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タイトル未定2026/10/12 20:40

 ちはるは思い出したように、若菜に言った。

「シロと同じ大学に通って、同じ会社で働いている男が、シロに気があるんだって」

「そうなの?シロちゃん、モテるなぁ。ちはるさんは、なんでそんな事を知っているの?」

「新商品が出たから、馬場を待っている間観に行ったのよ。そこで、偶然シロの友達らしき二人が言っていたのを聞いたのよ」

「ただの友達だろ。シロちゃんが、マスター以外の男になびくわけないだろ」

 流花を信じきっているような口調で、馬場が言った。

 ビールを飲んだ、ちはるが言った。

「わかんないわよ〜。いくらマスターがかっこよくても、同世代の男にフラ〜っとなびくことだってあるんじゃないの?」

「シロちゃんに限って、そんなことはない!」

 言い合いをするちはると馬場に、慌てて若菜が入った。

「まぁ、まぁ。外野がとやかく言っても、こればかりはシロちゃんの問題だから!」

 いつまでも子供だと思っていた若菜が、正論を言い出したのでちはるは驚いたと同時に、少しだけショックを受けていた。

「スイ……何、余裕こいていんの。もしかして、男が出来た?」

「仕事でいっぱい、いっぱい。可愛い園児たちに囲まれて、癒やされています」

 若菜の言葉で、馬場が嬉しそうな声を上げた。

「そうかぁ。彼氏いないのかぁ!」

 テーブルの下で、ちはるに足蹴りをされた馬場の顔が歪んだ。

「お待たせしました」

 流花の声で、話題が途切れた。

 流花は押していたキャスター付きのワゴンから、ピザとソーセージの盛り合わせとポテトの盛り合わせとサラダをテーブルの上に置いた。

「それから……デザートです」

 流花は、馬場の目の前にデザートを置いた。

 デザートは、レア・チーズケーキだった。

「レモン風味のレア・チーズケーキです。濃い味の料理ばかりだから、サッパリとしたデザートにしました。って、たきさんが言っていました」

「さすが、たきさん!細かいお気遣いありがとう!」

 厨房の扉に向かって、馬場は声を張り上げた。

 空になったワゴンを、厨房に持っていった流花は、カウンターの中に入りマスターの隣に立った。

 ちはる達は、たきこが作った料理を食べ始めた。

 若菜は顔を上げ、カウンターの中で横並びに立っている、マスターと流花を見つめた。

「シロちゃん、本当にマスターの彼女になっちゃったんだ」

「ショック?」

 ちはるが、聞いてきた。

「う〜ん……マスターの彼女が、シロちゃんで良かった!本当に、そう思う。でも……ちょっと悔しくて、羨ましい」

「スイもかぁ……変な女がくっつくよりは、マスターの彼女がシロで良かった!でも、悔しいよね」

 目の前で女子トークが広がる中、馬場はたきこが作った料理を幸せそうに、黙々と食べていた。


 カウンターの中でマスターと流花は、横並びに立ってグラスを吹いていた。

 マスターと流花を見ていたボスは、二人が薬指に付けているペアリングに気が付いた。

「もしかしてマスター、流花ちゃんと付き合っている?」

 マスターは何も答えず、静かに微笑むだけだった。

「なんだぁ。そうだったのかぁ」

 少し、がっかりしてボスは言った。

 そう言ったボスは、追加のお酒をマスターにオーダーした。

 マスターが追加のお酒を用意していた時、カウンターを挟んで流花とボスの二人きりになった。

「流花ちゃん、マスターと付き合っていたんだね」

「黙っていて、すみません」

「謝らくて、良いんだよ。流花ちゃんのファンを継続しながら、流花ちゃんとマスターを見守るよ」

 ボスの優しい言葉に、流花に笑顔が溢れた。

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