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翼よ、眠れ~アヤカシの末裔・外伝~  作者: 遠野まみみ


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16/22

16・村を目指して

座り込んで震えていた少女たちに、「これからどうする?」と聞くと、

「わからない」と答えた。

「一緒に捕虜になりに行くか?」と、不二が誘った。

「でも…」

「心配しなくていい。殺されたりしない。もしもの時は、

このお兄さんが何とかする」

「えー、俺?」

「任せた」

ポンっと宝永の肩をたたいた。


不二と宝永は同じ山に住んでいただけあって、いいコンビだ。



愛鷹あしたかは村へ帰るか?それならこの島の北を目指せ。そうすると島が見える。

その島は鹿児島との県境だ。

北に向かって点々と続いているから、それぞれの島を目指して飛んで。

やがて大きな山が──開聞岳というんだが、

それを超えたら11時の方向に進路を取る」

不二は行く方向を指さしながら帰り方を教えた。


「開聞岳…。知ってる。来るときに通った」

「そうか。では迷わずに行けるな?念のために米軍の見張りが手薄になる

夜明けか、夜中に飛ぶといい」


「ありがとう。さようなら」

不二と宝永と別れた愛鷹は、言われた通りに飛んだ。


「烏天狗…?」

少女の一人がつぶやいた。

「知ってる?今まで会ったことある?」

不二の問いに、少女たちは首を振った。


「でも、ギジムナーなら祖母が会った事があるって言ってました」

「人間以外にも、生きているモノはいるんだ。 いろいろね。

さあ、行こうか」

捕虜になるために、四人は歩き出した。



開聞岳を通ったときは、複雑な気持ちだった。

志乃や春に何と言えばいいのだろう。

帰りたい。 帰れない。

そればかりが頭の中を回った。


飛び続けて疲れた。という感覚さえも、考えすぎて無くなっていた。


大雨になっても飛ぶのを止めずにいて、とうとうバランスを失って

失速して落ちてしまった。 


そこは京都の北にある村だった


読んでくださってありがとうございました。

次回もよろしくお願いいたします。

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