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3・兄妹の家

兄妹の家はこじんまりとしていたが、清潔で整っていた。

「母さん、烏天狗の子だよ。愛鷹っていうんだ」

慎太郎が縁側に愛鷹を下ろした。


慎太郎兄妹の母親は春といった。


「まあぁ、ケガしたの?こっちへ。腰のものを預かっていい?」

春はモンペの袖に手を入れて、刀に直接触れないようにして

受け取った。


そして宝物を置くように、床の間に置いてくれた。

脇差も同じようにしてくれて、愛鷹は少し嬉しかった。


「ありがとう。父の形見なんです」

「そうだったの。とても大切なものよね」


春は【癒しの手】で愛鷹のケガを治していく。

手をかざされると、痛みが引いていった。


「完治するのにはちょっと時間がかかりそうだわ。

でも痛みは軽くなったと思う。どう?」

愛鷹はこくりと頷いて「ありがとうございます」と礼を言った。


春の手を見ているうちに、愛鷹は母親を思い出していた。



「愛鷹、母にもしものことがあったなら、北にあるやうと村へ行きなさい。

仲間がたくさん住んでいるから、助け合って暮らせるわ」


病床で母は愛鷹の手を取ってそう言った。

「はい、母上」


ほどなくして母は亡くなり、愛鷹はやうと村を目指した。


その途中の山の森の中で、アメリカ軍の戦闘機が

訓練で打ち込んだ機銃弾にやられたのだった。



読んでくださってありがとうございました。

引き続き、読んでくださると嬉しいです。

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