第4話 百二十年の孤独と、最後の賭け
チヨおばあちゃんの額に落とされた軽いキスが、一つの悲劇的な章を閉じたが、運命の残酷さはそこでは終わらなかった。輪廻のシステムは、カイトが速やかに次の賭けに進めるような慈悲深い死を与えはしなかった。彼に生きることを強要したのだ。
そして、記憶を抱え続けることを。
親族は次々とこの世を去った。同世代の友人たちも一人、また一人と旅立っていった。チヨおばあちゃんがかつて入居していた老人ホームは取り壊され、高層マンション群へと姿を変えた。カイトはまだ生きていた。彼の肉体はゆっくりと老い、這いつくばるようにして、奇怪なほどしぶとく存在し続けた。彼は90歳になり、やがて100歳を迎えた。医師たちは驚愕し、彼を医学の奇跡と呼んだ。しかし当の彼は、カビの匂いが充満するアパートのシングルベッドで膝を抱えながら、この不死がただの「引き伸ばされた死刑判決」に過ぎないと感じていた。おそらくこれもゲームの一部なのだろう。生きる目的を失った者の寿命を引き延ばし、彼をさらなる虚無のどん底へ沈めるための。
カイトは120歳まで生きた。チヨが目を閉じた日から、およそ一世紀という途方もない時間が這うように過ぎ去った。3回目の人生で、大富豪レオが絶望の中にも毎日目覚めるたびに「探す」という希望に突き動かされていたとすれば、この8回目の人生は完璧な心理的拷問だった。カイトは自分がすでに彼女を見つけていたことをはっきりと知っており、彼女がすでに虚無へと消え去ったこともはっきりと知っており、自分の肉体に浮かび上がるシミの数を数える以外に何もできないこともはっきりと知っていた。空っぽの空間に100年間閉じ込められ、誰も愛せず、忘れることもできず、ただ毎晩、壊れた羅針盤が胸を掻きむしるだけだった。
命の終末が近づく日々、老いぼれたカイトはもはや自力で動くこともできなくなっていた。彼はベッドに寝たきりとなり、濁った目でシミだらけの天井をじっと見つめていた。彼の呼吸は、今にも切れそうな腐った糸のように細かった。
迫り来る死の譫妄の中、老人の周囲の空間がゆっくりと歪み始めた。アパートのひび割れた壁が薄れ、無限の世界の濃密な静寂がそれに取って代わった。通りを走る機械の騒音も消え失せた。ベッドの隅に、いつの間にか黒檀の肘掛け椅子が出現していた。
その椅子の上には、燃え盛る赤い光の輪が君臨していた。静寂で、威厳に満ち、そして無感情に——神が自ら、腐りかけた魂の欠片を回収しにやって来たのだ。
老いたカイトは驚かなかった。恐怖を示すために顔の筋肉を動かす気さえ起きなかった。一世紀にわたる腐敗した静寂は、冷酷な怒りへと結晶化し、戦国の侍の殺気のように濃密になっていた。
「ご自身の傑作を見物しに来たのですか?」老人の声は嗄れ、途切れ途切れになりながらも、現実と幻の狭間にある部屋に響き渡った。
赤い光の輪が微かに明滅した。重く鈍い響きが、カイトの脳裏に直接伝わってきた。
「お前は八度の人生を使い果たした。輪廻の忍耐も無限ではないぞ、定命の者よ」
カイトはわずかに口角を上げた。苦渋に満ちた、惨めなほどに引き裂かれた笑みだった。
「忍耐だと?」老人は空咳をし、乾ききった唇の端から血の泡を滲ませた。「これが忍耐だとおっしゃるのですか?あなたは永遠を握っている。だからあなたにとっての一世紀など、瞬き一つに過ぎないでしょう。ですが、腐りゆく肉体に100年間閉じ込められ、呼吸を強いられ、愛する人が永遠に消え去ったと知りながら過ぎゆく日々を数え続けることが……どれほど残酷なことか、おわかりですか?」
カミは沈黙したままだった。決して揺らぐことのない絶対的な沈黙。
一世紀にわたって抑圧されてきたカイトの怒りが爆発した。騒々しく叫ぶのではなく、刃のように冷たく鋭く。
「私は傲慢でした。あなたが私に八度の苦難を与えたことも、喜んで甘んじて受け入れます。しかし、彼女が一体何をしたというのですか?彼女の善良さが、彼女の笑顔が、なぜ人質にされ、私を教え諭すための罰にされなければならないのですか?あなたが本当に至高の存在であるなら、私の命を使って賭けをしなさい。無実の少女の青春と魂を、二度とあなたの慰み者にしないでいただきたい」
「すべての契約には代償が伴う。傲慢な者は、宇宙の秩序の前に頭を垂れることを学ばねばならない」無感情な声が、氷のように冷たく響いた。
「秩序だと?」カイトは最後の生命力を振り絞り、燃え盛る赤い光を真っ直ぐに睨みつけた。「この冗談は度が過ぎています。あなたは私を、愛することを許されない兄に変え……私を野良犬の体に投げ込み……五大陸に私を放り投げた。そして住所を与え、愛する人が老いてボケていく姿を見つめるために私の青春を使い果たさせ、最後にこの世でさらに一世紀、私を一人きりで放置した!人間の弱さを無限の試練に変えること……それが神の慈悲だとでも言うのですか?」
肘掛け椅子の上の光の輪が微かに揺れた。カミからの見えない重圧がカイトの胸にのしかかり、老人の呼吸は次第に途切れがちになった。それでも老人の目は見開き、一片の屈服すら見せなかった。
「あなたの力に挑むつもりはありません」心電図モニターが混沌としたジグザグを描き始める中、カイトは喘ぐように言った。「しかし、あなたが敷いた運命はもはや試練ではなく、生命への冒涜です。あなたが神であろうと、彼女の生きる権利と愛する権利をこんな馬鹿げた方法で奪うことだけは……私は絶対に許さない」
心電図のビープ音が激しく鳴り響いた。定命の魂が神を問いただすというプレッシャーにより、無限の世界が震え始めた。これが最後の賭けだ。もし九度の人生を使い果たしても彼女を守りきれず、彼女からの自発的な同意の頷きを得られなければ、彼女の魂は永遠に破壊される。ゲームは終焉に近づいており、彼の愛する人は絶対的な消滅の淵に立たされていた。
「九度目の人生では、公平なスタート地点を与えていただきたい」カイトの声はかすれ、虚無の中に一文字ずつ釘を打つように言った。「同じ空間、同じ時間、同じ年齢。最後の賭けをするというのなら、公平にプレイしていただきたい。さもなければ……彼女を待つ必要はない。今ここですぐに、私の魂を粉砕しろ」
心電図モニターが耳障りな音を立てた。一直線の線が現れた。百二十歳の老人の肉体は呼吸を止めた。
しかし、無限の世界は重い沈黙に沈んだ。二度目となる輪廻の機械の停止。愛する人の尊厳を取り戻そうとする、このあまりにも「人間的」な問いかけを前に、目に見えない実体でさえ考えを改めざるを得なかったようだ。目に見えないため息が空間に響き渡り、重々しい妥協を伴って、究極の生死の賭けへの扉を開いた。
「よかろう。公平な賭けを与えよう。今世では、お前たちが同じ年齢で生まれ変わり、近くの地域で暮らすように手配しよう……しかし覚えておけ。これが最後の機会だ」
燃え盛る赤い光の輪が何万もの真っ白な光の粒に砕け散り、カイトの魂を渦巻く時間のトンネルへと飲み込んでいった。
真っ白な光の粒が目を眩ませるほど激しく渦を巻き、そして突然凝縮すると、透明なガラステーブルに反射する蛍光灯のまばゆい光へと変わった。エスプレッソマシンの騒々しい音が、無限の世界の静寂を引き裂いた。
2024年秋、日本、東京。
少し無造作な黒髪の25歳の青年、ハルトはハッとして瞬きをした。脳裏に流れ込んできた長く続く夢のめまいから、彼は無意識に左胸をさすった。カフェのガラス窓の外では、イチョウの鮮やかな黄色い葉が風に揺れ、行き交う人々が騒がしい渋谷の交差点を足早に過ぎ去っていく。
「ハルトくん?コーヒー、冷めちゃってますよ」
柔らかく上品な声が響き、彼を現実へと引き戻した。ハルトは顔を上げた。向かいに座っているのはフユカ。儚く弱い美しさを持ち、薄手の白いセーターを着て、まるで冬の花のように控えめな笑顔を浮かべる女の子だった。彼女の澄んだ瞳には、どんな男にも守ってあげたいと思わせるような、どこか憂いを帯びた影があった。
ハルトは彼女を見つめ、無意識のうちに一ヶ月前の光景を頭の中で巻き戻した。コンビニの軒下で雨宿りをしているフユカに偶然出会った日。寒さに震える彼女の肩、耐え忍ぶような眼差し。もう知らせてくれる心の羅針盤はない——カミが前世でそれを回収したからだ。しかし、彼が傘を差し出そうと前に出たその瞬間、まったく別の息苦しいような痛みが彼の胸に込み上げ、何世紀にもわたる悲痛な思いを運んできたのだった。
それはまるで、遠い昔の吹雪の中で、背伸びをして彼に温かい上着を掛けてくれた、あの痩せ細った愛しい人のようだった。フユカの脆さは、その継ぎ接ぎの記憶と完璧に一致していた——カミが約束した通りだ。彼女の破片はまだそこにある。ただ、今は導いてくれる道具なしに、自分の肉眼でそれを見極めなければならないのだ。彼はカミが約束を守ったと固く信じていた。今回、彼らは同じ空間、同じ年齢にいる。
「ごめん、最近ちょっと寝不足で、ぼーっとしてた」ハルトは優しく微笑み、ナプキンを手に取って彼女のテーブルの水滴を拭いてやった。
ブーッ… ブーッ…
ハルトの上着のポケットに入っていたスマートフォンが突然激しく振動し、ロマンチックな雰囲気を打ち砕いた。彼は顔をしかめてスマホを取り出した。画面にはLINEの通知が光り、送り主の名前がぶっきらぼうに表示されていた。ナツミ(企画部)。
『ちょっとあんた!コーヒー飲んでぼんやりしてないで、今日の午後3時提出のデザインラフ忘れないでよ!部長がもう唸り声上げてるんだから!早く戻ってきなさい!!!』という文字と共に、クマがフライパンを激しく叩いているスタンプが添えられていた。
ハルトはうんざりしたようにため息をつき、親指で素早く返信を打ち込んだ。「わかってるよ、口うるさいおばさん。今戻ってるところだ」
「会社のお仕事、急ぎですか?」フユカが瞬きをして、優しく尋ねた。
「ああ、何でもないよ」ハルトは微笑み、不要な厄介事を振り払うかのようにスマホを裏返してテーブルに置いた。「ただの口うるさい同僚さ。いつもハリネズミみたいに毛を逆立ててて、本当に面倒くさいんだ。君の優しさとは大違いだよ…」
フユカは少し頬を赤らめ、陶器のカップに向けて少しうつむいた。その恥じらうような姿を見て、ハルトの心はさらに決意を固めた。九度の誓いを背負う放浪の浪人は、一世紀にわたる苦難を代償にして手に入れた平穏に満足げに浸りながら、コーヒーを軽くかき混ぜた。最後の賭けが、正式に始まったのだ。
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