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【学園編開幕】異世界快進劇 ヤマトナデシコ ~超人カップルにとって、異世界転移は旅行同然!帰るまでが旅行です~【現:二章四節】  作者: 沢クリム
『緑ノ章 愛歌のロニア』 第三節 若葉の協奏曲

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139.女王陛下とブランチ。お土産を持っていこう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺の毎晩の日課がバラされて数日。つまり、身体測定から、同日数経過した。

間にあった事と言えば、ナデシコのダイエットもどき。それからメグ達の保護者の同意書回収などの林間学園の事前準備。

変わらず、魔法の授業や修練は続いており、俺とナデシコの手掛かり探しなども平行して行っていた。

結界魔法の話も聞いた。興味深かったが、残念ながら異世界の手掛かりにはならなかった。

パウンドケーキのレシピ提出に伴う、少々の混乱もあったが、概ね平和な日常だった。


そして、昨日のナデシコのウエストが元に戻った宣言により、本日を揚げ物解禁日とする!


「二人とも何を作ってるのー?」

今日は王都で二度目の休養日、朝食を終えて朝から台所でバタバタしてる俺とナデシコにネリーが話しかけてきた。


「『おからドーナッツ』よ」

「『からあげ』の時の油を使いたくてな」

「それって、二人の世界のご飯?」


ちなみに、王都では高級品だが冷蔵庫が普及してたりする。油もそこで保存していた。

もちろんユディット先生開発の魔法技術で動く物。開発者に売り上げの一部が還元される仕組み、著作権料の概念も存在するこの世界では、ユディット先生は世界有数のお金持ちなんだとか。

その資金で、自分以外の研究開発にも、じゃんじゃん投資してるらしい。


「うーん、おやつかしら?」

「油物は食べたいけど、身体にいいものも取りたいという二律背反の産物だな」

「壮大な話?」

いや、健康志向の話だ。


「もうすぐ出来上がるから、お城の人たちにも持っていけば?」

「つーか、そのつもりで結構な量を揚げてる」

「揚げたても食べていい?」

「「もちろん」」

「わーい!」

結局、ネリーも調理に参戦して、ドーナツショップ化した貸家にはしばらくの間、油のコーラスが響いた。

ネリーが来たことで余裕も生まれ、原料も同じなので、焼きドーナッツも作った。

おからと豆乳はすでに作って合った物を使用、作成作業は単純なので昼前には調理は完了した。



「あれ?パウンドケーキの時みたいに甘くないんだね。でも、素朴な味で好きかも」

味見がてら、おからドーナッツを食べたネリーが一言。俺達も食べる。うん、素朴だ。

チョココーティングとかしたいが、チョコはおろかカカオも見たことが無い。


「フッ、砂糖でブン殴れば旨いに決まってるからな…」

「力押しだけでは、芸がないってね…」

「本音は?」

「もうすぐ水着になるから、砂糖控えめなのよ」

「ナデシコ用に作ったおからと豆乳の処分だな。つい張り切って作りすぎた。手作りだから日持ちしねぇの」

「なるほどー」

エルフにはウソが通じないらしいので、素直に話す俺とナデシコだった。



「パンに近いね。こっちの方がしっとりしてるけど。分厚い柔らかクッキー?」

今度は焼きドーナツを食べてネリーが一言。


「さっきの『おからドーナッツ』を揚げずに焼いたもの。『焼きドーナツ』だな」

「砂糖や油を派手に使わないと、あんまり差別化は出来ないみたいね」


ひょっとして、俺達が王都で出した俺達の世界の料理というのは、『その発想はあったけどやらなかった』的な立ち位置なのかもな。

砂糖、油、バター、どれも高級品なので、贅沢に使う発想がこれまでになかったのかもしれない。


「でも、おいしいよ?焼きたてだから温かくて柔らかいし、なによりみんなで作ったからね!」

「ああ、そうだな」

「ありがとね。ネリー」

そう言って笑うネリーは料理の神髄、愛情が最大のスパイスの体現者なのかも知れない。

実際、笑って食べる飯に勝るものはないし、ネリーはご飯時はいつも笑顔だ。伊達に三児の母じゃ無いらしい。


ネリーと俺達はおいしい昼前の一時を過ごしたのだった。



作ったドーナッツ達は三つに分けた。

一つは、『エサルカ城』の分、ネリーに持たせる分だ。これにはレシピも同梱する。ルスィスさん宛てだ。

次に、『若葉組』の分、明日の教室に持って行く分だな。もちろん、教師陣の分を含む。

最後に、今日俺とナデシコが持参するお土産の分。


「そう言えば、今日行くんでしょ?」

「そうよ。この前の休養日は向こうが忙しかったみたいだから、今日約束したの」

「あそこまで大きな商家だとは予想外だったな」

「出来たのは最近だよ?」

「エルフ感覚で、でしょ?」

「そだよ」

悪びれもせずネリーは答える。そう、俺達が行くのは王都でも有数の商家。


「デライラちゃんによろしくね」

「ええ、伝えるわ」

「……伝えていいのか、女王陛下からの『よろしく』だぞ?」

「そうだったわ…」

ラケルからロニア行きの道中に知り合った、老婦人のデライラさんの所にお邪魔する予定だ。


「じゃ、『小動物』からって言えば伝わる?」

「ははは、『小動物』?なんの話だい?」

ネリーのことをそう表現したことを、しっかり覚えられていたらしい。


「今晩、ヤマトくんの料理を食べれば忘れるかもー」

「お任せください!」

「……口は災いの元ね」

ナデシコもネリーを『バカ野郎』呼びしてたよな?そこをつつくと俺が『この野郎』呼びしたのも連鎖するから言わないが。

まぁ、本人も気にした様子もなかったし、冗談の一つ、茶番だろう。ただ、念のため、腕にはよりをかけることにしよう。



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