↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お飾り聖女は放っておけない、第二王子は放っておきたい〜転生聖女は自由気まま〜  作者: カンテラ澪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/22

12 殿下に猫の鈴をつけられました

⌘

侯爵家サロンで、殿下と和解したあと、お父様がとんでもないことを言い出した。


「そんな、お咎めなしってレイナルド殿下は仰ったわ」


お父様の一言に、はしたなくも大声で抗議する。

もしかして、この男が?振り向いて殿下を見る。


「私ではない、侯爵の意見だ」

殿下は肩をすくめる。


「エレノア、これは父からの罰と心得よ。法務を預かるヴァルト侯爵家の立場を鑑みれば、それでも甘い!もっと辛い罰を考えたが、殿下が酌量してくだされた。慎んで受けなさい」


「だってお父様、木箱の移動禁止は言われたけれど、それ以外は何もおっしゃってないでしょう、後付けは卑怯だわ」


「侯爵、木箱の移動とは?」

殿下が即反応、これはまずい。


「殿下、黙っておりましたが、愚娘は、あのダイシなる木箱に乗って王城から当家へ戻って参ったのです」


「ブハッ、ハッ」

オスカー様が吹き出す。


殿下が咳払いをし、口元に手をあて横をむいた。

何笑ってんのよ!


「王族の妃になる者のすることではございません。徹底的に躾けをし直さねば、家ではヌルいので、是非とも殿下に」

お父様、娘を売ったわね。


「侯爵、しかと賜った。ここまで放置していた私の責でもあるゆえ」

何言ってんのよ、殿下も。この世界の男どもは、もう!


そして私は、侯爵家の侍女のお仕着せ姿のまま、殿下が乗ってらした馬車に乗せられて、王城に連れ戻された。



⌘

王城、レイナルド私室。


「なぜですか、殿下」

今、私は必死でくいさがっている。


「ヴァルト侯爵家としての罰だそうだ。周りにも示しがつかぬと言うことで、法務大臣は秩序を守る立場でもある。だから諦めろ。今回は王家と侯爵家を巻き込んでいるので仕方あるまい」


「……」

お父様が決めた罰は、半年間、殿下の側仕え、つまり専属侍女になることだった。

王族の側近や側仕えは、高位貴族で固められる。オスカー様だって侯爵家次男だ。でも専属侍女って、ちょっと待ってよ。


更にもう一つ、とんでもない事が決まっていた。

これまで私のお部屋は客室に近い場所にあったのに、帰城後に与えられた部屋は、殿下の私室の隣、つまり婚姻後の王子妃が使う場所だった。


「これはまずいです」

「何がまずい、母上が安心できるようにと、急いで整えてくださった、婚約者なのだから別に構わない、王妃様のお気持ちを受けられぬと」

「……い、いえ、慎んで、オウケオタシマス」

みんな何考えてるの?


「でも」

「まだ何か」


今言わないと。

「婚約者としてお部屋は賜ります。なのに侍女とは」


「それとこれは別だ。部屋を決めたのは王妃様、罰を決めたのは侯爵家」

ああ、もうぶ〜たれてきた。

お父様の意地悪。


「エレノア」

「なんでしょうか」

「着替えの時間だ、手伝え」

私は周りを見渡した。


「何をしている」

「他の侍女たちは?殿下付きは三名はいましたよね」

「エレノアがついてくれるので、一旦母上のところに戻した」

「はい???」

「二人の時間を大事にしたいと言ったのでな、母上はたいそう喜んでおられた」

何を言ってんのよ、きっと過労死するわ。


どうにも何にも聞いてもらえそうにない。


殿下が騎士団総帥の騎士服のボタン外し始める。

こう言う部屋の作りはどこも同じ。

お部屋着の時間だから、見当をつけて巨大なクローゼットから、トラウザーズとブラウスその他を出して木製の衣装盆に入れて準備をする。


振り返って、動けない。いや、これ以上近づけない。

殿下が下着まで脱ごうとしている。


「殿下、待ってください」

「何を待つ、早く着替えを」

「殿下、殿下付きの侍女はいつもこんな事を?」


「当たり前だろう。お前だってそうやって着替えをしているのでは。何を恥ずかしがっている」


「わたくしは女性同士ですから」


半分目を瞑って衣装盆を差し出そうとして、何かに躓いた。


「あっ!」

倒れ込んだ先は、殿下の腕の中。


もう嫌。殿下にがっしりと抱き止められる。


「ちょうどいい、エレノア」


な、なに?二人っきりで、何?

さっき侯爵家で囁かれた言葉が蘇る。

ちょっと待って。

近い、近い。

ドキドキしてくる。


「どうした、エレノア。首筋が紅い」

「っ」

殿下の胸元が、まるで壁、モゾモゾとする。


「動くな、つけにくい」

お願い離れて。心臓に悪い。


首筋にひんやりとした感触があり、カチリと小さな音がした。


「これでいい」

殿下が手を離すと、首元に小さなサファイア色の魔石が光っていた。

綺麗な色。


「これは私の魔力がないと外せない。居場所がわかる」

子供やペットのGPS?


「殿下、猫の鈴は無くても。私、もう逃げませんから」

「猫ならまだいい、あなたは木箱で逃亡する。次は箒に乗って空を飛びそうだ」


綺麗な石だと思った私がバカだった。


「エレノア?着替えはまだ終わっていない」


殿下の腕の中から飛び退いた。

これがずっと続くの?あと半年も?


「エレノア」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。