4-2 ライオンは我が子を託児所に預ける
ルクリア「ん?・・・丁度いいのがきたな、」
男1「おっ!なんだ?」
男2「いい姉ちゃんにガキ2人、姉妹か?」
男1「なんでもいいさ、こんなところにいるのが悪いんだぜ、」
人さらいかどうかはわからないが、いかつい男が2人話をしながら近づいてくる。
まあ大方いい人でなさそうなことはすぐにわかった。
ルクリア「おまえら、こいつら倒してみろ」
ルクリアさんはわたしたちにだけ聞こえるように話してきた。
アザミ「えっ?」
ユッカ「えー!?無理だよー!今日練習始めたばかりなのに!」
ルクリア「敵は練習が終わるまで待ってくれるのか?」
アザミ「ルクリアさんは?」
ルクリア「わたしは後ろに下がるからちゃんと守ってくれよ!」
アザミ「・・・わかりました、敵は2人、見た感じ大きいし腕っぷしも強そう・・・武器は二人とも腰にナイフらしきもの・・・」
ユッカ「アザミちゃん!切り替え早いよ~!」
わたしは棒を構え、ユッカは体制を整え、ふたりで男たちに向かって身構えた。
男1「おっ!?なんだ?やるきか、ガキども!」
男2「俺たちに勝てるかなぁ?」
男たちが笑いながらじりじりと近づいてくるのに対し、ふたりとも尻込みしてしまってこちらから攻めることは出来なかった。
ひとりの男は落ちていた太めの木の枝を拾うと、わたし目掛けて振り下ろしてきた。
男1「オラッ!」
アザミ「くっ!!」
迫りくる敵意に、わたしは棒で防ぐのが精いっぱいだ、
男1「ほれほれ!どうしたどうした!」
アザミ「うっ!!、いっ!!!」
何度も振り下ろす男の攻撃に防戦一方の状態、
相手は完全にわたしをなめてかかってきているのがわかった。
余裕などなかったが、ユッカの方も気になってしまっていた。
男2「ふらぁっ!!」
ユッカ「きゃっ!!」
ユッカたちは両手を組みあって力比べのような状態になっていたが、男の方が覆いかぶさっていくような感じで、当然ユッカも劣勢なのは見て取れた。
ユッカ「うぐぐぐ!!!」
男1「そらっ!!」
アザミ「いぢっっ!!!」
ユッカの方に気を取られた瞬間、男の攻撃がわたしの左頬にクリーンヒットしてしまった。
わたしは吹っ飛ばされた倒れてしまったが、倒れている場合ではない、
すぐさま立ち上がって体制を立て直さなければ、
アザミ「ぐふっっ!!!」
そう思った瞬間、男は起き上がろうとするわたしのお腹を思いっきり踏みつけて来た。
その圧迫する衝撃に一瞬息が出来なくなってしまった。
男1「なんだぁ、つまんねえな~!」
男はわたしのお腹を踏んづけたままぐりぐりと押し付けて来た、
アザミ「あぐっ!、うえっ!!!」
ユッカ「いたっ!!!」
ユッカはもう一人の男に簡単に力負けし地面に押し倒されていた、
男2「たわいねぇな~、裸にひん剥いてやろうか?」
男はユッカのブラウスの襟元をつかむと無造作に引っ張りだした、
ユッカ「いっ、いいい痛い!痛いっ!!!」
男2「ひぶっ!!!」
男1「どしたぁ・・・はげぇっ!!!」
突然、男たちがわたしたちの上から吹っ飛んでいった。
アザミ「はぁ、はぁっ・・・何?」
ユッカ「いった~・・・」
見上げると、ルクリアさんがいつもの棒を持って立っていた。
助かった、ルクリアさんがこいつらを吹っ飛ばしてくれたんだろう、
アザミ「ルクリアさん・・・やっぱりまだわたしたちじゃ・・・」
ルクリア「わたしはもう帰るから、そいつらを倒してひっぱってこい。できなきゃ家には入れない、おまえらクビだ。」
ルクリアさんは冷たい顔をして、わたしたちの顔も見ずに言い放った。
アザミ「えっ・・・」
ユッカ「そんなぁ・・・」
不甲斐ないわたしたちに幻滅してしまったのだろうか、
ルクリア「いいか、こいつらに負けたらおまえらはまた売られて人生終わりだ、そして味を占めたこいつらは次の獲物を探して次々と犠牲者が増えて行くんだぞ、」
アザミ「!!!」
ユッカ「!!!」
その言葉に、わたしたちは今までの経験から背筋が凍るようにゾクっときた。
ルクリア「目の前の現実をちゃんと見ろ!どうすれば勝てるか考えろ!」
アザミ「ルクリアさ・・・」
もう一度振り返ると、そこにルクリアさんの姿はなかった。
もう本当にわたしたちだけで何とかするしかなかった。




