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【学園編開幕】異世界快進劇 ヤマトナデシコ ~超人カップルにとって、異世界転移は旅行同然!帰るまでが旅行です~【現:二章三節】  作者: 沢クリム
『緑ノ章 愛歌のロニア』 第二節 学びは交響曲

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115.交流戦総括。初めての宿題。



勝負が付いたところで、俺達はユディト先生に集められた。


「……さて、まずはお疲れ様、皆。…キミ達が行っていた賭け、についてはワタシは、言及しない、よ。…好きに精算なり、今後の交流に役に立てるといい」


そう言えば、呼び名を賭けてたんだったが。俺達が負けたら、在校生組を『先輩』呼びで、在校生組が負けたら兄呼び……いや、なんか一人フライングしてるが、そんな賭けだった。


「……ちなみに、ワタシは引き分けになるように、調整していた。…あくまでも、交流が目的だからね。…しかし、キミ達、一度もワタシの、ハンデを守らなかった、ね」

「「「……あ」」」


分かり辛いが、ユディト先生は若干ジト目だ。第二試合については、恐らく種目ごと変えている。


「……まあ、いい。…おかげで、面白いものが見れた、よ。…それでは、まずはライリーくん、イザベラくん」

「「はい!」」

「……キミ達が挑んだのは、魔力、技量共に、上の存在だ。…届くかどうか、分からない、果てのない道に見えるだろう、ね。…しかし、学び続ける限り、歩み続ける限り、いつか届きうる。…相手に学ぶのもいいだろう。…道に迷った時は、ワタシが相談にのろう。…よく頑張った、ね」

「「はい!」」

二人の前に立った、ユディト先生は微笑んでみせた。



「……次に、メグくん」

「ええ、なにかありまして?」

「……キミは勝利した。…そして、一つの壁を越えたね、おめでとう。…あの、中心に当てた感触を、覚えておくといい、よ」

「…少々やり過ぎましたので、お叱りを受けるかと……」

メグは、気まずげに顔を反らした。あのささやき戦法や、開幕4連続でプレッシャーをかけたことだろうか?


「なに言ってるのよ。挑発には乗る方が悪いし、相手に思うようにさせないのは立派な戦術でしょ?」

意外にもフォローしたのはナデシコだった。

「ナデシコさん…」

「今日の所は、チームで勝てたけど、個人ではメグに負けたわ。いつかリベンジするから覚えてなさいよね!」

「ええ!受けて立ちますわ、ナデシコお姉様」

その時、俺達から見ると初めて、メグの表情が年相応な少女の笑みになった気がした。



「……最後に、ヤマトくん、ナデシコくん」

「「はい!」」

「……キミ達にとって、今日の試合はどうだった、かな?」

「楽しかったわ。制限の中で、どう全力を尽くすのか学べたし、条件次第や気持ちの問題で負けることも学べたわ」

「面白かったよ。一つの武器で戦って来たから、相手や他の武器への理解も必要だって分かった。俺も気持ちを緩めて、武器を壊されたからな」

「……そうか、なによりだ。…いい試合だったから、一つ、キミ達が知りたい事のヒントをあげよう」

思わず、ナデシコと揃って息をのんだ。

それは、ユディト先生が知ってる、俺達の世界への帰還の手掛かりに他ならないだろう。


「…ワタシが、話すのを躊躇っているのは、キミ達の生い立ちや事情からではない。…キミ達が、まだまだ未熟、そう思ったからだ、よ。…故に、熟達次第では、教えよう。…励み、学び、ワタシを納得させたまえ。…それまでは、キミ達はワタシの生徒だ。…いい、ね?」

「上等よ!」「上等だ!」

元々、ここで3年間も足止めは食らう予定はない。

魔法を学び、遊んで、強くなる。そして、帰り道を突き止める。俺達に大人しくしてる時間はない。ガキらしくいこう。



「そろそろ、午前は終わりですね。今日はここで解散としましょうか。学園長、なにかありますか?」

「……さて、実はエマにも話したことは無かったが、ワタシは自分のクラスを受け持った時に、叶えたい夢があった」

「え、初耳です…」

夢とは大袈裟だな。先ほどまで、締めに入る為、皆の前に立ったエマ先生も驚愕の表情だ。


「……一度でいいから、生徒に宿題を出し、『えぇーっ!』と言われたい」

「思ったより俗っぽい!?」

「……教師と生徒の温かな交流、というものに憧れたのだ、よ」

「絶対もっと他にありますって!」

「……その意見は後で聞こう」

「強行する気だ、この人…」

コントが始まったのだろうか。ユディト先生は、ともかく聞く耳を持たないらしい。


「……では、いつまでも『特別クラス』では味気ないので、ね。明日までに、このクラスの新たな名称を考えて貰おう。…これが宿題だ。…わかったか、ね?」


「「「えぇーっ!」」」「えぇーっ!…ですね」「えぇーっ!…ですわ」


「……ありがとう、キミ達がワタシの生徒で良かった」

「絶対、今言うセリフじゃない…」


クラス一丸となった姿に、ユディト先生は感動、エマ先生は呆れ気味だった。



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