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ラーメンは依頼の後で  作者: マーたん


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7/11

依頼「子を守れ」

『ラーメンは依頼の後で』をお読みいただき、ありがとうございます。


第六話では、これまでとは少し違う、命と未来に向き合う依頼が描かれます。


突然の出来事に戸惑い、一人で悩み続ける少女。そんな彼女に寄り添い、支えることも便利屋の大切な仕事の一つです。


今回は、家族との絆や命の尊さ、そして「一人で抱え込まないこと」の大切さをテーマに物語が進んでいきます。


涼真と麗華が依頼人にどのように寄り添うのか、最後まで見届けていただければ幸いです。

第六話 依頼「子を守れ」


朝の商店街。


「今日は朝から静かですね。」


麗華が微笑む。


「こんな日もあるさ。」


涼真は店主・健蔵から受け取ったラーメンを前に箸を持つ。


「いただき──」


プルルルル……


「やっぱりか。」


店主は苦笑いした。


「行ってこい。」


涼真は頭を下げる。


「ラーメンは依頼の後で。」



依頼先は、小さな公園だった。


ベンチには制服姿の少女が一人座っている。


年齢は十七歳ほど。


不安そうにお腹へ手を添えていた。


「あなたが依頼人ですか?」


少女は小さく頷く。


「……はい。」


名前は美咲。


高校二年生だった。


「誰にも相談できなくて……。」


震える声で話し始める。


「私……赤ちゃんがいます。」


麗華は驚きながらも、美咲の手をそっと握った。


「怖かったよね。」


美咲は涙を流した。


「産みたい気持ちはあります。でも、家族に言えなくて……学校もどうしたらいいか分からなくて……。」


涼真は静かに話を聞いた。


「君が一人で抱え込む問題じゃない。」


「でも……。」


「まずは信頼できる大人と話そう。」



その日の午後。


美咲は勇気を出して母親と向き合った。


最初は驚き、言葉を失った母親だったが、やがて娘を抱きしめた。


「どうして一人で悩んでいたの……。」


美咲は泣き崩れる。


「怖かった……。」


母親も涙を流しながら言った。


「これから一緒に考えよう。」



その後、家族は病院を訪れ、医師や助産師、学校とも相談することになった。


涼真は病院の外で空を見上げる。


「少し安心しましたね。」


麗華も微笑む。


「守るって、戦うことだけじゃないんですね。」


「そう。」


涼真は頷いた。


「誰かが一人にならないように寄り添うことも、大切なんだ。」



帰り道。


麗華が小さく笑う。


「今日はラーメン、食べられそうですね。」


「そうだな。」


二人は「麺処 山岡」へ向かった。


店主は笑顔で迎える。


「今日はちゃんと食べられるな!」


「はい。」


熱々のラーメンが運ばれてくる。


「いただきます。」


湯気の向こうで、涼真は静かに思った。


「今日守れたのは、一つの命だけじゃない。未来への希望だった。」


店の外では夕日が街を優しく照らしていた。


――第七話へ続く。

第六話を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回の依頼は、物を探したり修理したりするものではなく、一人の少女が未来へ踏み出すための勇気を支える物語でした。


人生には、誰にも相談できず、一人で悩み続けてしまうことがあります。しかし、勇気を出して誰かに気持ちを伝えることで、新しい道が見えてくることもあります。


涼真と麗華は、答えを押しつけるのではなく、依頼人が自分で未来を選べるよう寄り添うことを選びました。その姿勢こそが、二人らしい便利屋のあり方なのかもしれません。


次回も、新たな依頼が二人を待っています。どんな出会いがあり、どんな笑顔を取り戻すことができるのか、ぜひお楽しみください。

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