タイトル未定2026/10/12 20:37
しばらくするともえは、大盛りのチャーハンと水が入ったピッチャーとコップを、流花が座っていたテーブル席に置いた。
チャハーンを幸せそうに見つめた流花は、両手を合わせた。
「いただきます!」
れんげを持ち、流花はチャーハンを食べだした。
もえはテーブルをはさんだ、流花の目 の前に座った。
「ホント気持ちが良い、食べっぷりだわ」
一気に大盛りチャハーンを半分ほど食べた流花は、ピッチャーに入っていた水をコップに入れ、ゆっくり飲み息をついた。
「もえさん。美味しいです。幸せすぎます」
「そう、良かったわ。流花ちゃんが、幸せならアタシは、嬉しい」
残りのチャーハンを流花はゆっくり食べた。
そんな流花を見ながら、もえは流花に聞いた。
「彼氏とケンカでもした?」
ゆっくりチャーハンを食べていた流花は、れんげを皿の隅に置き、顔を上げた。
「ケンカ……?まさか」
「そうぉ?」
コップに入っていた水を飲み干してから、流花は突然切り出した。
「中学生の時、母親が連れてきた店の客の男に、乱暴されかかったことがあった」
流花の話を聞いた途端、もえは泣きそうな顔になった。
「本当に?」
「すぐ、逃げ出したから大丈夫」
「良かった!お母さんが、連れてきたんでしょ。お母さんは、とめなかったの?」
「酔い潰れて、寝ていたから」
流花の言葉に、もえは口をポカリと開けていた。
「そのことがトラウマになって、男性を凄く毛嫌いしていた。と言うか、男性なんて皆そんなものなんだと思い、ある意味男性を見下していた」
「そんな辛い思いをしたんだから、男性に対して毛嫌いをするのは当然よ!」
「マスターに初めて会った時は、素敵な男性だなって思ったけど、男なんて皆同じと冷めた目でマスターを見ていた」
「今じゃ、そのマスターに夢中なのね。トラウマから、やっと解放されたのね」
もえは、保護者のように優しく言った。
「あれ、なんでこんな話をしたんだろ?」
「仕事で疲れて、つい忘れていた記憶を思い出したのね」
もえはやさしく言い、流花は照れ隠しをするように、残りのチャーハンを食べだした。




