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【学園編佳境】異世界快進劇 ヤマトナデシコ ~超人カップルにとって、異世界転移は旅行同然!帰るまでが旅行です~【現:二章六節】  作者: 沢クリム
『緑ノ章 愛歌のロニア』 第六節 円舞曲を止めないで

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218.縁と緑の舞踏会②。歯に衣着せない。

 


「あ!ヤマトさん…!こ、こんにちは…」

「ええ、こんにちは。お嬢様」


 校舎を歩いて居ると、中等部生から挨拶をされた。

 にこやかに挨拶を返せば、きゃっ、と小さい悲鳴を上げて、そのままどこかに行ってしまった。

 おそらく、男に慣れていないのに、頑張って挨拶をしてくれたのだろう。

 二ヶ月という期間で遠巻きの噂話から、挨拶をする程度に慣れられたと思えば、十分だ。


『若葉組』には正体を明かした俺とナデシコだが、対外的には未だに俺は従者枠だ。

 みんなと一緒の時には態度を崩すが、他の学園生にはそれに相応しい態度で接してきた。


 そうは言っても、今のような挨拶が時々、好奇心の強い子がいきなり質問してきたのが精々だ。


 どちらにせよ、丁寧かつ、にこやかに対応した。

 これをやるとナデシコが少しご機嫌斜めになるのだが、俺の後に従者枠が使われることもあるかもしれない。故に、悪評を立てられたり、問題視されることは避けたかったのだった。

 その旨を説明しているので、仕方ないわね、みたいな決着で終わっていた。


 ちなみに俺は、執事のロールプレイをしているようで少し楽しい、というのは話すべきではないな。

 あくまで執事、な役割を演じるのも今日で最後かも知れない。


「兄貴、何やってのよ」

「ああ、ライリー…か?」

「全く、あたしが入学前の友達と見せあいっこして帰って来たら、やさしー声で女の子に挨拶してる兄貴が居たから驚いたわ。まぁ、たまに見る光景だけどね。……ん?どうかしたの?」


 声を掛けられたので振り返ると、そこにはドレス姿のライリーがいた。


「はっはーん?あたしに見とれちゃった?」


 いたずらっぽく笑うライリー。とっさに否定しようとして、思い直す。

 正直に感想を伝える、か…。フレイヤさんのアドバイスを思い出した。

 うん、そうするか。


「そうだな。一瞬、妖精かと思ったよ」

「…!?」


 教室への道を二人で歩きながら、俺は言葉を続ける。


「ドレスのシルエットは上はノースリーブ。裾は前が膝上のミニ丈で、後ろの裾が長く伸びるフィッシュテール型。

 綺麗な足と靴のデザインもアピール出来るいいデザインだ。

 ベースカラーは鮮やかなピンク、そこに差し色の黒が入ることによって引き締めて甘い印象ではなく大人な印象を受ける。腕の白さとの対比にもなってるよな。

 俺達の中でもしっかり者で、大人なライリーによく似合うよ」

「………!?」


 ライリーは口をパクパクしている。もうすぐ、教室だな。

 すると、ライリーは逃げ込むように小走りで教室に入っていった。


「まぁ、ライリー?どうしたのですの?」

「ふむ、意気揚々と見せつけに行ったのに……なにかありましたか?」

「……あ、兄貴が…!」

「お兄様?」「兄上?」


 メグとイザベラの話し声が聞こえる。ナデシコは外しているのか?

 とりあえず、ノックの必要はないらしいな。


「いま戻った」

「兄上、お帰りなさいませっ」


 すぐさまイザベラが駆け寄ってきた。ドレス姿の今日ばかりは、木剣も置いてきたらしい。


「うん、今日は一段と美人だな。イザベラ」

「「……!?」」

「……始まったわ…」


 三人の様子がおかしいが、慣れないドレスのせいだろうか。


「ハイウエストのドレスで膝丈まで隠れるスカート。動きやすさを重視しているようで、肩を透け感のあるレース袖で可愛らしさもある。

 全体の紺色に、差し色は白、イザベラの鳶色の髪がよく映える組み合わせだな。

 それから髪で隠れてるが、動くとチラリと見える白いイヤリングもお洒落だ。

 まるでイザベラの剣のように、凜々しい美しさだ」

「………!?」


 イザベラはしばらく固まった後、ライリーの方を向き、何故かお互いに頷きあった。

 そして、メグはライリーに隠れようとして、イザベラの協力の下、逆にこちらに差し出された。


「む、無駄でしてよ…!わたくしが、幼い頃からどれだけの美辞麗句にさらされて来たと思ってますの…!?だ、だから、あなた達の思うような展開になんかなりませんわ…!」

「…あたし達だけじゃ、悪いでしょ…!」

「そうです。皆、一緒です…!」


 美しい友情、なのだろうか?

 それにしても、なぜかメグはかなり緊張にしてるようにも見える。

 声を掛けるべきだろう。


「どうした?メグ?折角、可愛いんだから、もっとリラックスした方がいいぞ?」

「かわっ…!?」

「「………はやっ」」


 速攻で抵抗を止めたメグに、ライリーとイザベラ、二人の声がシンクロする。


「くるぶしの辺りまで平がるドレス。それは、俺達の世界だとプリンセスラインって言ってな、王道ド真ん中のドレスなんだ。

 一見、豪華なスカートに目がいくが、少し大胆な肩見せ、オフショルダーとコルセットで強調されたウエストで上半身を引き立て役で終わらせてない。

 そして、ドレスの色はメグの金髪より深みのあるハニーゴールド、ネックレスに付けられた緑色の飾り石。

 主役は自分だと言わんばかりの王道の可愛らしさ。メグにピッタリだ」


「……お、お褒めにあずかり、光栄ですわ…!」

「「…おー」」


 なぜか、感心したような声がライリーとイザベラから上がった。


「むしろ、見られて光栄だったよ」

「…ひぅ…っ」


「「………よわっ」」

「どういう意味ですのっ」


 よく分からないけど、とにかく3人娘は今日も仲がいいらしい。いいことだ。



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