表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【学園編開幕】異世界快進劇 ヤマトナデシコ ~超人カップルにとって、異世界転移は旅行同然!帰るまでが旅行です~【現:二章三節】  作者: 沢クリム
『緑ノ章 愛歌のロニア』 第二節 学びは交響曲

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

131/137

122.夜更かし厳禁。課題をこなす。



「うん!まだまだこれからだね。頑張ろー」

「「お、おー」」


あの後、思わぬ家庭教師の指導の下、なんとか3回目には1分まで記録を伸ばした。お手本になったネリーの淀みの無い魔力の集約は、まだ俺達が荒削りだと分からせてくれた。背にはじっとりと汗をかいた。


「じゃ、いってくるな」

「全く律儀ね。そこまで気にしなくていいのに」

「なんなら三人で入っちゃう?」

「それはない」


俺は公衆浴場まで走った。やはり魔力より体力を使う方が楽だ。そして、帰る頃にはすっかり月が昇っていた。知らず、長湯になっていたようだ。


「おかえり、ヤマト」

「ああ、ただいま、ナデシコ」

俺を待っていたらしいナデシコに出迎えられた。寝間着に着替えて、食卓で暖かい白湯を飲んでいた。対面の椅子に腰掛ける。首にはタオルを残したままだ。俺にもついでくれたので礼を言って、受け取った。


「ネリーは?」

「今は部屋でぐっすりなんじゃない?色々質問攻めにされたわ」

この世界の夜は早い。体感8時頃には町は寝静まる、公衆浴場も営業時間ギリギリだった。こちらに来て1ヶ月程になるが、未だに10時頃に就寝する俺達は立派な夜更かし組だった。


「へぇ、何を話したんだ。」

「ひ・み・つ」

そう言うナデシコは、どこか楽しそうだった。ガールズトークというやつか。年の差は10倍は軽く越えるが、女の子はいつまでもガールらしい。


「ねぇ、そっち行っていい?」

「ああ。いいけど…って、おいおい…」

返事をしてすぐ、ナデシコは俺の大腿部に座った。お互いに、落ちないように背に手を回す。ナデシコからは、いつもと違う香りがした。


「なによ?」

「…いや、なんでもない」

何気なく髪を撫でる。身体が預けられた、ナデシコの体重をよりはっきりと感じた気がした。


「家風呂。なかなか良かったわよ。ま、アーテナイの温泉には負けるけどね」

「比べる対象が悪すぎるだろ」

ラケルでは、アーテナイの家の温泉に招かれたことがある。お互い水着を着ていたが、その時に…いや、ダメだ。この密着状態で思い出すのは大変よろしくない。


「でも、石鹸。これは、この世界で一番かも。公衆浴場の石鹸とは別物ね。高級品かしら?」

「ユディット先生の実験品かもな」

「怖い話しないでよ…」

香りの正体が分かった。これまで同じ公衆浴場で同じ石鹸を使って居たが、今日は違う。どこか花の香りが混じっていた。髪のつやもいい気がする。購入出来る物か聞いてみよう。


その後も、今日の出来事や年下のクラスメイトの事を話した。


「そう言えば、イザベラにかなり懐かれてたわね」

「あれは自分より上手いプレイヤーに会ったゲーマーって感じだろ?」

「…それもそうね」

ナデシコは納得してくれた。少し、罪悪感を感じる。


イザベラの発言、いっそ勘違いであれば楽なのだろうが、妙に耳に残ってしまっていた。

だとしても、ナデシコに話すのは躊躇われる。抱えていこう。そう決めた。


「それに誰に懐かれようが、俺の一番は変わねぇよ」

「……バカね。そこは一番が誰なのか、分かるように名前を言いなさいよ。…ヤマト」

「そうだな。…ナデシコ」

少し顔を赤くしたナデシコに、より強く引き寄せられた。同じだけの力を返す。しばらくそのままでいた。


しかし、ナデシコはいきなり俺の首のタオル取ると、ブーメランのように投げた。


「そこッ!」

「あいた!」

ペッし、っと間抜けな音がして、そこからは、ネリーが現れた。いや、いつのまに!?


「うぅ…エルフ秘伝の姿隠しの術が…」

「見破ってないわ。ただ、なんとなく何か動いた気がして、やっただけよ」

ナデシコの直感にその秘伝は及ばなかったらしい。ニュータイプか。ちなみの俺は全然気付いてなかった。

すでに俺から降りたナデシコは、ネリーの前に立ち塞がる。


「さて、どうしてやろうかしら?」

「わ、わたし今来たとこだよ?ちょっと喉が渇いたから来ただけ…」

「姿を消してか?」

「二人が寝てたら悪いかなーって、姿隠しって音も消せるんだよ?」

証言に矛盾はない。しかし、どちらの発言も目を反らしながらだから信憑性はない。


「……分かったわ。信じましょう。その代わり、他言無用よ。……私も場所を考えないでやっちゃたし…」

「うん!…ちなみにエルフの秘伝には避妊薬も」

「言わせねぇよ!」

結局、水を一杯飲んだ後、ネリーはナデシコによって客間に担ぎ込まれた。


少し目が冴えた俺は、あてがわれた部屋で日報に野球のルールを書きながら、なかなか来ない眠気が来るのを待った。


「……そう言えば、特別クラスの新名称を考える、って課題もあったな…」

学園で、ロニアで見た物を思い返す。印象的だったものは数あれど、クラスの名前となると…。


「……ああ、そう言えば、丁度いいのがある」


これも一つの現代知識の利用だろうか?

明日の事を思っていると眠気が来た。ベッドに横になる。真新しい寝具は、なんだかんだ忙しかった俺を受け止め、眠りに誘った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ