タイトル未定2026/10/12 22:00
マスターは自分のマンションに、流花を連れて行くと、何も知らなかった大門は流花を見るなり、喜びの声を上げた。
「流花お姉ちゃん!来てくれたのぉ」
大門の喜びように、流花はマスターに言った。
「私が来る事を、大門君に言っていなかったんですか?」
マスターは何も言わず、ニヤリと流花を見てから言った。
「先に、シャワーを浴びておいで」
少しマスターを睨んだ流花だったが、幸せそうな顔をしていた。
流花がいなくなると、大門は不服そうに言った。
「流花お姉ちゃんが来るって知っていたら、夜食の準備を早くからしていたのに」
「大門を、驚かせたかったんです。夜食何を作りますか?」
大門は、冷蔵庫を開けた。
「キャベツがあるし……お好み焼きを作ろうかな」
「良いですね。手伝います」
台所にマスターと大門は、横並びに立った。
大門はキャベツを刻み、マスターは豚肉を切っていた。
豚肉を切り終え、長芋の皮をピューラーで剥きながら、マスターは大門に聞いてきた。
「長距離は、これからも続けるんですか?」
「長距離は、中学で終わりにするよ」
マスターは驚いた表情を、大門に向けた。
そんなマスターに大門は気が付き、慌てて言った。
「中学で終わりにするけど、夜走るのはこれからも続けるよ」
「急に終わりにするって言うから、驚きました。走ること自体は、やめないんですね」
「うん、やめない。進学しても、陸上部には、入らないってだけ」
「何か、やりたいことがあるんですね」
キャベツを刻んでいた大門は、刻んだキャベツをボールに入れ、入れ終わった後、マスターを見つめた。
「やりたいことがあるから、陸上部には入らない。でも、今は進学することだけ考えている。やりたいことは、まだ言えないけど」
「三者面談の前に、教えてくれたんですね」
マスターの言葉に、大門は大きく頷いた。
「安心して。目指している高校は、マンションからでも通える学校だから」
まだまだ巣立って行かない大門を知り、マスターは心の底から喜んでいた。




