だと今日だけじゃないんでしょ? もしかして、入学式から毎日?」
「入学式の日も勧誘はされた、けど、毎日ってわけじゃなくて……。先週は2回で、今週は今日で3回目」
入学式は先々週だったから、合わせると6回、勧誘を受けたことになる。だが、体験入部には行かず断って帰った日もあると言う。
「入学式は、このあと友達と遊ぶ予定があるって言ったら引き下がってくれて、2回目も、同じ感じで断って……でも、3回目で、流石にずっと断ってるのも悪いから1回だけって気持ちで、行ったら、試しにって踊らされたときに、絶対入ってって、それからずっと……」
「ふーん。てことは、やっぱりダンス上手いんだ」
「……そう、みたいだね。よく知らないけど」
他人事のような言い方からして、一条さん自身はダンスにあまり興味がなさそうだ。
「でもダンスって、運動神経良くてもリズム感とか、技術みたいな面が高くないとあんまり上手くならなくない? ただの素人が部長の目に止まるくらい上手く踊れるとは思えないんだけど……もしかして、ダンス経験者だったりするの?」
何気なく訊いた、本当に何でもない、「好きな色は?」レベルの質問。だと思っていたのに、一条さんは黙った。曲が再びサビに入って、終わって、間奏が始まる。たっぷり口を閉じた一条さんは、じっと床を見つめて、
「……違う」
と、本当に小さな声で、呟くようにして言った。
もしかして、訊いてはいけないことだったのだろうか。気まずくなって、「そっか」と返し、私も黙る。適当にスマホでも弄りたかったが、先輩が踊っている手前そうすることもできず、大人しくダンスを観賞する。さして難しくないダンスをとびきりの笑顔で踊る先輩方を眺めること数分。踊り切った藤堂先輩は、開口一番、
「ねぇ、もしかして穂條さんと一条さんって、同じクラスなの?」
と、唐突な質問を投げかける。私は静かに首を縦に振った。
「はい、同じクラスですけど」
「あー、だからか!」
だから、とは? さっき私と一条さんが会話しているところを見て、そう思ったのだろうか。一条さんが、一瞬だけ私を見る。視線に敏感な私はすぐに一条さんに目をやったが、一条さんはさっと私から目を逸らす。なに、その意味ありげな態度。
「そっかそっかそういうこと! うん、そういうのでも全然良いよ!」
なんか1人で納得している藤堂先輩に、全然ついていくことができない。
「そういうのって、は? すいません、どういうことですか?」
「だから、2人は友達なんでしょ?」
え、違いますけど。今初めて喋りましたけど。一条さんは教室で、いつも1人でいる大人しい感じの子だ。私も私で1人でいることが多いけど、ぼっち同士がくっつくようなことはなく、互いに話しかけることもなく今日まで同じ空気を吸ってきた。それだけの関係だ。
だが、一条さんが隣にいる状況ではっきり「友達じゃない」と言うのは、事実であってもだいぶ勇気がいる。私が言い淀んでいる間に、藤堂先輩は話を前に進めていく。
「良いよ! 1人じゃ不安だからって友達と一緒に入る子、他にも結構いるし! ダンスにあんま興味なくても、卒業する頃には大好きになってるだろうからさ! 大歓迎!」
「あぁいや、そういうのじゃなくて……。そもそも私と一条さん、別々に来てるっていうか」
「でも、一条さんに誘われてきたんでしょ?」
……は? この先輩は、何を言っているのだろう。再び一条さんに目を向けるも、一条さんは変わらず床とにらめっこを続けており、私の方を見ないよう懸命に、目線を固定していた。黙秘権を行使するらしい。
「あの、別に誘われてないん、ですけど」
「え、でも一条さんに言われて私、穂條さんを誘ったんだよ? 一条さんが、私よりダンス上手い子いるんで、って、名前訊いたら穂條李珠さんっていうから、2人纏めて今日呼んだんだけど。あれ、穂條さん訊いてない?」
訊いてない。私は正門で藤堂先輩から体験入部に誘われて、断り切れなくて来ただけだ。
「……そ、そうだったんですかー。いや、ダンスが上手いなんてそんなそんな。そりゃ経験者ではありますけどー、一条さんには及ばないと思いますー」
色々と言いたいことはあったが、今は我慢して入部を断る流れにもっていく。こんな理不尽な形で、入りたくない部活に入るわけにはいかない。
「いやぁー、私はダンスはちょっと、部活に入ってガチでやるほどじゃないっていうか、ただの趣味っていうか、やる気が皆さんとは違うと思うので、はい。私よりやっぱ、一条さんの方がダンス部、向いてると思います。ほら、なんか、上手いみたいですし」
「えっ、ちょっと、あの……」
一条さんが戸惑った様子で、ようやく私に顔を向ける。私を巻き込まないで、とでも言うつもりか。そりゃあ事情はなんとなく解る。ダンス部に勧誘され続け辟易していたため、別の候補として穂條李珠ほじょうりずが最適なのではないかと先輩方に差し出したのだろう。身代わりか、生贄じゃあるまいし。事故に巻き込まれたのに損害は自己負担でお願い、なんてまっぴらごめんだ。
「私はダンス部向いてないなーって思ったんで、申し訳ないんですが、入部はお断りさせてもらいます。あ、でも今日は凄く楽しかったです。文化祭のステージとかも絶対見に行くんで」
私は私で、ちゃんとお断りさせていただく。一条さんも自分の言葉で断れば良いのだ。鞄を持って立ち上がり笑みを浮かべると、藤堂先輩は駄々をこねる子供を見るような顔だったが、「そっか、残念だなぁ」と引き留めようとはしなかった。
藤堂先輩の視線が、私から一条さんに移る。さぁ、次は一条さんの番だ。
「えっと、ダンスはちょっと、自信なくて……」
「大丈夫だよ一条さん、けっこう上手く踊れてたじゃん! それに、練習すればもっと上手くなるし、できないとこあっても私たちが全力でサポートするから! ねっ?」
「でも、えっと……」
でもでもえっと、ちょっと、あの……。繰り返されるおどおどびくびくした物言いに、ため息が出てくる。私がイライラする筋合いはないのかもしれないが、今後も巻き込み事故に遭わないために、ここは少し助け船を出してあげよう。
「でも一条さん、ダンス上手いよね?」
「え、う……」
私の問いに言葉を詰まらせる一条さんと、頷きを繰り返す藤堂先輩。
「う、上手いかは解らないけど……」
「でも、藤堂先輩が言うには上手いらしいじゃん。入っちゃえば?」
「そ、れは……」
「ダンス、好きじゃないの?」
上手いか下手か、じゃない。好きか嫌いか。この疑問を投げかけると、明らかに一条さんの反応が違った。黙り込み、さっきまで言葉を探すようにさ迷っていた視線が、全く動かず床の一点に集中している。そしてゆっくりと顔を上げて、
「……好きじゃない、です」
と、やや震えた声でそう言った。藤堂先輩は、本当に想定していない答えだったのか、「そうなんだ……」と感情を整理するように呟く。そして、
「ごめんね」
と薄い笑みを浮かべた。
「無理に誘ってたよね。好きじゃないのに、ほんと、ごめん」
誰かが上で糸を垂らして操っているのではないか、そんな想像をしてしまうくらい、藤堂先輩の礼は宙ぶらりんで覇気がなかった。
藤堂先輩は顔を上げると、「ちょっと待ってて」と私たちに背を向ける。藤堂先輩が向かった先は部員が荷物を置いている一角で、すぐに戻って来た。藤堂先輩の掌には飴が2つのっていた。一つはサイダー、もう一つはコーラと包装紙に書かれている。
「これ、体験入部に来てくれた人みんなに配ってるの。良かったらどうぞ」
「ありがとうございます」と言って、私はサイダーの飴を受け取った。一条さんはコーラの飴を受け取り、「ありがとうございます……」と私より気まずそうに礼を言う。
「こっちこそ、ありがとうね」
そう言って、藤堂先輩は部活に戻って行った。何か言うべきだったのかもしれない。誘ってくださったのは嬉しかったです、とか。せっかく誘っていただいたのにすみません、とか。でも、言って仲良くなれるわけではない。これ以上の会話はただの自己満足であり、蛇足だろう。
飴をスカートのポケットに入れて、鞄を持つ。さっさと帰らないと失礼になるかもしれないと、逃げるようにその場を去った。
エントランスで体育館シューズから運動靴に履き替えていると、「穂條さんっ」と呼ばれた。振り返ると、一条さんだった。走って来たのか少し息を切らしながら、私とある程度の距離を置いて、立っている。
「あの……ごめん、なさい」
何が、は喧嘩腰すぎるか。確かに少々イラっとはしたが、クラスメイトと入学早々喧嘩なんてするもんじゃない。今後、掃除場所とか係とか、一緒になるかもしれないし。
「……別に。もう終わったことだし、気にしてない」
遠回しに、さっきまで怒っていたというニュアンスになっていたと言ってから気づく。訂正しようか迷って、やめた。わざとらしいし、怒ったのは事実なのだから。
「……でも」
「本当に気にしてないから、大丈夫」
笑顔で言えたら良かったのだろうが、昨日の軽音部と言い今日と言い、ナーバスな気分は消えてくれなかった。
「……ごめんなさい」
何故かもう一度謝ってくる一条さんに、だから気にしてないって、と言いそうになったが、同時に棘を飛ばしてしまうかもしれないと言葉を飲みこむ。代わりに小さなため息を吐くと、一条さんの肩が小さく揺れ、私の眉が下がる。
「ねぇ、私って怖いの?」
「えっ?」
一条さんがびくびくおどおどしているのは単なる人見知りかと思っていたが、私の態度も良くないかもしれないと思い、訊ねてみた。が、今日初めて会話した人を相手に正直な意見など言えないのか、一条さんは、
「……いや、その」
と口をもごもごさせる。反応を見れば、答えなんて充分だった。
「あのさ、怖がらせてたならごめん。でも、ほんとにもう怒ってない……っていうか、ぶっちゃけ過ぎたことだからどうでも良いって思ってる。ただ……同い年なんだからさ、そんなに怖がらないでよ。別に私、普通の人間だし。何もしないし」
もしかしたら既に何かしているかもしれないが、人間とは気づかず誰かを傷つける生き物だ。嫌って言ってくれたらちゃんと直す。まぁ、だから、
「あと私も、やり返すようなこと言って、ごめん」
一条さんに利用されたからといって、私も一条さんを利用し返して入部を断ったこと。私は一条さん関係なしに藤堂先輩の誘いを受けたのに、一条さんの自信なさげな言い方と態度に、部外者の私がイライラしてしまった。
助け船を出したのもお節介だったかも、と落ち込んでいると、一条さんは首を横に振る。
「穂條さんのおかげで私、ちゃんと断れたから。助けてくれてありがとう」
満面、とは言い難い控えめな笑みだったが、嘘は含まれていなさそうで安堵する。そういえば、久しぶりかもしれない。誰かに純粋な礼を言われて、純粋な笑みを向けられるのは。
頬に熱が集中する。誤魔化すように顔を背け、「別に……」と素っ気ない態度をとってしまう。
「……えっと、じゃあまた明日、学校で」
袋に体育館シューズを入れ、一条さんに向き直る。どう言って別れれば良いのか解らず、変な感じになってしまった。普通に「また明日」とかで良かったのに、何だよ「学校で」って。丁寧か。
「う、うん。学校で」
ほら、変な感じになった。一条さんも変な顔になってるし、たぶん私も変な顔だし。急に恥ずかしくなり、エントランスを速足で出る。一条さんに追いつかれないように、そもそも追いかけてこないとは思うけど、早く家に帰ろうと足を動かす。
けれど学校は、まだ私を帰してはくれないらしい。
スカートのポケットが震える。何が震えたのか、勿論さっき貰った飴ではない。一緒に突っ込んであるスマホだ。
LINEの通知以外は基本オフに設定してあるので、母からメッセージでもきたのかと確認すると、送信源はクラスのグループだった。
『加苗先生が、明日小テストをするみたいです。現代社会の教科書、P7~P21までの範囲らしいので、よく復習しておいてください、とのことです』
送信者は社会係の芹沢くんだった。何人かはスタンプを返しているが、返していない人の方が多い。いや、送信したばかりで既読をつけた人が少ないだけか。
鞄のチャックを開けて、今持っている教科書を確認する。数学と古典の教科書とノート、英単語帳。家に教科書は置いてない。数学と古典は課題用に、英単語帳は明日の英語で小テストがあるから持って帰っているだけで、私は基本的に置き勉派だ。
頭をガシガシ搔きながら、昇降口の方へ足を向けた。




