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二百七十二話

「聖女はどうやら魔道具を大量に、広範囲に仕掛けてそれを基点に大規模な結界を張って首都防衛を為そうとしている様です。」


 メーニャの報告、コレに僕は危機感などは感じなかったので「フーン」で終わらせた。


 結界を張る、と言った事に関して、その影響は僕らには出ないだろうと考えての事だ。


 だって僕らの居るのは王城のその真下、地下の地下、地中の中だ。


 マードックの率いる魔族戦力は当然に地上から攻め入ろうとしている訳で。


 ソレを防ぐのに聖女は首都を丸ごと覆う結界を張ろうとしているのだから。


「僕らの居る所にまでは流石に力は及ばないよね。・・・及ばないよね?悪い予感はしないけど、不安にはなって来ちゃうなぁ。」


 聖女の底力を確認した訳じゃ無い。そして恐らくは聖女も持っているであろう「神の加護」の及ぶ範囲なども精確に把握してはいない。


 油断は禁物、ならばどうするべきか。


「ここを出よう。マードックと聖女のドンパチを僕らは外から眺める感じで。」


 思い立ったが吉日、早速に出て行こうとしたら、間が悪かった。


「・・・魔法が、使えない?いや、使える・・・何だ?放出できる威力が格段に減少してる?」


「魔王様、これはどうやら既に聖女は結界術を発動したものかと。地上だけでは無くこれ程に地下深くにまで力が及ぶとはわたくしも思っておりませんでした。」


「まさか、ヤバ過ぎない聖女?これ、勇者と手を組んでいたら僕ってチョチョイのチョイで殺されてたよね?」


 この様な理不尽な力を聖女が僕へと向けて発動し、そこで勇者、もしくは剣聖などに斬り掛かられていたら?


 きっとその際の僕は直ぐにグサリ、、簡単に命を落としていたに違いない。


 そんな事を想像して僕の頭の天辺から血の気がサーッと引いていた。

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