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【学園編開幕】異世界快進劇 ヤマトナデシコ ~超人カップルにとって、異世界転移は旅行同然!帰るまでが旅行です~【現:二章三節】  作者: 沢クリム
『緑ノ章 愛歌のロニア』 第三節 若葉の協奏曲

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135.朝の幕開け。予定を確認しよう。



からあげと白米の夜が明け、ネリーがいない朝が来た。

米は満場、いや2票一致で温存を決め、通常通りのメニューを食べ、身支度も普段通りに完了した。

変わった事と言えば妙な怠さのある身体だが、たまにあることなので気にせず登校した。


「あら、一番ね」

「珍しいな」

朝、教室には俺達だけだった。


いつもは朝に校庭で運動をしているらしいイザベラやライリー辺りが一番だ。

その次に俺達、メグは最後だが、それでも教師陣が来るまでには時間があるので運動で乱れた二人の髪を直したりしていた。鼻歌交じりに行われるそのやりとりは微笑ましかった。


俺達はその時には席について、二人で授業の復習というなのダベりや課題であるユディット先生への日誌帳を交換したりして見返したりしてる。

日誌帳は基本的に朝に提出し、夕方には帰ってくる。ユディット先生がどうしても気になる内容があった時には、午後から呼び出しが掛かったこともあった。

そんなここ一週間の朝のルーティンを思い返していた時、入り口に気配がした。


「おはようごさいますわ」

「おはよー…」

概ねいつも通りの時間にメグが来た。その横には、調子が悪そうなライリーも一緒だ。


「おはよ、二人とも」

「おはよう。珍しい組み合わせだな」

「ちょっとそこで合流しましたの」

「ライリー、どうしたの?」

「昨日の事、親に話をしたら大反対されちゃたの。魔物相手はまだ早いって…」

「昨日の?ああ、森林探索ね」

確か、本人に確認したわけではないが、昨日の時点でライリーは乗り気なように見えたな。


「今日詳細が分かりますのに、昨日の時点で話しましたの?」

メグが言っている通り、ユディット先生は今日詳細を話すと言っていた。

「最近の様子を聞かれたのよ。つい、流れでね」

「心配なのも仕方ないんじゃない?」

対魔物戦、それは怪我人も出れば、死者も出る。俺達だって運が悪ければ、そうだったかも知れない。

そうなってないのは、たまたま俺達の力量以上の相手に会わずに済んだからだ。こちらの世界で、強さを求める理由もそれが大きい。


死なない、帰る。これが俺達の優先順位だ。

ここに俺達の主義や、世話になった人たちへの恩義、義理も入ってくる。

まぁ、いつもノリと勢いで行動を選択してるので、説得力は無いが。


「おはようごさいます…!」

ライリーの所に集まっている時にイザベラが教室に来た。どことなくキリッとしている気がする。とりあえず皆で挨拶を返した。

その間も、イザベラを観察したが、やはりいつもより背筋が伸びていたり、血色がいい。

俺とナデシコは、首を傾げたが、メグとライリーは気にした様子も無い。


「ああ、お二人は初めてでしたわね。イザベラのお母様が帰宅した次の日は、『ああ』なるのですの」

「お城勤めで、たまにしか帰らないらしいけど、帰って来た日には稽古を付けて貰えるんですって」

なるほど、これまでの言葉の端々で、母親を慕ってることは分かっていたが、あそこまでも調子が良くなるとは予想外。


「はい、わたしに兄上が出来たことを喜んで頂きました」

「なにやってんだコラ」

「混乱が勝つでしょ普通」

「喜ぶんだ…」

「予想不能ですわ…」

この発言には、イザベラ歴が俺達より長い二人も頭を抱えていた。

いや、ちゃんとイサベラの母上さんが聞き取ってくれた、と思っておこう。精神衛生上そちらの方が気楽だ。


「おはようごさいます。皆さん」

「……おはよう、ワタシの生徒諸君」


いつの間にか、教師陣の来る時間になっていた。普段と変わらないエマ先生。いつも通り、ダウナー気味のユディット先生へ挨拶を返し、席に戻る。

五人の席順は一列だ。入り口から順に、俺、ナデシコ、ライリー、イザベラ、メグ。

教壇から距離は近く、積極的な質問は喜ばれる。


「……それでは今日は、昨日、話した森林探索の予定についての話から始めようか、な」

「資料を用意して来ました。まずはそれぞれ目を通してくださいね」


俺達の元には、数枚の紙が配られた。いまさらながらこちらの紙は木の紙だ。俺達の世界のコピー用紙ほどの白さでは無いが、再生紙よりも見やすい。

加えて、魔力を利用した転写技術もある。俺達に配られた紙も内容は一緒だろう。


おっと、今は紙そのものより、内容の方が重要だ。さて、魔物の発生地帯での探索、真剣に資料を………?


「一日目午前、湖畔の別荘まで徒歩移動。正午、持ち寄った弁当で昼食会…」

俺が読み上げる。ピクニックだな。


「一日目午後、湖水浴、水練服の支給あり。夜、別荘にて宿泊、合同料理…」

ナデシコが読み上げる。豪華なレジャー施設かな。


「二日目朝、使用人達が用意した朝食。午前、森林並びに湖畔の探索、周辺スケッチ…」

ライリーが読み上げる。写生大会かな。いや、別荘使用人いるのかよ。


「二日目正午、昼食。午後、魔物観察。なお出現予測については別紙参照のこと、戦闘は……場合による、ですか」

イザベラが読み上げる。ああ、やっと魔物出てきた。いや、戦うかは分からんのかい。


「怪我人がいない場合に、別荘に宿泊。翌朝学園に戻り、その後振り返りは研究室にてお茶会を予定、とありますわね…」

メグが読み上げる。至れり尽くせり過ぎる。


「……さて、皆、旅行の話をしよう」

旅行って言っちゃったよ。



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