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沙也加と僕  作者: ユキから
5/33

秘密

目まぐるしく変化した数日が過ぎて、大晦日。


『ただいまー。』

勢い良く玄関を開け、家に入った。

母さんも負けず劣らず、飛び出して来て

「お帰り〜!どうだったの?ねえ、大変だった?もう、仕事したの?」

『か、母さん、上がってもいい?話しはゆっくりとすっからさ。』

「あ、ごめんなさい。もう、お母さん、聞きたいことがいっぱいあって。」


リビングには父さんもいた。

「おう、お帰り。ん?少しイメチェンしたか?」

『分かる?眉毛と髪の毛が少しだけ。あ、でも、CMは化粧して、髪型なんかは全然違ってるから、誰だか分かんないよ。』

「あら、CMに出るの?すごいじゃない?」

『健康飲料のだよ、但し、メインはアイドルのあの子。僕は、多分、横顔?』

「ほう、それでもいきなりとは、想像してなかったよ。」

「ねえ、アイドルのあの子って、やっぱりキレイで可愛かった?」

『ん?あ、会ってないよ、撮影は僕だけ。編集して合成するみたい。だから、まだ他の芸能人には全然会ってない。』

「なるほど、CMって、そうやって作るんだ?で、他に何をしてきた?」

『ボイストレーニングがほとんど。聞き取りやすい声に修正?結構大変だった。』

「そう言えば、確かに喋り方が違ってるね。歯切れがいいわ。」


1週間程、家を空けていただけなのに、こんなに話すことがあることに驚いた。


その夜、一緒にテレビを見ていると、こんな感じの人になれとか、歌を歌うのもいいねとか、髪の毛もカッコ良くすれば写りがいいとか、今までになかった会話で笑い合っていた。

夕方、サヤカからメールが来た。

「今年ももうすぐ終わりだね。土壇場で大逆転出来たから、その事を思い出してメールしたんだよ。試験勉強、捗ってる?私の方は順調、でもね、どっちかって言うとトモ君の事を考えている時間の方が多いかな?トモ君は、順調? 初詣、楽しみだよ。」

東京にいる時も、毎日メール交換をしている。

時々、少しでいいから会いたいと言ってくるのが一番困った。

ユイさんにはメールを見せて、どうすれば傷付けずに断れるかなどのアドバイスをもらっていた。

当初、初詣に一緒に行くと、誰かに会ってバレるから止める方向で話しが進んでいたんだけど、サヤカが策を練り、かおりさんと健一を利用することにしたと言って来た。

結果、4人で行く事になったらしい。

でもそれで困ったのは、健一から家に電話が掛かってきたことだ。

母さんの機転で難を逃れたが、僕がスマホを持っていることを教えていなかったことに、母さんはかなり不満だったようだ。


お正月の朝、ゆっくり寝かせてくれたのか、目が覚めたのはお昼少し前。

待ち合わせ2時間後と言う時間だった。


一番気になっていた髪型をなんとかしようとシャワーを浴びて、以前のように整えようとするが、中々上手くいかず、その上、眉毛もようく見ればカッコ良く決まり過ぎているようだ。

母さんの「ご飯にしましょう。」という声がかかるまで、ずっとドライヤーを使い続けていたのだ。

昼ごはんを食べながら、父さんが一言言った。


「友哉は、自分がタレントになった事をどう思ってるんだ?」

『どうって、まだ半信半疑、僕がタレントって合ってる?』

「バカ野郎、そういう考えならすぐに辞めろ!いいか、タレントいや、芸能人の仕事って、世間から見れば華やかで、誰でも成れる仕事じゃないと思われてる。でもな、その人たちが、どれだけ多くの人々を勇気付けたり、希望を与えているか考えたか?

他人の人生に影響を与える仕事をしようとしているお前が、まだそんなレベルの考えとは驚いた。スタートしたんだから、いつも他人に感動を与えなければいけない、と言うプレッシャーを感じていなさい。

友哉には、それが出来ると思って契約書にハンを押したんだ。」


じっくり反復しながら頭の中に入れていくと、父さんが言っている意味が少しずつ理解出来た。

かなり間が開いたが、僕は父さんに宣言した。

『父さん、辞めないよ。中途半端な気持ちで東京から帰って来たけど、僕は堂々とタレントの道を歩いて行く。父さんの言ってくれた、他人の人生に役立つような人間になるよ。』

「お正月早々に、真剣な話しが出来て良かったね友哉。」

『三条優也だろ?泣いて帰って来た時だけ、友哉で迎えてくれよ。』

「おう、そりゃそうだな。母さん、二人目の息子だと思うようにしなきやな。」

「そうね、友哉がいなくなって、新しく優也が。」

『ゲッ、それじゃあ友哉が死んじまってるじゃん。ヒデェなぁ〜。』


そう言いながら、父さんに感謝していた。


初詣の待ち合わせ場所に行った。

中に入ると健一が一人で待っていた。

『なぁ、初詣に行く待ち合わせ場所がマックか?』

「いきなりイヤミか?それなら俺も一言言いてえ。」

『おう、なんでも言ってみろ。』

「お前、冬休みに入って、いったい何をしてるんだ?」

『ん?何って、試験勉強さ、ああ、毎日、勉強漬けの生活だ。』

「本当か?いつ電話しても寝てるとか、本屋に行ったとか、お母さんとしか話してねえぞ。」

『真剣にやってると、朝までだったり、参考書が欲しい時だってあるだろうが?』

「おう、それでも一応電話してきて言い訳ぐらいするだろうが?」

『お前に言い訳?そんなことすりゃ、お前だって怒るだろう?』

「おっ、そう来る・・・と、この話しは、終わりだ。」


こう言うシーンもあるかも知れないなぁと、内心で思っていた。


マックのドアが開いた。


「サヤカが悪いんだよ、謝ってね。」

数メートル先の声がハッキリ聞こえて来た。

後ろを振り返ると、サヤカが晴れ着姿で歩いて来る。

赤が主の艶やかな着物を着ているが、サヤカは髪型も、着物用にセットしていて、メッチャ綺麗だ。

健一も驚いたのか、いつもの軽口が出て来ていない。

サヤカは、僕たちの前に立って

「時間、遅れてごめんなさい。」

神妙な顔で少し頭を下げた。

健一がまだ何も言えないようなので僕が応えた。

『いいよ、全然待ってないし。それより、すっげえキレイだなぁ。』

すると、しおらしくしていたサヤカが、目元をクチャクチャッとさせてにっこり笑う。

「ありがとう。」

「聞いてくれる?着物を着るなんて聞いてないのよ、もし言ってくれてたら、私だって持ってるのに?」

「言わなかったっけ?」

「あ、また言った。さっきからそればっかり。聞いてません、裏切り者が。」

『あ、いや矢口さんもいつもと全然違って・・・』

「それって、いつもは酷いって言いたいの?」

「かおり、絡んでるよ、みっともない。」

ようやく健一が割り込んできた。

「おう、矢口もキレイだぞ、ま、雲泥の差だけどな。」

(あっ、ヤバっと思った。)

「それ、誉め言葉になってないっしょ!ケンチにバカにされたくない!」

「ケンチ?それって、愛情を感じていいのか?」

「ガクッ⁉︎なんで機嫌の悪い時にそういうことを言うかな?」

『まあまあ、ソロソロ行かない?』


神社まで、健一と矢口かおりの二人は、ずっといがみ合って前を歩いている。

サヤカは、慣れない草履に苦労しながらも、嬉しそうに隣を歩いている。

多分ワザとだと僕は思っているが、時々、フラついたようにして、僕の腕を掴んでくる。前を歩いている二人は、その度、振り返って見てくるが、二人ともそれぞれの気持ちを知っているから、敢えて咎めようとしない。

それを見て、サヤカと僕は目配せして笑っていた。

参拝を済ませ、おみくじを引く。

僕が大吉、サヤカは中吉、かおりさんと健一は仲良く小吉。

同じのを引いたので、かおりさんのイライラがマックスに達した。

そのイカリの矛先がサヤカに向けられ、とうとう強制的に僕とサヤカのツーショット写真を撮っていた。

もちろん、僕たちが喜んでいることを知る由も無く。


参道、鳥居の横、街の歩道と、かおりにすればヤケクソ、僕たちは大歓迎の撮影会。

学校中にバラ撒くと息巻いている。

この先、お宝写真になるとも知れず、そう、お宝写真にしようと思ったのは、父さんのお陰だ。


サヤカからのメールで、今日の写真、近いうちに転送してくれると。

改めて

『キレイだったよ、サヤカはどんな時も輝いてるんだな。』

その後に、新学期まで試験勉強頑張るよと書いて返信した。


クリスマスイブから、トモ君、毎日勉強漬けの生活に入ったの。

私は、毎日でも会いたいのに、ちょっと冷たいよね。

でも、そのおかげで感謝していることもある、それは、私の勉強が意外と捗っていること。問題集を解いたら、結構高得点が出て嬉しい。

だから、お礼の意味で初詣に晴れ着姿を披露してみた。

あんなに帯が苦しいとは、計算違いもあったけど、トモ君、素直に喜んでくれたみたい。

能天気のかおりは、私とトモ君のツーショット写真を何枚も撮ってくれて、あれってお芝居だったんだよね?

始業式の日、トモ君に会えるから、それまで我慢して勉強をしよう。


サヤカに返信メールをしてすぐ、新しいメールが届いた。

サヤカからと思ったけど、違っていた。

ユイさんからの新年の挨拶メールだった。

そして、そのメールに、今夜11時からのTV番組を見なさいと書いてある。

後10分しかない。

急いで階段を下り、テレビのチャンネルを変えて座った。

母さんが、何事かと聞いてきたので、ユイさんからのメールの事を話した。


「ひよっとしてCMかしら?お父さん、起こしてくるね。」


番組の冒頭のCMにアイドルの通称キャロちんが出て来て、公園の広場のど真ん中にある自動販売機から健康飲料水を取り出す。

近くにあるベンチ、僕が横顔で出てるが、すぐにキャロちんに変わる。

笑顔で飲んでいるのを、チラッと見た僕はそのまま立ち去ると言うシーン。

多分、2秒も出ていないが、うちの家族には十分認識出来た。


「おう、カッコいいじゃないか?初めてにしては上出来だよ。」

「もう一回あるかしら?ビデオ取っておこうね。」

と言って、母さんは録画のセットをしている。

「この為に、何時間もかけたんだろう?ドラマや映画になると、それこそ何日、何ヶ月になるんだろうな?」

『ここまで見やすくしてくれるスタッフって、父さんが言うように感謝しないと。』


番組の中盤で、少し長いCMが流れた。

さっきよりも僕の存在感が少し増えた。キャロちんが僕を見てくるが、ドギマギしている僕のアップ。

実際は、すべて独り芝居をしていたんだが、ピッタリと一致している事に驚かされた。

その感想をユイさんにメールした。

ユイさんから、すぐに返信されてきた。

このCMをシリーズ化するんだと。早速、4日から撮影するから、3日の夜には東京へ戻りなさいとなっていた。


撮影スタジオにユイさんと一緒に到着。

前回、僕の髪の毛などをセットしてくれたメイクさん、以外に二人の女性が待っていた。簡単な挨拶を交わし、最初にスタイリストさんから、今日の服装が決められた。

何着か用意されていたが、その中から撮影シーンに合うよう、すぐに決められた。

早速着替えると、サイズもピッタリで、着心地も抜群だった。


次に相手をしてくれたのは、ヘアメイクの専門家だと紹介されていた人で、手際よく髪を整えていく。

途中から、前回と同じメイクさんが加わり、顔に化粧を始めた。


ユイさんは、少し下がったところからじっと様子を見ている。


約30分程で、すっかり変身し終えた。


「うん、中々いいわ。さあ、今から挨拶回りよ。まず最初は、主役さん、あ、でもミーハーにはならないでね。メッチャ可愛いけど、ヨダレは厳禁!」

『ヨダレは?アハッ、垂らしませんよ、もう。』


キャロちんの楽屋前に着くと、ユイさんがノックする。

中から、「どうぞ。」

と、返事が返ってきて、ドアを開ける。

中を覗くと、鏡に向かって髪の毛をセットしているところだった。

『失礼します。今日お世話になります、三条優也と申します。よろしくお願いします。』

そう言うと、鏡越しにこっちを見ていたキャロちんさんが、ヘアメイクさんの手を止めて立ち上がった。

そして、ニコッと笑って

「初めまして、こちらこそ宜しくお願いしますね。よかった、この前は別撮りだったよね、テレビの中で三条さんを見て、一度お会いしたかったの。へえ〜、ステキな方ですね。」

『あ、どうも。』

「知ってる?これから1年、一緒に出るって?」

『あ、一応聞きました。』

「一応?ね。今、いくつ?」

『15歳です。』

「一緒だ!』

すると、ヘアメイクさんが

「ウソおっしゃい、もうすぐハタチでしょう?」

「違うよ、私がデビューしたのも15歳だったでしょう?だから、一緒だって言ったの。まさか、年齢詐称疑惑?」

「言いかねないでしょう?」

「それは、いつもじゃないじゃん。」

「あるんだ?」


そのやりとりを聞きながら、人気絶頂のアイドルが普段からこういう明るさで、誰にでも笑顔のまま接しているんだと感心していた。


楽屋のドアを閉め、廊下を歩き出した時、ユイさんが聞いてきた。

「どうだった?」

『凄いです。初対面の、しかも僕なんかにあれだけの相手をしてくれたのは、やっぱり売れている余裕ですか?』

「あのグループも、最初は苦労したのよ。お客さんが全然入ってなかったんだって。でも、みんながとってきた行動が凄いの。ダンスの練習や、歌のレッスンでは、ホント、泣きながらだったみたい。でも、一歩外、お客さんの前に出ると、絶対明るく振る舞ってたんだって。それが今日の地位を確立したんだって。優也くんも努力することね。」

『もちろんです。我が儘を言うつもりも、手抜きをすることもしません。もし、態度が悪かったらすぐに叱って下さい。』

「うん、容赦しないわよ、覚悟しておいてね。」


撮影時間が、アイドルの仕事との兼ね合いから、かなり短く限られていると監督から聞かされた。セリフなどないので、僕に求められているのは動き。

特に、今回は視線を意識するように言われたので、緊張しながらも必死に取り組んだ。

シーンの中に、キャロちんに見つめられるところがあり、1回目はNG。

『すみません。』と、謝ると

「いいのよ謝らなくて。キャハ、私だって何度もミスするから。」

あっけらかんとして、相変わらず笑顔を見せてくれていた。

少しずつ変化を付け、同じシーンを何度も撮り続ける。

キャロちんさんは、疲れも見せず、ずっと元気だ。


そして、時間になって撮影が終了した。


スタジオを出て行くキャロちんさんに

『ありがとうございました。』と、頭を下げると

「いいお仕事出来てよかった。又、今度も宜しくお願いしますね。優也くん。」

舌を小さく出して、最後まで笑顔だった。


撮影スタッフの皆さんに挨拶をして、ユイさんとスタジオを後にした。


「お疲れ様でした。キャロちんさんの相手役、ハマってたよ。秘密を教えてあげようか?」

『秘密?そんなのあるんですか?』

「この第2作目から、優也くんの露出が増えるの。でもね、当分名前なんかはマル秘にしておくのよ。」

『それは、僕が無名だから当然でしょう?』

「そういう意味じゃないのよね。テレビを見ている人が、あれ、誰だ?って思って欲しいのよ。その時、すぐに誰か分かってしまうと、効果がなくなるのね。」

『何となく分かります。』


今日の仕事が終わっているので、ユイさんと食事が出来るカフェに入った。

そして、話しが続いた。

「優也くんで良かったことがあるのよ。」

『何ですか?売れそうにないからとか?』

「何言ってるの、怒るわよ!」

『あ、ゴメンなさい。』

「あなたで良かったのは、3学期が始まることよ。」

『ん?どうしてですか?』

「多分、すぐにSNSで騒がれるでしょうね?そうすると、捜査が始まる。つまり、メディアが正体を明かしたくなるっていうのが、この世界の常識。」

『捜査?じゃあ、学校に行っているから、見つからないってことですか?』

「その通り、スポンサーもキャロちんの事務所も、その他の関係しているところなど、もう全部押さえてるから、どこからもバレないわ。」

『そうなんだ?』

「このやり方に一番積極的なのは、どこだと思う?」

『エッ?うちじゃないってことですよね?という事は、キャロちんさんの事務所ですか?』

「大外れ。答えはスポンサー。誰か?って騒がれると、もちろん、キャロちんの

力が大きいんだけど、プラスαの効果が出て、商品価値が何倍にもなるのよ。」

『ヘェ〜、凄そうですね。』

「次に撮影するのが、卒業式の後に決まってるの。第三段階になると、セリフが入るかもね。」

『・・・』

「その後の大まかな流れを教えておくと、5月頃からドラマ撮影が始まる。秋の新番組、主役の予定だけど、もしかすると準主役になるかも?相手役次第ね。」

『学校とかは?』

「ん?宝明学園でしょう?だったら合格確実よ、但し、それ以上は秘密。」


夜、ホテルの部屋でテレビをつけると、歌謡番組が流れていた。

何気なく見ていると、キャロちんのグループが出演していた。

いつもの僕なら見逃がすだろうなのに、今夜は興味を持って見たいと思った。

昼間、目の前で笑顔を向けてくれたトップアイドルが、今からどのようなパフォーマンスを見せてくれるだろう?


リズム良く始まった時、センターで歌い、踊り始めたキャロちんさんがアッブで映っていた。

カメラは、急がしく他のメンバーを捕らえるものの、必ずキャロちんに戻る。

そのキャロちんは、カメラを向けられる度、顔を正面に向けて、笑顔を振りまいている。

アングルの打ち合わせをしているだろうと思うが、そのタイミングに合っているからファンの心を掴んでいるのだろう。


曲が終わって、すぐにもう一度見たくなった。

圧倒される魅力に、心臓を撃ち抜かれた?大袈裟に言えばだけど。

次に思ったのは、そのトップアイドルとCMで共演してるって、誰かに言いたい・・

誰か?分かっているが、今は秘密。


翌日はボイストレーニングの日だった。

ユイさんがホテルのロビーまで迎えに来てくれていた。

挨拶をすると、ユイさんが

「ねえ、早速騒ぎが起きているよ、見てごらん?」

と言って、差し出されたのは、タブレット。

そこに出ていたのは。

「あれ、誰?」「知っている方、教えて。」などの文字がたくさん見えた。

『これって、何ですか?』

「ん?ようく見なさい、優也くんのことばっかりよ。昨日、話したでしょう?キャロちんさんと一緒に出てる男の子、誰だ?って。」

『エッ?もう?』

「この状態が3月末まで続くのよ。その前に、昨日撮影した第二段が出ると、どのくらい?パニックになるんじゃない?」

『それはさすがに、大袈裟ですよ。』

「なったらどうする?」

『あ、いや、そうなったら?もちろん、嬉しいですよ。自信が・・・付く?』


始業式の前日、僕は家に帰った。

次回、東京に行く時、自分のスマホは持ってこないよう指示され、その上、住むところを用意してくれるらしい。

こっちにいる間、ボイストレーニングを毎日続けることが最大の課題であるのも、今では当然と思える。



第6話をお楽しみに



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