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三百二十三話

 城に到着、門の前。まだ諦めていない剣聖はずっとゴーレムへの攻撃を続けている。


 僕はソレに何度も意見を伝えたのだが、どうにもこうにも剣聖は一切こちらの言葉を信じてはくれない。


 既に剣聖は攻撃を仕掛ける位置を脚では無く首に変更している。


 賭け、しかも、絶対に叶わぬ賭け。それに出た模様で。首を刎ねてこのゴーレムを止めようとしてるんだろうけれども。


「ねぇ?好い加減に止まってくれない?鬱陶しいんだよね。効かないの、解ってるでしょ?それとも撃破する為の秘策があったりする?」


「・・・そんな物は無い。好い加減に詰まらぬ事しか言わぬその口を閉じたらどうだ?」


「いや、そっちもそれなら斬り掛かり続けるのを止めてよぉ・・・ほら、もう城に到着したんだし?落ち着いたら?僕は王と交渉するから、後は、ね?」


「魔王よ、お前の言う事が信じられると思っているのか?」


「はぁ・・・僕の事を何も知らない癖に良く言うよ。こっちの苦悩なんて分からないのも無理ないけどさぁ。言葉通りの意味として受け取って欲しいよ。僕はもう人族に関わる気は一切無いから、その事をちゃんと伝えようとしてるだけなのにね。」


 剣聖を殺す気は無い、国王を殺す気は無い、王国を滅亡させる気は無い。


 これ以上人族に被害を与える気は僕には無い。


 ソレを何度も口にしてこうして剣聖を殺さずにここまでやって来たのに、これっぽっちも僕の言葉は信じて貰えてない。


 ましてやここまでの道中で兵士がドンドンと集まって僕を警戒しながら包囲し続けていたのだ。


 僕がその気だったらゴーレムで兵士たちを蹂躙していた。


 その気が本気で無かったからこうして城まで大人しく向かったと言うのに。


 包囲を崩さない兵たちの顔にも「信じられるかぁ!」と言った表情をした者たちが大半で。


「はぁ~、王様がどんな人柄か知らないけれど、話が通じてくれる人だと良いなぁ。」


 僕はその溜息の後に目の前の門へと拳を打ち付ける。別に強くではなく。三度ほど。


「すいませーん、開門お願いしまーす。別に壊して無理やり中に入っても良いんだけどさー。壊したら修理するの物凄くお金かかるよねー?そんな無駄はそっちも出したくは無いでしょー?」


 無駄な抵抗は止めて少しでも被害を抑えた方が互いの為。そう言った意味で僕は開門を願う。


「話をしに来たんだよー。王様と交渉したいから中に入れてくれないかー?暫く待つから、王様にこの事を早めに伝えてねー?・・・さてと、それじゃあ待ってる間に何しよう?」


 包囲をしている者たちは自身が無力である事はどうやら悟っていて僕に攻撃は一切してきていない。


 そりゃ剣聖がずっとずっと、斬り掛かり続けているのに筋一つ入れられちゃいない現状。


 それ以下の腕しか無い只の兵士が何をどうやった所で何らの意味もなさない事は明白な訳だ。


 ワラワラと群がられ無いだけマシだが、ずっとこうしてその他大勢に視線を向けら続けられるのは鬱陶しいけれども。


 そんな事を思った時に門は開き始めた。


「おっ?思っていたよりも凄く早く開けてくれたなぁ。それじゃあ行きますか。」

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