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翼よ、眠れ~アヤカシの末裔・外伝~  作者: 遠野まみみ


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13/22

13・敵

何日経っただろう。 ひと月ほどか?

洞窟の中では何日なのかわからなかったが、

愛鷹あしたかの身体は痛みがほとんどなくなって、歩いてかわやへ行けるようになっていた。


洞窟の中を見て回ると

両手のない者、足のない者、人間もアヤカシも同じように傷ついていた。

自分も何かできないだろうか? 

愛鷹がそう思っていると、隔離された小さなスペースに金髪の男を見つけた。

明らかに敵兵だ。 


慎太郎の仇。


愛鷹は腰に手をやったが刀はなかった。

長距離を飛ぶために置いてきてしまったことを後悔した。

せめて脇差を持っていたら斬ってやるのに。


と、愛鷹は肩を掴まれた。

「仇討ちなんて考えるな。あいつひとり殺したところで何も変わらない。

君の腕前がわかるだけだ」と

不二に声をかけられた。


「不二さん、あいつは?」

「アメさんね。ケガしてたから拾ってきた」

「なんで…?」

「ケガしてたから」

「いや、敵だし」

「ケガしてるから」

「え…。」


比十ひと族の本能みたいなものだよ。つい、助けてしまう。

大丈夫、攻撃してきたら返り討ちにできる」と

不二が不敵に笑った。


納得はしかねたが、不二の言うことも理解できた。

なので敵の部屋には近づかないようにした。



読んでくださってありがとうございました。

次回もよろしくお願いいたします。

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