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ラーメンは依頼の後で  作者: マーたん


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6/11

依頼「生徒会長を救え」

『ラーメンは依頼の後で』をお読みいただき、ありがとうございます。


第五話では、学園の文化祭を目前に倒れてしまった生徒会長を救うため、涼真と麗華が新たな依頼に挑みます。


一人で抱え込む責任の重さ、仲間を信じる勇気、そして支え合うことの大切さ――。


今回の物語では、人との絆が大きなテーマとなっています。


便利屋として、そしてバディーとして成長していく二人の活躍を、ぜひ最後までお楽しみください。

第五話 依頼「生徒会長を救え」


朝。


「麺処 山岡」の前で、涼真は熱々のラーメンを前に箸を持っていた。


「今日は誰にも邪魔されない。」


店主・健蔵が笑う。


「その言葉、何回聞いたかな。」


「今回は本当です。」


その瞬間。


プルルルル……


「……。」


店内が静まり返る。


「ほらな。」


健蔵の一言に、涼真は苦笑いしながら電話に出た。


「はい、便利屋・涼真サービスです。」


『至急、桜ヶ丘学園まで来てください!』


「何があったんですか?」


『生徒会長が大変なんです!』


「分かりました!」


涼真はラーメンを見つめ、小さく頭を下げた。


「また後で。」



桜ヶ丘学園。


生徒会室の前には、多くの生徒が集まっていた。


「どうしたんです?」


麗華が尋ねる。


副会長が焦った表情で答えた。


「文化祭まであと一週間なのに、生徒会長が倒れてしまったんです!」


「倒れた?」


「疲労が重なって、医師からしばらく休むようにと言われました。」


教室には沈んだ空気が流れる。


「文化祭は中止かな……。」


そんな声まで聞こえてきた。



病院。


涼真と麗華は、生徒会長・神崎蒼かんざき あおいのもとを訪れた。


蒼はベッドの上で苦笑していた。


「情けないですね。」


「無理をしすぎたんですね。」


涼真は椅子に座る。


「全部一人で抱え込んだでしょう。」


蒼は黙ったまま頷く。


「みんなに迷惑をかけたくなくて……。」


「でも、一人では限界があります。」


麗華も優しく微笑んだ。


「助けを求めることは、弱さじゃありません。」


蒼の目に涙が浮かぶ。


「ありがとうございます……。」



翌日。


涼真は全校生徒を体育館へ集めた。


「文化祭は、生徒会長一人のものじゃありません。」


静まり返る体育館。


「皆さん一人ひとりの文化祭です。」


生徒たちは顔を見合わせる。


「一緒に成功させませんか?」


一人の生徒が手を挙げた。


「僕、会場設営を手伝います!」


「私はポスターを作ります!」


「俺たちはステージ担当!」


次々と声が上がる。


やがて体育館中に拍手が響いた。



数日後。


文化祭当日。


校門には多くの来場者が訪れていた。


「成功ですね。」


麗華が笑う。


そこへ車椅子に乗った蒼が現れる。


「みんな……。」


生徒たちは拍手で迎えた。


「会長!」


「お疲れさまでした!」


蒼は涙ぐむ。


「ありがとう……。」



夕方。


文化祭は大成功のうちに幕を閉じた。


帰り道。


麗華が微笑む。


「今日は素敵な依頼でしたね。」


「ええ。」


涼真も笑う。


「人を救うって、体だけじゃない。」


「心も救えるんですね。」


その時。


グゥゥゥ……


二人のお腹が同時に鳴った。


顔を見合わせて笑う。


「今日はもう依頼はありませんよね?」


「たぶん。」


二人は「麺処 山岡」へ向かった。


店主・健蔵が大笑いする。


「今日は食べさせてやる!」


熱々のラーメンが運ばれてくる。


「いただきます!」


その一杯には、文化祭を守った達成感と、仲間たちの笑顔が詰まっていた。


しかし、店のテレビにはニュース速報が流れる。


「街で連続盗難事件発生――」


涼真はテレビを見つめる。


「次の依頼の予感がしますね。」


麗華も静かに頷いた。


二人の便利屋としての日々は、まだ始まったばかりだった。


――第六話へ続く。

五話を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


生徒会長を救う今回の依頼は、失くし物を探したり物を修理したりする依頼とは違い、「人の心」を支える物語となりました。


誰かを助けるためには、一人の力だけでは足りないことがあります。仲間を信じ、協力し合うことで、大きな困難も乗り越えられるのだと涼真たちは学びました。


麗華も少しずつ便利屋としての経験を積み、涼真とのバディーとして息の合った行動ができるようになっています。


そして、ようやく食べられるラーメンの一杯は、今日もまた格別な味でした。


次回は、新たな事件が二人を待ち受けます。便利屋として、そして最高のバディーとして活躍する二人に、ぜひご期待ください。

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