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【学園編開幕】異世界快進劇 ヤマトナデシコ ~超人カップルにとって、異世界転移は旅行同然!帰るまでが旅行です~【現:二章四節】  作者: 沢クリム
『緑ノ章 愛歌のロニア』 第四節 未来への行進曲

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150.森林探索1日目⑦。城の方から来ました。

 


 心地よい疲れと共に、別荘に戻って来た俺達を出迎えたのは、メイド服に身を包んだ三人。

 順番に、毅然として、楽しげに、少し恥ずかしそうに、名乗るのだった。


「『若葉組』の皆様、おかえりなさいませ。わたくし、エサルカ城にてメイドを務めております、ルスィスともうします」

「エサルカ城の方から来ました。美人メイドのネリーでーす!」

「新人メイドのリリーです…」

 いや、フルリスじゃねぇか。


 大問題発生だった。


「…う~ん……」

「メグが倒れました!?」

「どうしたの!?」

「いえ、立ちくらみが、なので実家への送還と連絡は勘弁してくださいな…」


 どうやら、初見看破が一人居たようだ、気の毒に。


「大丈夫ですかマル…」

「わたくし、メグですわー!」

「元気そうですね。良かったです」

「かなりヤンチャな自己紹介だったけどね」


 メグのことは、身分を隠した貴族令嬢くらいに思ってたのだが、フルリス女王陛下に顔と名前を知られてるとは、ただの貴族じゃないのか?

 いや、コレはなんと言おうと、心優しい新人メイドに一般学生が自己紹介した平凡なシーンだ。実に普通。現実逃避もそろそろ辛い。


「ねぇ、先生、一つ聞かせて?正気?」

「……いい質問だ、ナデシコくん。…関連情報をあげるから推理したまえ。…ワタシは身内に弱い」

「いや、答えじゃねぇか。…エマ先生、平気か?」

「約一週間、心の準備期間がありましたから…」


 俺達にも欲しかった期間だ。

 暫定犯人のネリーめ、俺達にも見事に隠し通しやがって…。


 本人はメイド服でこちらにウインク。

 見た目は100点、童顔巨乳の気安いメイドさんエルフ。ただし、担任教師の母親。

 頭がどうにかなりそうだ。


「一部、知り合いの方も居るそうなので、お互いの自己紹介は後々、ということで。改めて、よろしくお願いします。湯浴みの準備は完了しております。女性の方は屋敷内、大浴場を。ヤマト殿は、お手数ですが、離れの浴場をご使用ください」


 冷静なルスィスさんのおかげで、なんとか状況が飲み込めた。

 しかし、浴室は当然ながら別か。

 良かった。水着があるから一緒なんて言われたら、王都の公衆浴場まで走ることになってたぞ。


「……離れの浴場はワタシの家庭用給湯施設の試作一号だ。…元々、このミール湖の水質研究の過程で、温水に着目してね。…今まで大型だった給湯施設を縮小することを思いついて、作ったのさ。…原理としては」

「機会があれば、授業で話しましょうね、学園長」

「…ふむ、では、魔法技術と公共施設については後日、としよう。…今後の課題である、小型化と省魔力化についても…」

「行きますよ!皆さんもこちらへ!」

「「「はーい」」」

「……はいですわ」


 話したりない様子のユディット先生を引きずりながら、引率をするエマ先生。

 それについて行くナデシコを含めた女子一同。メグは少し疲れ気味、慣れない水泳のせいだな、うむ。

 ナデシコは軽くこちらに手を振り、俺も振り返す、そこで一端別れることになった。


 後、ネリーは女子に付いていった。なにもしなければいいけど…。

 それから、ルスィスさんはその場に残っていた。夕食は合同料理、と予定表にあったがその準備かもしれない。


「では、私が離れまでご案内しますね」

「よろしく…お願いします、でいいのか?」

「どうか、気軽に話しかけてくださいな、私はリリー。新人メイドですので」

「…ああ、分かったよ」


 おどけたように礼をしてみせる女王陛下のメイド服は色々迫力満点、背徳感マシマシだった。加えて、胸が揺れたのを見てしまって気まずい。

 …先生、魔法で揺れない下着とか、開発してくれないかな?

 いや、これは理性の問題、ナデシコを思い出そう。いや、あいつの今日の格好も刺激的だったわ。



「その、リリーも大変だな。ネリーに巻き込まれたんだろ?」

 離れに向かう道すがら、隣を歩いてるフルリスへ気をそらすためにも話かける。


「いえ、…お恥ずかしながら、今回は私が原因なのです。私がつい、今回の旅行、いえ学園の行事の事を聞いた時に、いいなぁ、等とお母様の前で呟いてしまい…。気付けば、あれよあれよと…」

「いや、やっぱりネリーが原因でいいと思うぞ?」


 行動力の化身の面目躍如だ。だが、そうか、なら仕方ない、というか文句は言わない。


「フルリスは普段から頑張ってるだろ?だから、たまの息抜きくらいするべきだ」

「…私にとっては、当然のことです。それに、最近はお二人の料理を頂いたり、息抜きはさせて貰っています。護衛の皆には、少し申し訳ないのですが」

「それは違うと思う」

「……え?」


 今も、遠くから視線を感じる。

 聞いているなら、代弁しよう。推測でしかないが、アンタ達の言葉を。


「俺が護衛ならこう思うね。『ウチの可愛い女王陛下が楽しければそれでヨシ!』ってな!」

「まぁ……ふふっ。でしたら、俯かずに笑わないと、ですね」

「その通り!」

「お母様を見習います」

「…もう少し控えめな見本なかった?」


 はにかんだフルリスは可愛らしい。

 ネリーと似てないようで似ているそんな女王メイド陛下から、見送られ俺は離れに入った。


「……ん?」


 脱衣所には、『我らの思いを伝えて頂き、ありがとうごさいます』と書かれた紙が置いてあった。

 いや、エルフ女王メイド陛下の影に隠れているが、エルフ護衛忍者も大概属性過多だな。


 俺は念のため、湯船に浸かるまで、股間からタオルを外さなかった。



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