表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【学園編佳境】異世界快進劇 ヤマトナデシコ ~超人カップルにとって、異世界転移は旅行同然!帰るまでが旅行です~【現:二章六節】  作者: 沢クリム
『緑ノ章 愛歌のロニア』 第六節 円舞曲を止めないで

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
206/228

197.もはや秘密はない。力に身を任せる。

 


 ぐっすり眠った次の日、つまり休養日開け、ついでに5の月30日。月末である。

 ユディット先生は各所から上げってくる書類のチェックがあると、授業終わりにいつもより気だるげに愚痴をこぼしていた。


 一方、生徒一同は、いつも通りに授業を終え、午後の自由学習、演習場に集合していた。監督のエマ先生も居る。


「…異常事態ですわ」

「…いよいよ誰かに話しても、信じてもらえない領域になってきたわね」

「わたしはいいと思います。絵物語のようで」


「「大袈裟だなー」」

「……いえ、皆さんの指摘ももっともだと思いますよ?私も初めて見た時は圧倒されましたから」


 今、俺の髪は桜色に染まり、ナデシコも白髪になった上にツバサが生えている。

 そう、決戦前に俺達の『奥の手』を3人娘にも見せることにした。


「というか、話したじゃない。これまでの経緯」

「普通は、羽が生えた、など聞いても比喩、例え話と考えますのよ、お姉様?」

「それはごもっとも」


 ユディット先生も結構驚いてたしな。

 魔法があるこの世界でもなお、意味不明な現象である。


「ねぇ、姉貴、大丈夫なの?背中から生えてるけど痛くない?」

「痛くないし、大丈夫よ。出しっぱなしだと疲れるくらいかしら?むしろ、ライリーにはどう見えるの?」

「嫌な感じや違和感はしないのよね…。魔力は上がってるけど、手足と見るのと変わらないわ」


 魔眼視点でも元からあった手足とツバサが変わらない、か。

 常識で考えると不自然だが、自然体に見える。魔眼を持つライリーであっても。


「姉上、どの程度飛べるのですか?」

「最近は試してないけど、自由自在よ?試しに飛んでみましょうか?」

「ナデシコさん、あまり目立つのは……」

「分かってるって、エマ先生。低空飛行で一回りしてくるわ」


 言うが早いが、ナデシコは飛び上がり、演習場の縁をなぞるように一回り。

 残された3人娘その動きに合わせて首を動かし、驚きの声を上げる。


「ま、ざっとこんなもんよ!ちなみに誰かを抱えて飛ぶことも出来るわよ?」

「手を広げられても困りますわ」

「命が惜しいっての」


「大丈夫だ。俺も数回運んで貰ったが生きてる」

「では、わたしを運んでくださいますか?姉上」


「いいわよ!きりもみ回転コースも選べるけど?」

「お願いします」

「止めとけ、イザベラ」

「では、普通で」


 イエスマン、いやイエスウーマン過ぎて、たまにイザベラの信頼が怖い。

 結局、イザベラが終わった後、ライリーもメグも体験した。


 イザベラは静かに体験していたが、終わった後しばらく放心していた。本人曰く、楽しかったそうだ。

 ライリーは悲鳴こそ凄かったが、終始楽しそうだった。本人曰く、全然平気とのこと。


 ここまではよかったのだが、メグは二人の反応を見て、きりもみ回転コースを選んでしまった。

 その結果…


「行くわよ!720度回転!」

「いやぁあああ!お父様ー!お母様ー!」


「ねぇ、あれって王城に聞こえないかしら?」

「母上が駆けつけるかもしれませんね」

「エマ先生、顔が真っ青だぞ?」

「……メグさんの覚悟に水を差したい訳ではありませんが、出自を聞かなければよかったと思ってしましたした…」


 空中旋回を地上から見る、ナデシコとメグ以外は1名を除き、のんきなものだった。

 メグの尊厳の為に補足するが、泣いてないし漏らしてもない。


「ドキドキが止まりませんわ…!」


 帰還したメグは、手で心臓の位置を押さえていた。

 少女漫画のような台詞だったが、それにしてはアドレナリンの成分が多めだった。


 将来、王都にジェットコースターが出来たら俺達のせいかもしれない。



「ナデシコ、どんな感じだ?」

「まだまだいけるわ。ヤマトも動いとく?」

「そうだな…軽く走るか」


 今日は何も自慢やお遊びで、この状態になった訳ではない。

 試運転。約一ヶ月の魔力の鍛錬で、この状態がどれだけ維持できるか、何が出来るか測るためにやってきたのだ。


 身体の調子がいい。

 前までは、強化された身体能力に制御が追いついていなかったのが、今なら分かる。

 この状態での動作は、魔力制御の感覚に似ている。


『姫桜』を抜くことはしないが、急加速、急制動、壁走りや感覚の強化などを走りながら行った。

 その感覚を強化したとき、こんな会話が聞こえてきた。


「お兄様は軽く、と仰っていましたが、とんでもないですわね…」

「そうね。兄貴は分かりやすく、常識から外れるわね」

「ヤマトはすごいわよ!…ねぇ、ところで私は?」

「姉上、我々は飛べる人を見たのが今日初めてなのです」

「唯一無二ってことね!」

「「「ポジティブ」です」のね」


 ナデシコが、胸を張ってるのが、見なくても分かった。

 ツバサが生えてる今、それはまさに鳩胸……いや、本人には言わなくていいな、コレは。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ