13・敵
何日経っただろう。 ひと月ほどか?
洞窟の中では何日なのかわからなかったが、
愛鷹の身体は痛みがほとんどなくなって、歩いて厠へ行けるようになっていた。
洞窟の中を見て回ると
両手のない者、足のない者、人間もアヤカシも同じように傷ついていた。
自分も何かできないだろうか?
愛鷹がそう思っていると、隔離された小さなスペースに金髪の男を見つけた。
明らかに敵兵だ。
慎太郎の仇。
愛鷹は腰に手をやったが刀はなかった。
長距離を飛ぶために置いてきてしまったことを後悔した。
せめて脇差を持っていたら斬ってやるのに。
と、愛鷹は肩を掴まれた。
「仇討ちなんて考えるな。あいつひとり殺したところで何も変わらない。
君の腕前がわかるだけだ」と
不二に声をかけられた。
「不二さん、あいつは?」
「アメさんね。ケガしてたから拾ってきた」
「なんで…?」
「ケガしてたから」
「いや、敵だし」
「ケガしてるから」
「え…。」
「比十族の本能みたいなものだよ。つい、助けてしまう。
大丈夫、攻撃してきたら返り討ちにできる」と
不二が不敵に笑った。
納得はしかねたが、不二の言うことも理解できた。
なので敵の部屋には近づかないようにした。
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