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タイトル未定2026/10/12 20:35

 流されるまま、田中とキスをした流花は田中から離れると思いきり駆け出した。

 息が切れそうなほど走った後、大きなカバンの中から携帯を取り出しマスターに電話をかけた。

 マスターが電話に出たものの、マスターは慌てたように電話を切った。

 こんなことは、初めてだった。

 ……マスターに、何かあったの?……。

 携帯を大きなカバンにしまった流花は、先程田中とキスをしたことを思い出していた。

 それを振り切るように、足早に歩きだした。

 流花が向かった場所は、路地裏にある小さな中華屋だった。

 店にはのれんが出ていたので、流花はホッとして、店の中に入って行った。

 店内には客がおらず、厨房から食器を洗う音だけが聞こえた。

 食器を洗う音が止まり、厨房からお腹が出た小太りの中年の店主のもえだ出てきた。

 疲れた表情をしていたもえだったが、流花を見た途端、花が開いたようにパーッと明るい表情に変わった。

「流花ちゃん!久しぶり〜」

「もえさん、ご無沙汰しています」

「なかなか来ないから、忘れられたと思ったじゃない」

「忘れませんよ」

「良かったわ!いつものを、作るわね」

 厨房に行こうとするもえを、流花は慌てて呼び止めた。

「もえさん!今日は、チャーハンだけで良いです」

 流花の言葉に、もえは驚いて振り返った。

「チャーハンだけ……?大食いの流花ちゃんが?何かあったの?」

「大食いだなんて、失礼だなぁ。否定できないけど。あっ、冷酒もお願いします」

 明るく言う流花を、もえはじっと見つめた。

「……流花ちゃん。何か、あったのね……。良いわ!流花ちゃんが話すまで、何も聞かない。でも、冷酒はチャーハンの後に出すわね。空きっ腹にお酒は、体に悪いから」

 そう言ったもえは、外に出るとのれんをしまい、厨房に入って行った。

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