タイトル未定2026/10/12 22:01
浴室から流花が出て来て、リビングに入ってきた。
入れ違いに、マスターは浴室に行った。
台所では大門が、フライパンでお好み焼きを焼く準備をしていた。
流花は大門の隣に立ち、聞いてきた。
「何を作っているの?」
「お好み焼き。まさか、流花お姉ちゃんが来るとは思わなかった!急だったから、こんなのしか作れない」
「お好み焼き、好きよ」
言いながら流花は、棚からお皿を出して聞いてきた。
「よく、料理を作っているよね。料理好き?」
「好きって、言うかぁ。夕飯や七海の夜食を作るようになったら、いつの間にか料理をするようになった。七海が『美味しい』って言ってくれるのが嬉しい」
「そっかぁ。明日は、私が作るからね。大門君何が良い?」
「明日……友達と会う約束をしちゃった」
「そうよね……友達といる方が、楽しいよね」
「ごめんなさい」
「何、謝っているの!明日料理を作ったら、冷蔵庫に入れておくから食べてね」
「うん!お好み焼き、いい感じに焼けた!流花お姉ちゃん、お皿取って」
流花は大門にお皿を渡し、大門は焼いていたお好み焼きを上手にお皿に乗せた。
大門は次々にお好み焼きを焼き、流花はお好み焼きに、ソースとマヨネーズをつけ、青のりとかつお節をかけた。
人数分のお好み焼きがテーブルの上に並んだ頃、浴室から出てきたマスターがリビングに入ってきた。
「いい匂い!お祭りに来た気分だ」
言いながらマスターは、冷蔵庫から缶ビールを二本出した。
お好み焼きを出しながら、大門は驚きの声を上げた。
「えっ、七海。お祭りに、行ったことがあるの?」
「ありません」
マスターは澄まして言い、テーブル席に座った。
流花は人数分のお箸とグラスをテーブルに置いて、くすくす笑っていた。
テーブル席で横並びにマスターと流花が座り、テーブルを挟んだ向かいに大門が座った。
やがて、静かな時間が流れた。
マスターの空になったグラスに、流花はビールを注いだ。
お好み焼きを頬張る流花を、マスターが幸せそうに見つめていた。
お箸を手にしたまま、いつもと違った目で大門はマスターと流花を見つめていた。




