4-3 負けないこと逃げ出さないこと生き残ること
男1「って~!!」
男2「っなんだ~!」
男たちは起き上がって状況を把握しようとしていた。
・・・男たちがわたしたちに気づいて向かってくるまであと少し、その数秒でどうするか考えなければならない、
アザミ「・・・ユッカ、とにかく立って」
ユッカ「うん、ルクリアさん、ほんとに帰っちゃ・・・」
アザミ「それは後、今は目の前!」
ユッカ「う、うん、」
アザミ「・・・・・・」
男1「あれ?あの姉ちゃんはどこ行った?」
男2「逃がしちまったか?、こいつらと遊んでる間にもったいねーことしたな、」
男1「しょうがねえ、こいつらだけでもとっとと捕まえて売りに行こうぜ」
男2「そうだな、さっさと片づけるか、」
また男たちがじりじりと近づいてきた、今度は遊び半分でなく本気で捕まえに来ているようだ、
アザミ「お兄さんたち、今まで何人売ってきたんですか?」
男1「あぁ?これから俺ら2人でこの影町で成り上がって行く予定だからな!」
男2「おまえらが俺らの初仕事のいけにえってわけだ!」
やはりビギナーか、何度も人さらいをしているならわたしたちを無造作に傷つけたりはしないはずだ。
アザミ「・・・今まで戦って死にかけたことありますか?」
男2「はぁ?何言ってんだこのガキ、」
男1「あるわけねーだろ!おれら二人は最強だからな!」
アザミ「そうですか・・・」
ユッカ「アザミちゃん?」
期待通りの返事に安心し、ユッカにだけ聞こえるように囁いた。
アザミ「大丈夫、何とかする、」
ユッカ「・・・わかった!信じるよ!」
集中してるのか、気持ちが高ぶってるのかわからないが、この場にいるみんなの思考がわかる気がした、
アザミ「一旦逃げる、ついてきて、」
ユッカ「わかった!」
わたしの合図で2人で逆方向に走り出した、
男1「おっ!逃げたぞ!」
男2「俺らから逃げ切れるかな~!」
・・・
ユッカ「逃げ切れるの?はぁっ、はぁっ、」
アザミ「逃げないよ、勝ちに行くんだから、」
ユッカ「!!!」
アザミ「合図したら一緒に反転して相手を突きに行く!全力で走らないで!体力残して!!あと絶対後ろ見ないで!!!」
ユッカ「わかった!」
男1「オラ待てっ!」
逃げる道中でも足音から相手の2人がどれくらいの距離で迫ってきているかは大体わかった。
相手の隙をつけるギリギリの距離まで引き付けるとユッカに合図を出した。
ユッカ「はっ、はっ、」
アザミ「そろそろ!、3、2、1、今っ!」
合図と同時に2人は急ブレーキをして身を反転させた、
相手は急に振り向いたわたしたちに驚いた様子だったがすぐには止まれずそのまま突っ込んできた。
男1「うおっ!なんだっ!」
男たちが驚くと同時にわたしは棒で相手の鳩尾を突き、ユッカは拳で相手のお腹を思いっきり突いた。
男1「ぐおっ!!!」
男2「ぶわっ!!!」
男たちに比べれば全然非力なわたしたちだが、相手の勢いを利用したおかげでいくらかの衝撃をプラスすることができ、男たちは倒れてしまった。
ユッカ「はぁ・・・はぁ・・・やった!」
アザミ「手を休めないで!追い打ち!殺されるよ!」
ユッカにそう言って、わたしは飛び上がって倒れてる男の上からさらに2度、3度と相手の鳩尾を、腹を、思いっきり突いた、
男1「ふぐっ!!!ぐえっ!!!やめっ!!!」
ユッカ「そうだった!」
ユッカはもう一人の男に馬乗りになると男の顔や体に何発も拳を入れていった。
ユッカ「このっ!このぉっ!!」
男2「うぐっ!!!ふはっ!!!ちっ!」
男2「うらぁっ!!!」
ユッカ「きゃっ!!!」
わたしの相手していた男は何とか気絶させることが出来たが、ユッカの相手していた男はガタイがよく、女子の拳では到底威力が足りなかった。
男は体を振り回してユッカをはらいのけると、ゆっくりと立ち上がろうとしていた、
男2「っつ、このガキぃ!!!うぐっ!!」
わたしは男が立ち上がる前に、棒を相手の後ろからまわして首を絞めた、
アザミ「ふぬっ!!!」
男2「くぉっ!」
アザミ「ユッカっ!!今っ!」
ユッカ「うん!」
男2「うおらああぁぁ!!!」
アザミ「つっ!!!」
ユッカ「わっ!!!」
男は暴れるようにして体と両腕を振り回し、首を絞めているわたしと近づいてくるユッカを跳ねのけた、
男の目にはイラついた血柱が浮き出、冷静さもなくなっていた、
そして今度はわたしの方に狙いをつけてきた、
わたしの首を両手で掴むと足が浮き上がるほど高く持ち上げる、
アザミ「くっ・・・!つっ・・・!」
男2「マジで殺す!!!」
狂気じみた男の目がわたしの脳裏に焼き付く、
以前にも見覚えがあるこの目は、本当にわたしを殺しにきている目だった、
どうするか考えようにも絞められている首の圧迫感で意識が飛びそうになる、
アザミ「んくくっ!(まずいまずいっ・・・!)」
ユッカ「手を放せー!!!」
アザミ「!!!?」
男2「あぁ?、うおぁっ!!!」
ユッカは男の後ろから両手で首をつかむと、物凄い力で振り回した、
男の首から上は綺麗な弧を描き、地面にめり込んだ石に叩きつけられた。
男2「ごばっっっ!!!・・・」
当然、男に掴まれていたわたしも一緒に吹っ飛んだ、
空中を飛んでいるその刹那にユッカの目を見た、
一瞬だがユッカの目にも狂気じみた威圧を感じた、
いつものユッカからは想像もできなかったその目は少し怖かったが、おかげで助かった。
ガタイのいい男もさすがに気絶してしまった。




