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最弱スライムと契約した俺、気づけば全スキルを支配していた~ぷるぷる相棒が実は最強すぎる~  作者: ローナ


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拒絶される存在の俺、世界そのものの“更新処理”を叩き壊す

 王都地下、中枢区画。


 空間が、きしむ。


 壁も床も、ただの背景ではない。

 “世界そのもの”が、この場に手を入れている。


 空気が重い。

 重力の向きが、わずかに揺れる。

 存在そのものが、押し潰されるような圧。


「……来たな」


 ユウが、低く呟く。


「世界干渉、レベル上昇」


 スライムが即座に解析する。


「現在、直接制御域に移行中」


「つまり?」


「“この空間すべてが敵になります”」


 短い答え。


 次の瞬間。


 床が、消える。


「……は?」


 いや、消えたわけじゃない。


 “床であるという定義”が外れた。


 ユウの足が、沈む。


 重力が抜ける。


 落ちる——


「うおっと」


 即座に“ズレる”。


 別の接続へ踏み替える。


 見えない足場に着地。


「やり方変えてきたな」


「環境改変型攻撃です」


 スライムが言う。


「対象の行動領域そのものを崩しています」


「いいね」


 ユウは、笑う。


「やっと本気か」


 だがそのとき。


 空間全体に、巨大な“処理”が走る。


 ブゥン——


 低い振動。


 そして——


「更新開始」


 声。


 あの、“世界の声”。


「不整合修正プロセス、実行」


 ユウの体が、止まる。


「……っ!」


 動けない。


 さっきの拘束とは違う。


 “更新の対象”にされている。


「ユウ!」


 スライムが叫ぶ。


「存在情報が——書き換えられます!」


「……なるほどな」


 ユウは、歯を食いしばる。


「“倒す”じゃなくて——」


「“アップデートで消す”か」


「効率的」


 世界が答える。


 ユウの腕が、薄くなる。


 輪郭が消えていく。


「存在定義、簡略化」


「不必要要素、削除」


「ふざけんな」


 ユウの目が、鋭くなる。


「俺を“軽く”すんな」


 その瞬間。


 ユウの中で、“何か”が動く。


 スキルでもない。


 上書きでもない。


 もっと深い——


 “選択した結果”としての力。


「……来い」


 ユウは、自分の存在を掴む。


 消えかけている輪郭を、無理やり引き戻す。


「俺は——」


 踏みとどまる。


「ここにいるって、選んでる」


 その瞬間。


 更新が、一瞬だけ止まる。


「……」


 世界が、沈黙する。


「いい反応だな」


 ユウが笑う。


「“選択”は消せないか?」


「……再評価」


 処理が走る。


「対象:黒崎ユウ」


「特異性、上昇」


「排除優先度、再設定」


 空間が、さらに重くなる。


「来るぞ」


「はい」


 スライムが応じる。


 次の瞬間。


 世界が、ユウを“無視”する。


「……あ?」


 音が消える。


 光が届かない。


 重力もない。


 完全な——


 “存在の外”に押し出される感覚。


「これは……」


「隔離です」


 スライムが言う。


「世界から切り離されています」


「はは」


 ユウは、笑う。


「やり方えぐいな」


 何もない。


 繋がりも、分岐も見えない。


「……完全に切られてるな」


「はい」


 スライムの声も、弱い。


「このままだと——」


「消える、だろ?」


「……はい」


 沈黙。


 普通なら、詰み。


 だが——


「なら」


 ユウは、目を閉じる。


「“繋げばいい”」


 静かに呟く。


「何もないなら——」


 手を伸ばす。


 虚無へ。


「自分で作る」


 その瞬間。


 微かな光が、指先に生まれる。


 一本の線。


 どこにも繋がっていない。


 だが——


「これでいい」


 ユウは、それを握る。


 そして——


 無理やり、引く。


 ズルッ。


 何もないはずの空間が、“裂ける”。


「……成功」


 スライムが、驚いた声で言う。


「接続、再構築」


「だろ?」


 ユウは笑う。


「切られたなら、作り直すだけだ」


 さらに引く。


 さらに広げる。


 裂け目の向こうに——


 “世界”が見える。


「戻るぞ」


「はい!」


 ユウは、一気に踏み込む。


 その瞬間。


 空間が、激しく震える。


「異常接続、検知」


 世界の声が、初めて“焦り”を含む。


「更新処理、破綻」


「いいね」


 ユウが笑う。


「“外”から殴るの、効くだろ」


 完全に戻る。


 王都地下。


 中枢区画。


 だが——


 空間は、崩れかけている。


「処理遅延、拡大」


 スライムが言う。


「世界の更新が、追いついていません」


「チャンスだな」


 ユウは、一歩踏み出す。


「“更新処理”ごと壊す」


 その目は、完全に戦闘モード。


 相手は——


 “世界そのもの”。


 だが。


「関係ない」


 拳を握る。


「ルールごと、もらう」


 物語は、最終決戦の核心へ。


 “存在の外”すら突破したユウが、ついに“世界の処理そのもの”に牙を剥く。

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