↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
翼よ、眠れ~アヤカシの末裔・外伝~  作者: 遠野まみみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/22

15・終戦

「おかげさまで助かりました。ありがとうございました」

愛鷹あしたかが人魚の古宇利こうりにお礼を言って、他の者と共に洞窟から出ると

夜明け間近で海には戦艦の明かりが光っていた。



「みな、くる。こっち。自分がたすける」

手当をしてもらっていたアメリカ兵が声をかけた。


「交渉してくれるってさ。人間さんたちは行くといい。

我々はそれぞれの場所へ帰るよ」

宝永に言われて、人間たちはアヤカシたちに手を振って

アメリカ兵について行った。


「助けておいてよかっただろ?」

不二が愛鷹に笑いかけた。



アヤカシたちも、それぞれに帰っていく。

本土から来たアヤカシは、地元のアヤカシに匿ってもらうために

山に、森に、海に、別れて行った。


「帰ったら、人間じゃない生き物に助けられた。ってアメリカで言うのかな?」

愛鷹が不二に聞いた。

「仲間の元へ帰ったら、アヤカシの事は忘れるようにのろっておいた」

しれっと言う不二に、宝永が

「の…呪い?不二ぃぃ」と焦った。


「間違い。まじないかけておいた。まじないものろいも紙一重なのっ。

助けたのは日本人って事になってる。日本人側にもそうしておいた」


「ここでの戦は終わったが、本土はまだ続いているらしい。

さて、どうしようか。 やっぱり捕虜の道が安全かな?

…と、羽根のある愛鷹はそうはいかないか。

うーん、我々もどこかのアヤカシさんに匿ってもらうか…」 

不二が空を仰ぎ見た。



米軍の「戦争、終わりました。出てきなさーい」という

拡声器の呼びかけが時々聞こえた。

「出てきたら殺さない。出てきなさい」と、言い続けていた。


しばらく森を歩いていた時だった。

「きゃああ」と女性の声が響いた。


大木の向こうで3人の米兵が二人の少女に襲いかかっている。

戦が終わったと聞いて、洞窟から出てきた学生を襲っているのだった。


落ちていた太い木の枝を拾って、愛鷹が素早く米兵の足に打ち込んだ。

胴に、頭に次々打って、あっという間に3人を倒してしまった。


「…俺の出番が…」 弓を構えた宝永ががっかりしてうなだれた。

「あらま、さすが先代を継いだ子。戦い慣れしているな」不二が笑った。

「で、宝永はその弓どこから?」

「洞窟に武器庫を作って置いておいたのさ。念のために」

「なるほどね」



不二は倒れている米兵に近づくと、下半身に手を置いて何か処置した。

「何した?」

「もう悪さができないように、血管と神経をいじって

男として一生役に立たなくした。えっへっへっへ」


「ひぃいいい。やめて差し上げて」

「もうやっちゃった。殺さないんだから優しいよね、わたし。

二度と女の子を襲おうなんて思わないはず」

不二がニコニコと笑った。


「何?何の話?」

不思議そうな愛鷹に、「子供はまだ知らなくていいんです」と

宝永は情けない顔をした。


読んでくださってありがとうございました。

次回もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。