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鬼姫様が征く異世界道中記~地獄の沙汰も金次第だが、私にも慈悲はあるぞ。  作者: あまのやぎ
第1章~鬼姫様、異世界に!
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チート野郎!

キサラは、綺麗とか凛とした美しさとか、氷の微笑とかの表現をされる「美少女」です。

「……はい?」

「何でも、魔王封印は、数年前に成功したらしいけど、最近、魔王復活を企む存在が居るみたいで、本来なら、魔王を封印した者にやって貰う筈だったらしいのよ。

 でも、本人の意思を尊重して(たの)めない為に、私にお鉢が廻ったみたい。

 因みに、何故、異世界の事で地獄の鬼である私になったかと言うとね、この世界の創造神は、最初から救援を日本にする事は決めていたらしいけど、創造神は創造神の方で色々と有ったみたいで、そんな時に、使いの女神が私の天国への留学願いが目に止まったみたいで、総合的な強さと適応力を持っている私が選ばれた訳よ。」

「……頭痛がするが分かった。ちょっと確認をする。

 ……マジかよ! ……一言ぐらい……確かに言ったが……分かった。」

「誰と話していたの?」

「……この世界の創造神。」

「チート野郎!」

「何故、その言葉を知っている!」

「……ソーマ。幾らなんでも、地獄の文明文化が、江戸時代で止まっていると思ってないわよね!」

「……そうだな。何か済まない。」

「だから、悪即斬、黒の剣士、ビリビリ、大口ゴリラ。」

「……それは!?」

「当然。その方面も、ね。それでソーマは?」

「分かった。まあ、良くある異世界転生で、黒い会社からの帰り道での陸橋で自殺しようとした、多分高校生ぐらいの女の子を助けようとして、結果、代わりに俺が落ちて……だな。」

「……これまた、運命の悪戯ね。」

「……俺もそう思うよ。因みに、その時の女の子は、今では明るくなって元気に過ごしているみたいだ。」

「さて、ソーマ。そういう訳だから、暫くは『腐れ縁』になったわね。」

「……分かった。年齢ではなく、経験者という意味で、キサラ姫をエスコートさせて頂きます。」

「ええ、よろしくね、ソーマ。」


 ……と、互いの立場を確認した所で、ソーマと何件かの店を廻り必要な物を購入したわ。


 そして、時間が来たから冒険者ギルドに行ったのだけど、居たのは前世ではよく見掛けた空気を醸し出す連中だった。


「ソーマとキサラだな?」

「ああ。そっちは?」

「依頼を受けたBランク冒険者チームの『黒牙(くろきば)』だ。」

「それじゃあ、案内を頼む。」

「分かった。」


 移動そのものは順調に進んでいるけど、黒牙の連中の「色」に狂った視線を我慢するのも限界が近いわね。


 ……連中は、私の事をどう聞いたのかしら?


 ソーマの女? ソーマが付き添いをしているだけの女?


 ……う~ん。


 書物に出てくるテンプレだと、私としては処理が楽だから、動くのならオーガ共の鏖殺(おうさつ)が済んだ後に行動に移して欲しい所よね。


 私の希望が天に届いたのか、何事も無く私達はオーガの集落に到着したのだった。


「オレ達の依頼は、これで半分終わった。此処で待っているから済んだら言ってくれ。」

「分かった。」

「それと、女はオレ達が見ててやるよ。」

「その必要は無いわ。」

「ああ、そうだな。」

「何故だ?」

「確かに、依頼を受けたのはソーマだけど、討伐を行うのは私だからよ。」

「……無茶だ!」

「そうだ!」

「死にてえのか!」

「心配は無用よ。行きましょう、ソーマ。」

「ああ。」


 私達は、無駄に吠えている連中を無視してオーガの集落に向かった。

 命が惜しく巻き込まれを恐れたのか、私達を視認出来る所から少し離れたみたいね。


「ソーマ。」

「何だ、キサラ。」

「ソーマには、私の『力』の一端を見せようと思って。」

「……何をするつもりだ?」

「まあ、見てて。……召喚! 前鬼! 後鬼!」

「……へ!?」

「兄上や姉上が、私が異世界に行くと知ったら、色々と戴いたのよ。」

「「キサラ姫。」」

「命令よ。前鬼は、逃げ出した者を殺せ。後鬼は、私への背後からの襲撃の足止めよ。」

「分かったぜ、キサラ姫。」

「畏まりました、キサラ姫。」

「……」

「行きましょう、ソーマ。」

「あ、ああ。」

「それと、殺す時は、一撃必殺のみよ。」

「「はっ!」」


 ……そして、私の蹂躙の時間が始まった。


「あはははははは! どうしたの? 抵抗しないと殺されるだけよ!」

「……Gaaaa……」


 雑魚からジェネラルオーガに、ブルーオーガまで、全てのオーガを斬殺して、召喚した前鬼と後鬼を返還して、事後処理をしていると、何故か、黒牙の連中が来た。


「終わったみてぇだな……ひぃ!」

「どうしたの?」

「ち、血が!」

「ん? ああ! 洗浄(クリーン)。」

「キサラ、こっちは終わったぞ。」

「ええ、ありがとう。」

「あ、あんた、血が……」

「ああ。俺は見学していたからな。」


 ソーマには、捕らわれた人や遺留品が無いかを見て貰っていたのだけど、無かったみたいね。


 ……それにしても、仮にもBランク冒険者チームの割には、えらくビビっていたわね。

 モンスター討伐で全身の血化粧なんて普通でしょうに。


 こうして、私達の事後処理が終わって帰り、冒険者ギルドに依頼完了の報告等も終わり、報酬も貰った事だし、一応義理で黒牙にも酒の席を誘ったが断られたわ。


 依頼完了と休暇を兼ねて3日間、のんびりしてソーマと一緒に冒険者ギルドに行くと、私達が入って周りが「私」を確認した瞬間に、ギルド内を静寂が支配した。

 そして、聞こえてくる周りからの「鬼姫(おにひめ)」という名称が聞こえていたわ。




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


キサラは、嬉々として返り血を浴びながら、オーガ共を斬殺していきました。

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