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【学園編開幕】異世界快進劇 ヤマトナデシコ ~超人カップルにとって、異世界転移は旅行同然!帰るまでが旅行です~【現:二章三節】  作者: 沢クリム
『赤ノ章 祝祭のラケル』 第三節 ナデシコの誓いと共闘、そして…

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67. 結局その二人って付き合ってるの?


「美味しかったわね。ついご飯に夢中であまり話せなかったわ」

「何か話でもあったの?リニー」

「……なぁ、ベン。お前が夢中だったのは、アメリアちゃんだったろ、ってツッコミを入れていいと思うか?」

「……リニーの機嫌が悪くなると思うよ?ヤマト」


食後のお茶を楽しみながら、リニーは切り出した。それに応えるのはナデシコ。

男子チームはこっそり密談。アメリアちゃんは、果実水を飲みながら、お姉さん二人を興味深げに交互に見ている。


「ちょっとした話よ。貸し借りはなくなったけど、今後の為にも、是非聞きたい話があってね。話してくれるなら、私達の『願い』を話すわ」

「…なにかしら」

リニーの表情は、ちょっとした意地悪をする様だった。ナデシコも少しだけ身構える。


「……キミ達の秘密を聞いちゃって、気まずいからちょっとした情報交換がしたいんだって」

「……なーる」

哀れ、リニー、全部ばらされてる。



「ズバリ、アンタ達の付き合ったきっかけを知りたいわ!」

「つきあう?」

「恋人同士になった時の話が聞きたいってことよ、アメリアちゃん」

「わー、ききたーい!」

リニーは、アメリアちゃんにはだだ甘だ。一方、ナデシコはキョトン顔。俺の方を見るので、俺も肩をすくめるジェスチャーで返すしかない。だって……



「私達、付き合ってないわよ?」



「はぁああああああああああああ!?」

ここが高級店だと忘れたのだろうか、リニーの声はいくら個室とは言え、店中に響くような声量だった。

全く、大袈裟だ。現にベンは、

「……………!?!?」

目を見開き、顎を開け、俺達二人を交互に見ている。あれ?そんなに?



「どうしたんだい?えらく元気のいい声じゃないか?…おお、あんたらかい」

「あ、アーテナイじゃない」

「もしかして、デートか?」

ワインレッドのパンツルックのアーテナイはいつもよりきっちりした格好をしている。


「ご存じの通り顔が広くてね。まぁ、接待みたいなもんさ。今、終わったとこだよ。……で、今度はなにをやらかしたんだい?」

「「してない、してない」」

俺達は、驚きに固まった『双杖』の代わりに応えた。照れもしないとは大人だ。


「えっとね、リニーおねーちゃんが、つきあったきっかけ?を聞いたら、ナデシコおねーちゃんがつきあってない、だって」

「ハハハ、そりゃ、たちの悪い冗談だね」

お前もか、アーテナイ。


「だから、付き合ってないって」

「恋人じゃないぞ」

「…………………異世界では子供でも結婚出来る、とかかい?」

「法律的に無理よ。ちなみに『双杖』の二人にも、私達の事は話してるから安心して」

少なくとも、俺達の住む地域では無理だ。異世界の時点で、戸を閉めて小声になったアーテナイ。

「…異世界では、恋人を隠す風習とか…」

「ないぞ」

聞いたことが無い風習だ。


「なんだってぇええええええ!?」

リニーとだいたい同じリアクションじゃねぇか。



「詳しく……。説明しな。今、アタシは冷静さを欠こうてんだよ…!」


過去に冷静なアーテナイを見たことは少ないのだが、とにかく凄い迫力だった。

先ほどまで平和な食事会場だったのに雰囲気が、一気に取調室だ。

ちなみに流石に店員が注意をしに来たが、アーテナイが一睨みで追い返した。権力の横暴だ。

全員椅子に掛けているが、俺達と三人の対立構造だ。中立はアメリアちゃん。

アーテナイが追加注文したフルーツ盛り合わせに夢中で、援軍は見込めそうにない。


「いや、詳しくって言われてもな?」

「そのままよ?」

それ以外に何を言わばいいのか、今の俺達には理解出来ない。


「……じゃあ、質問に答えてくれるかな?パートナーと聞いて、思い浮かぶのは?」

「ヤマトよ」「ナデシコだな」

冷静さを取り戻したベンの質問、すぐに答えたのに、その頭に浮かぶのは大きな疑問符。


「……好きな人は居る?もちろん、恋愛感情的な意味よ?」

「ヤマトよ」「ナデシコだな」

冷静さを取り戻したリニーの質問、答えた後は顔を覆って天を仰いでしまったが。


「おにーちゃんとおねーちゃんは、いつ結婚するの?」

「そうねぇ、いつ頃かしら?ヤマト?」

「職に就いてからだろ。異世界だと……5年以上先になるだろうな」

アメリアちゃんの質問。大学等の事情は話さなくていいだろうと判断した。結局、4対2になってるな。


「んんん?だったらアンタらの関係は………婚約者?」

「そうよ」「そうだな」

首を傾げながらのアーテナイの質問に答えた。


「「「………先に言え!!」」」

三人は俺達に怒鳴ると、テーブルに身体を預けた。なんだその、全てが徒労に終わったかのような脱力は。


「はぁ、疲れた。…親が決めた婚約者、ってわけ?」

「結婚くらい自分で決めるわよ」

「いつ頃決めたのかな?」

「そうだな…あれは五歳の頃だな」

「話変わって来たね」

「私が、結婚しよう、って言って」

「俺が、いいよ、ってOKした」

「わたしもいわれたー。やだ、って言ったけど」

名も知れぬ少年よ、強く生きてくれ。


「つまり何?……子供の頃の約束を律儀に守って、婚約者ってわけ?」

「すごく、二人らしいね……」

「10年間護り続けてるって言えば、聞こえはいいんだけどねぇ…」

三人ともお茶を飲んでくつろいでる。結構仲いいな、この三人。


「ある意味そうだが、毎年約束し直してるぞ」

「そうそう。私達、誕生日が同じでね。毎年、その日に約束してるの」

「「「……ご馳走さま」」」

胸焼けを抑えるような仕草を終えると、再び三人のお茶が消費されていく。


「あ、そう言えば、今日って、初登校日から3日だから……」

「ああ、肉体的には今日が誕生日だな」

そう、4月初旬。それが俺達の誕生日だ。暦はズレてるけど。


「「「先に言え!このバカ!!」」」

三人はとうとう立ち上がって俺達を怒鳴り飛ばした。


「おにーちゃん、おねーちゃん、おめでとー!」

アメリアちゃんマジ天使。

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