20.ダンジョンに挑戦! その十
森のダンジョンに出現するモンスターの、そのほとんどが弓矢での不意打ちに対して魅了が発動するようだった。
アンミィとサナティスが囮となってモンスターの注意を引き付け、私が木の陰から矢を放つ。そうすれば装備品は確実にゲットすることができ、後はその厳選をするという流れ。
「バリアの数値は高いほうがいいけれど、他にはどんなことを重視すればいいと思う?」
「リルは何を重視したい?」
サナティスにそう問い掛けられ、私は少し考えてみた。
装備には力の強さを高めたしする効果があるけれど、より強力なものとなると、扱いが難しかったりする。
例えば運転初心者が高級なスポーツカーに乗ったとして、そのポテンシャルをいかんなく発揮するのとができるかどうか。
もっと言えば、オートマチックの車しか運転しない人が、マニュアルの車を乗りこなすことができるかどうか。
この世界でも運転免許というものがあって、街中を走る際にはどうしても必要となる。検問があって、見せなければならないのだ。街以外の場所でなら、運転することはできるといえばできるのだけど。
一度試しに乗せてもらった時だったけれど、カーブをしたあとについついアクセルを踏みすぎてしまって、エンジン音が激しくなったびっくりしてしまったり。それを気をつけようと慎重になると、なかなかスピードにのれなかったり。
運転は難しい。そう思って仕方がない。
話を戻そう。故に、いきなり高すぎる能力のものを装備してしまうと、扱いに困るという話だ。
そのため、能力の高いものだけを確保するよりも、段階段階で刻んでいけるものを集めるのがいいと思う。
レベル一、レベル二、レベル三。自分の中でラベリングをして、それにあぶれたものを売却。そうして残ったものが、私にとって必要なものとなる。
なんて、結論付けたようになっているけれど、実際はまだ解答出来ていない。
何を重視すればいいのか。それが問題だ。
動作のスピードを高めるもの。力の強さを高めるもの。二者だったらどちらを選ぶのか。その答えを他人に求めてみたい気持ちがあるのだが、それを他人に託して、自分は満足することができるのだろうか。
素早さを上げておいたほうがいいよ。それを鵜呑みにしてその能力だけを集めていたら、あれ、モンスターを倒しづらいぞ? なんてことになったら後悔しか湧いてこない。
では、装備する箇所によって異なる能力を重視する? それは、器用貧乏になったりしない? そうやって不安になってしまえば、なかなかドロップした装備の整理が覚束ない。
だから結局、私はこう思うのだ。
「すべての能力が上がるような、そんな素敵な装備が私は欲しい」
「茨の道、やなぁ」
アンミィが呆れたように笑ってくれるけど、私はこんなとのろで妥協はしたくないのだ。背後から見つめる巨大なタマネギをサクッと倒すためにも、私はこの道を進む所存。
例え――若干飽きはじめていても。




