5-20 若い頃の失敗から学ぶ
スズラン「傷つけちゃダメって言ったでしょ!」
男4「す、すいません・・・ついカッとなって」
スズラン「高く売れなくなるでしょ!まったく!」
ルクリア「は?」
ウェルウィッチア「何?どういうこと?」
男1「姐さん、出てきていいんですか?」
スズラン「もういいわよ、捕まえたから、ご苦労様」
男2「はい、」
ウェルウィッチア「あぁ・・・そういうこと・・・」
ルクリア「ど、どういうことだ!スズラン!!!」
ウェルウィッチア「スズランは元々あっち側ってことでしょ、」
ルクリア「じゃあ作戦も誘拐も、」
スズラン「全部・ウ・ソ!妹もいないし作戦も全部筒抜け!あなたの首を絞めたのも、わ・た・し!理解した?お馬鹿さん達」
ルクリア「・・・テメェー!!!ぶっ殺してやるっ!!!」
男1「大人しくしろっ!クソアマっ!!」
暴れようとするが、賞金首だった男に簡単に抑え込まれてしまう。
スズラン「わ~、こわいこわい、」
ウェルウィッチア「・・・最初から私達を狙ってたの?」
スズラン「そ!影町のギルドにいるような女なら訳アリばっかだし、売っても足がつきにくいからね、」
ウェルウィッチア「あなたも強そうなのに、なんでこんな面倒な事してるの?」
スズラン「傷つけない方が高く売れるし、面倒な揉め事は嫌なのよ~。頭使ってさらっと捕まえた方がスマートでしょう?」
ウェルウィッチア「この賞金首の人はあなたの部下ってことね、」
スズラン「当たり!あんた達みたいなバカを釣る餌ってわけ、コバエホイホイと同じよ!」
男1「姐さん、ひどいっす~」
スズラン「あら?誉めてんのよ?ちゃんと仕事してくれてるから助かってるのよ」
男1「あ、ありがとうございます!」
スズラン「ね、おバカなコバエさん♡」
ルクリア「つっ!のやろ~!」
押さえつけられてるルクリアの頭を軽く踏みつけながら見下した笑顔でさげすんでいる。
ウェルウィッチア「ふんっ!!!」
ルクリア「ってっ!!!」
ウェルウィッチア「あなたのずさんな計画のせいでこうなっちゃったのよ!」
手を縛られているため他に手段がなく、ルクリアの額に頭突きをしてきつい口調で罵った。
ルクリア「んだテメェー!全部私のせいにすんのか?」
ウェルウィッチア「だってそうじゃない!たいして強くもないのに自分の力を過信して、無謀に突っ込んで!もっと考えなさいよ!この脳筋バカ女!」
ルクリア「だとコノヤロー!!」
ウェルウィッチア「いっだぁ~!!!!」
思いっきり頭突きをやり返すと、その勢いのまま一緒に倒れこんだ。
スズラン「あははっ!みにくいわねぇ~!」
ルクリア「ざっけんなよ!テメェも・・・」
ウェルウィッチア「(あの新聞の山、燃やせる?)」
ルクリア「!!!」
倒れこんだ瞬間に、ルクリアにだけ聞こえるように囁いた。
その一言でウェルウィッチアには何か策があること、この状態でもまだあきらめていないことを察した。
ルクリア「(わかった、任せろ)」
ウェルウィッチア「いったいわね!女子力ゼロのヘンテコ尻尾頭!」
ルクリア「うっせー!仕事中毒の乳デカたぬき女!」
ウェルウィッチア「(二人とも死ぬかもしれないけど、いい?)」
ルクリア「(いい!やれ!)」
傍目には揉めてるふりをしながら、なるべく短く、なるべく早く、頭をフル回転させて伝え合った。
スズラン「その辺にしときなさい、お馬鹿さん達」
彼女の声に反応して周りの男達が揉めている二人を引き離した。
ルクリア「はぁ・・・はぁ・・・」
ウェルウィッチア「・・・はぁ・・・」
二人はもう何もかも諦めたような表情で天井を見つめた。
ウェルウィッチア「あ~あ、・・・ここで人生終わりか~・・・もっとやりたい仕事いっぱいあったな~・・・」
男1「そうそう!大人しくしてりゃいいんだ!」
男2「残念だったな、まぁこんな影町にいんだ、自業自得だろ」
ルクリア「・・・もう暴れねえよ、さっき首を絞められた時わかった。おまえ相当強いだろ、」
スズラン「さぁね、どうかしら、」
ルクリア「最後の頼みだ、タバコ、一本だけくれ・・・」
男1「どうします?」
スズラン「いいわよ、一本くらい、これからあんた達には過酷な未来が待ってるんだからね」
ルクリア「あんがとよ・・・」
男2「ほらようごわっ!!!」
吸ったこともないタバコを口にくわえ、男が近づき火をつけてくれた瞬間に腹を思いっきり蹴り上げた。
男が吹っ飛ぶと同時に立ち上がり、タバコを新聞の山の上に吐き捨てた。
ルクリア「手ぇぐらい使わなくてもテメェみたいなクソは倒せるぜ!」
スズラン「あらあら、諦めが悪いのね、」
吐き捨てたタバコに奴らの目がいかないよう、可能な限り大立ち回りをして注目を引いた。
ルクリア「うらぁっ!!!」
スズラン「はっ!!!」
ルクリア「ふごぁっっっ!!!」
手を縛られているため蹴りで突っ込むしかないルクリアだが、慣れない戦い方ではスズランの拳一撃に簡単に吹っ飛ばされてしまう。
ルクリア「っち~・・・た、大したことねぇな~」
スズラン「情けない強がりね」
ルクリア「けっ!」
勝ち負けなどどうでもいい、新聞に火が付くまでの時間稼ぎだ。
あとはウェルウィッチアに託すことにした。
男2「姐さん!やっちまえ!」
男4「弟の仇だ!もっとボコボコにしてくれ!!!」
ウェルウィッチア「・・・」
男達がルクリアとスズランの手合わせに気を取られている最中、徐々に新聞に火の手が広がるのを確認できた。
ウェルウィッチア「(・・・そろそろね、)」
少しずつ体をずらしながら、取り上げられたリュックの方へと近づいた。
行動に移せる範囲に来たところで、スッと立ち上がりリュックを持つと燃え始めた新聞の中へ投げ込んだ。
男1「おまえ!何してんだっ!」
ウェルウィッチア「爆発するよっ!」
スズラン「はぁ?何を言って・・・この匂い・・・これマジよ!爆発するわっ!」
男2「マジっすか!?」
男3「に、逃げねぇと!!!」
男4「姐さん!どうしたら!!!」
スズラン「くっ!(たぶんもう数秒もないわ!)」
ルクリア「マジかよ!無茶苦茶すぎるだろっ!全員お陀仏じゃねぇか!」
こんなピンチな状態からさらにピンチな状態が重なると言うのに、なんだか笑いに溢れてきてしまった。
ルクリア「はははっ!!!負けるくらいならこれでいいっ!!!」
ウェルウィッチア「伏せてっ!!!」
ルクリア「なにっ!?」
観念して覚悟を決めたつもりだったが、爆発する寸前にウェルウィッチアが走ってきてルクリアに覆いかぶさってきた。
二人とも手は縛らているままだが、抱き合うような形で重なり合った。
ルクリア「おま・・・」
考える間もなく炎の中のリュックは閃光を放ち、けたたましい爆音と地響きがアジト中を駆け巡った。
ウェルウィッチア「うぐっ!!!!!!」
ルクリア「ぐあっ!!!!!!」
スズラン「ちっ!!!!!!」
男達「ごあああああっ!!!!!!」
・・・
・・・
・・・




