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第6話 イブの夜の非常ベル

12月は、東京湾から内陸へと吹き込む骨を刺すような寒風とともに東京の扉を叩いた。街中の葉を落とした街路樹は、何万ものきらめくLEDライトを身にまとい始めた。ここはフユカの季節——「冬の花」の季節だ。

あの石のベンチでの秋の夜以来、時間は穏やかで甘いリズムに乗って流れていった。初冬の数週間を通して、ハルトとフユカは数え切れないほどのロマンチックな場面を作り上げ、九度の輪廻を旅する者の魂の空白をゆっくりと埋めていった。

それは、横浜赤レンガ倉庫のクリスマスマーケットでの週末の夜のことだった。シナモンとホットワインの香りが漂う中、ハルトは焼きソーセージを二人分買うために列に並んでいた。遠くから、ガラスのオーナメントを売る屋台の温かいオレンジ色の光の下で待つフユカを静かに見つめていた。彼女はクリーム色のウールのコートを着て、両手をポケットの奥深くに隠し、吐き出す息はふわふわとした真っ白な煙の塊になっていた。

フユカのすぐ隣では、老夫婦が手をつなぎ、微笑みながら商品を選んでいた。揺らめく黄色い光の下にある彼らの白髪の姿が、突然ハルトの心に強く打ち付けられた。何世紀にもわたる苦難、痛みを伴う人違い、突然の孤独な死……結局のところ、彼が最も渇望していたのは、こんなありふれた夜を、愛する人と手をつないで人生の最後まで歩いていくことだけだったのだ。そして、フユカが振り向き、輝くような笑顔で手を振って彼の名前を呼んだ時、ハルトは彼女こそが、その平穏な絵を完成させる最後のピースだと確信した。

あるいは、雪がちらつく浅草寺の午後、二人が一本の透明な傘に相合い傘をした時のことだ。ハルトは意図的に傘をフユカの方へ傾け、自分のトレンチコートの片方の肩がずぶ濡れになって凍えようとも気にしなかった。それに気づいたフユカは彼の袖をそっと引き、背伸びをしてハンカチで彼の肩に溶けかかった雪の結晶を丁寧に拭き取ってくれた。彼女の優しさ、細やかさ、そして従順さは鎮静剤のように、八度の苦難で血を流した傷をゆっくりと和らげていった。フユカはいつもそこにいて、死角のない完璧な存在だった。

しかし現実の世界では、彼のロマンスは「ナツミ」という名の障害物によって常に挑戦を受けていた。

午後8時のオフィス内。外の気温は2度まで下がっていた。ハルトは年末プロジェクトの最後のデザインデータを仕上げており、三晩連続の徹夜で頭は弓の弦のように張り詰めていた。そこへ、巨大な黒い影が現れ、視界を遮った。

ナツミは顔の半分を隠すほど巨大な真っ赤なマフラーを巻き、睨みつける目だけを覗かせていた。彼女はクマのように膨らんだダウンジャケットを着て、インターンのデスクから強奪してきたミニヒーターを両手で抱え込んでいた。

「ハルト!今すぐ部屋のエアコンを28度に下げなさいよ!手足が凍りついて取れそうじゃない!」ナツミは鼻声で怒鳴りつけた。

「こっちはワイシャツ一枚で汗だくなんだよ、おばさん!」ハルトは顔をしかめ、自分の額を指差した。「サーバールームは冷やさなきゃいけないんだ。会社のデータを丸焼きにする気か?寒いならもっと着込め!」

「あんたには人の心がないの?!この冷血漢、前世は人間じゃなくてガス漏れしたエアコンだったに違いないわ!」ナツミは地団駄を踏み、ハルトの椅子の脚を思い切り蹴りつけると、ヒーターを抱えて自分の席に戻り、ブラック企業をブツブツと呪い始めた。

ハルトはふくらはぎをさすり、苛立ちの息を吐いた。睡眠不足による頭痛が再び襲ってきた。本当に、東京で最も魅力のない女性の投票があれば、彼は喜んでナツミに10票投じるだろう。同僚という名の厄介事を脇に退け、彼は荷物をまとめ、黒いトレンチコートを羽織って会社を飛び出した。今夜はクリスマスイブだ。

六本木ヒルズの周辺は、並木に架けられた何万ものLEDライトが放つ、鮮やかなブルーの光の海に沈んでいた。雪がパラパラと降り始め、下界に薄いマントを被せ、遠い戦国時代の凍てつく空気を奇妙なほど再現していた。

フユカは時計塔の下に立っていた。いつものベージュのウールコートを着て、寒さで両頬をピンク色に染めている。疲れ果てた顔で息を切らして走ってくるハルトを見ると、彼女の瞳はパッと輝いた。

二人は光輝く通りの下を散歩し、ホットチョコレートを二杯買い、遠くでオレンジ色に輝く東京タワーを望む小さな展望台で足を止めた。雰囲気は親密で、騒がしい人混みの中の静寂だった。

ハルトは手すりに寄りかかり、白い息を吐き出した。会社での連日の激務による疲れを隠そうと努め、愛情に満ちた眼差しでフユカを振り返った。「年末の仕事が忙しくて、この一週間どこにも連れて行ってあげられなくてごめんね」

フユカは首を振った。ホットチョコレートを置き、彼に一歩近づいた。ニットの手袋をした彼女の柔らかい手が伸び、ハルトの目の下のクマとこけた頬にそっと触れた。そのあまりにも優しい仕草に、ハルトの体は少し硬直した。

「ハルトくんはいつも謝ってばかり」フユカは囁いた。その声は冬の風に消え入りそうだったが、彼の心の中にはっきりと響いた。「いつも全部自分で背負い込もうとする。雨の中で初めて会った時も、傘を譲ってくれた。ご飯を食べる時も、いつも払おうとする。私が嬉しいと、笑ってくれる。雪の中を歩く時も、私が濡れないようにいつも庇ってくれる。ハルトくんは…いつも前に立って私を守ってくれるけど、自分自身のことを忘れちゃってる」

ハルトは呆然とした。胸の中の生物学的な心臓が、一拍リズムを狂わせた。心の羅針盤を失って以来、これほど強い震えを感じたのは初めてだった。

「ハルトくんを見てると、一世紀分の疲れを肩に背負ってるみたい」フユカは小さく笑った。それは、魂の底まで見透かすような悲しい笑顔だった。青い電球の光が彼女の顔に反射し、輝かしくも儚く見えた。彼女は潤んだ瞳で彼を見上げた。「私が不器用で、臆病なのはわかってる。でもね、ハルトくん。いつも強いヒーローでいなくちゃいけないわけじゃないんだよ。もし疲れたら、仕事でくじけそうになったら…どうか、私を寄りかかる場所にして。あなたがいつも私を守ってくれたように、私もあなたをお世話したいの」

フユカの言葉の数々は、旅人の魂の中にある千年の氷山に真っ直ぐに滴り落ちる温かい水のようだった。彼は愛する人を追いかけ、守り、犠牲になるために八度の輪廻を費やしてきた。命を与えることに慣れすぎて、女の子に自分の痛みを抱きしめてもらう感覚を忘れていたのだ。今この瞬間、フユカは前世の容姿の破片と一致しているだけでなく、今の人生におけるハルトの疲労と孤独の極みにまで触れたのである。

フユカの肩が小刻みに震えた。涙が頬を伝い落ち始めた。「東京は広すぎるよ。あなたに会う前は、時々自分が風に吹き飛ばされそうなゴミみたいに思えた。他の人には帰る場所があるのに…私だけがないんだって。私を引き止めてくれて、ありがとう」

彼女の震える手が、ハンドバッグから小さな箱を取り出した。中にはスモーキーグレーのウールのマフラーが入っていた。編み目は少し不格好だったが、数え切れないほどの思いが込められていた。

「あなたのために編んだの…冬はとても寒いから、私がそばにいない時は、これが私の代わりにあなたを抱きしめてくれるように」

感情が爆発した。防衛の理性が崩れ去った。もはや疑いも、いかなる葛藤もなかった。すべてがあまりにも明白だった。苦難の者はついに、究極の平穏な安息の地を見つけたのだ。

ハルトは両腕を下ろし、そして突然フユカを力強く腕の中に引き寄せた。雪が降る中、彼女を自分の体に埋め込むかのようにきつく抱きしめた。フユカは背伸びをして彼の首に腕を回し、目をぎゅっと閉じた。二人の唇が重なった。まつ毛に積もった雪の結晶からの冷たいキスだったが、それは生命の極限の解放の炎をもたらした。

世界が回転を止めたようだった。遠くの教会の鐘がリズミカルに響いていた。キスが終わると、ハルトは彼女の涙に濡れた瞳を深く見つめ、胸を上下させた。九度の賭けは、今日正式に幕を下ろすのだ。彼は深呼吸をし、彼女を守るという契約を完了させるための、最後の誓いの言葉を口にする準備をした。

「フユカ…僕は…」

ジリリリリ! ジリリリリ!

耳障りなスマートフォンの着信音が、赤色警報のようなけたたましいメロディーを連続して響かせ、神聖で静寂な空気を真っ二つに切り裂いた。

ハルトはビクッとし、それを無視しようとして、フユカの腰をきつく抱きしめたまま言った。「僕は、僕たち——」

ジリリリリ! ジリリリリ! スマートフォンは爆発するかのように叫び続け、包み込むようなロマンスを打ち砕いた。

通行人たちが振り返り始めた。フユカは恥ずかしそうに半歩下がり、彼の首から手を離して小声で言った。「電話、出て。緊急の用事かもしれないから」

ハルトは歯を食いしばり、極度の苛立ちで額にシワを寄せた。彼はスマホを取り出した。白い雪の下で、画面には地獄からの呪いのような名前が点滅していた。ナツミ(緊急電話)。

彼は通話ボタンを押し、挑発された侍のように殺気を漂わせながら、歯の隙間から唸り声を上げた。「会社が火事じゃなかったら、てめえマジでぶっ殺すぞ——」

「ハルト!!!助けて!!」

ナツミの涙声で騒がしい声がスピーカーから爆音で響き、街の美しいクリスマスの音楽さえもかき消した。「クライアント用の古い装飾の小道具を探しに15階の倉庫に上がったら、ドアの鍵が壊れて閉じ込められちゃったの!忌々しいドアのラッチが引っかかってるのよ!ビルの管理人はみんな休みで帰っちゃったし、外から非常扉のロックを解除できるのは、あんたみたいなデザイン班長のカードキーだけなの!助けて!ここはヒーターもないし、凍え死にそう!クリスマスイブに浮遊霊になんかなりたくない!!」

ハルトは絶句した。口に出そうとしていた「愛してる」という言葉は喉の奥に逆流し、苦々しく詰まった。

彼は雪の中でポツンと立ち尽くし、戸惑いで目を丸くしているフユカを見つめ、そして再び電話越しの犬猿の仲の同僚の騒々しい泣き声を聞いた。怒りが激しく燃え上がったが、一般人としての責任感が、クリスマスイブの夜に同僚を倉庫で凍死させることを許さなかった。

造物主は再び、その残酷な嘲笑を証明してみせた。千年の因縁が解けようとするその入り口で、ナツミはこれ以上ないほど露骨で馬鹿げたトラブルによって、彼の人生で最も神聖な瞬間を見事に打ち砕くことに成功したのである。


お読みいただきありがとうございます!

次話は明日19時20分に更新します。


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