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4・村にて

「ごめんください」

翌日、品のいい、耳の大きな銀色の髪の少年がやってきた。

童子水干姿どうじすいかんすがた に垂髪で手に反物を持っている。

牛若丸を彷彿とさせる姿だ。


「雪丸さん」

嬉しそうに志乃が歓迎する。 「お茶入れます、お茶」


「志乃ちゃん、ありがとう。でもこれをお渡ししたら、行かなきゃいけないんだ。

家の手伝いがあるんだ」


「はじめまして、村にようこそ。わたしは狐族の雪丸です。

父、空弥そらやはこの村の責任者を務めています。

本日は多忙の父の名代で参りました。君は?」と、

愛鷹に挨拶をする。

「…愛鷹」

「君は、わたしと同い年くらいかな。なのに、もう名を継いだんだね。すごいね」



アヤカシは【継がせる者】から名前と、戦闘や術の記憶を継いでいく。

それゆえ身体は小さくても、一人前の戦いをするのだ。

名を継がない者は幼名のまま生きていく。


さらに、寿命も人間の4~5倍は生きる。

8~9歳くらいなら人間でいうと30代~40代になる。

愛鷹と雪丸は春と同い年くらいなのだ。

ただし、心と身体はまだ子供である。



「…父が早くに亡くなって、母も亡くなったので」

愛鷹の言葉に「すまない」と詫びる雪丸だった。


「反物は歓迎のしるしです。村の誰かが着物にしてくれるよ」

「ありがとう」 愛鷹は渡された反物を受け取った。


「わたしが縫うわ」と春が手を伸ばした。


読んでくださってありがとうございました。

次回もよろしくお願いいたします。

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