第2話 禁じられた兄、すれ違う港
残酷な運命の輪は、赤い雪の上の龍馬の最後の意識の欠片をすり潰した。彼は死刑を恐れてはいなかった。無意識の世界で唯一燃え盛っていたのは、その痩せ細った両手を自らの手で温め、堂々と愛を告げたいという渇望だけだった。戦国時代の最後の雪の結晶が水に溶けると、それは蒸発し、濃密な霧となって、17世紀初頭のイギリスの石畳の通りにポツポツと降り注いだ。
アーサーは壮麗な邸宅で育ち、男爵の称号を持っていたが、彼の全存在を決定づけていたのは奇妙な心臓病だった。最初の鋭い痛みが襲ったのは、7歳のアーサーが、生まれたばかりの実の妹の顔を見るためにゆりかごに忍び寄った時だった。エレノアの小さな指が彼の手に触れた瞬間、アーサーの胸は激しく痙攣し、前世からの悲痛な電流が彼の脳裏に直接流れ込んだ。運命は残酷な平手打ちを食らわせたのだ。「苦悶の羅針盤」を生誕と同時に彼の胸に直接埋め込みながら、二人の関係を「血統」という名の禁忌の檻に閉じ込めたのである。
その絆は、普通の家族愛よりも強烈で深いものだったが、彼は決してそれを「愛」と解釈することは許されなかった。エレノアが18歳になり、栗色の髪を持つ少女がまばゆいほど美しく成長した時、ついに一族のガラスの檻は、隠しきれない感情の奔流によってひび割れ始めた。
どんよりとした秋の太陽がロンドンの霧を抜け、真っ白なリネンのクロスが敷かれたダイニングテーブルに青白い光を投げかけていた。朝食は息苦しい沈黙の中で進んだ。エレノアは微笑み、銀のトングでバターを塗ったビスケットを一つ挟み、彼の皿へと押しやった。
「アーサー兄様、お疲れのようですね。また書斎で徹夜されたのですか?」彼女の声は澄み切って、よく通った。
彼女の細い指が皿の縁に軽く触れた瞬間、アーサーの胸に電流が走った。羅針盤が激しい痛みと共に一拍脈打った。前世からの見えない槍が再び心臓を貫いたかのようだった。彼は顔を上げ、その静かな瞳を深く見つめた。九度の人生の契約が食道を掻きむしり、この大人の男に、二人を解放するための運命の言葉を口にするよう急き立てた。
「私は…」アーサーの声は嗄れ、目は血走っていた。バターナイフを握る手は白くなるほど強く握りしめられていた。「…愛して…」
「はい?」エレノアは瞬きをし、完全に無邪気で純真な様子で首を傾げて待っていた。
英国貴族としての理性が、放浪の浪人の魂にビンタを食らわせた。告白は喉の奥で握りつぶされ、歯の間から滑り出たのは、惨めなほど不自然な言葉だった。「…私のスケジュールのことは気にしないでくれと頼んでいるんだ。今夜の舞踏会のドレスの仕立てに集中しなさい。ありがとう、妹よ」
別の次元にいる観客が見ていたら、血に飢えた侍の魂が今やこれほどまでに耐え忍ばなければならない姿に、間違いなく腹を抱えて笑っただろう。彼はロンドン中のバラを買い占めるために金をばらまいた。彼女の部屋のドアの前に一本の花束も届けさせないために。エレノアにダンスを申し込もうとする若い貴族がいれば、殺気立った視線で脅しつけた。自分が狂おしいほど嫉妬していること、それでも倫理道徳に固執して自分を誤魔化し続けていることは、彼自身しか知らなかった。
その無力感の頂点は、エレノアが22歳になった秋に訪れた。礼拝堂の暗がりから、彼女が見知らぬ男と腕を組み、華麗に歩く姿を見つめながら、彼の全身の細胞は花嫁を奪い去れと叫んでいたが、両足はそこから動けなかった。数年後、エレノアは重い病で亡くなった。アーサーはオーク材の棺のそばに崩れ落ち、巨大な恨みと虚無感を味わった。自分の内臓を掻きむしるようなこの感情を定義する、合法的な語彙を一つも持たないまま、彼は一生を終えた。
色あせた黄金色のオークの葉が窓辺に舞い落ち、男爵の消えゆく息を虚無へと運んでいった。その葉が地面に触れた時、輪廻の輪は回転し、それは一枚の紙幣へと姿を変え、17世紀後半のまだ若いアメリカ、新大陸で最も賑やかな港町へと変貌しつつあったニューヨークの街角をヒラヒラと舞っていた。
レオは生まれながらにして交渉の天才であり、瞬く間に東海岸で最も影響力のある商人へと上り詰めた。巨万の富を手にした彼は、自分の人生を人類史上最も狂気じみた宇宙規模の「かくれんぼ」に変えた。
運命の残酷な悪戯は、彼が方向音痴であったことではなく、希望を締め殺すような幻覚の瞬間にあった。パリの中心、活気あふれるセーヌ川の港の夕暮れ時、霧が立ち込めていた。レオは一等船室から降り立ったばかりだった。慌ただしい群衆の中、グレーのスカートが街灯の角を横切った。かすかな木蓮の香りが鼻先をかすめた。それは、あの年の谷の朝霧と全く同じ香りだった。
レオの心臓は、ざわめくように軽く震えた。羅針盤の激しい収縮と呼べるほど暴力的ではなかったが、限界まで飢え渇いた魂を掻きむしるには十分だった。
「ユキ!」レオは叫び、莫大な額の契約書が入った革の鞄を、ひび割れたレンガの床に放り投げた。
億万長者は狂ったように群衆をかき分け、上品な貴婦人たちさえも突き飛ばした。彼は飛びかかり、グレーのスカートの女の肩を掴もうと手を伸ばした。
「ユキ、ついに俺は…」
女が振り返った。それは完全に顔なじみのない、パニックと警戒心に満ちた顔だった。あの聞き慣れた指を叩く音はない。あの包み込むような静寂もなかった。
「人違いですわ、あなた」彼女は鋭い声で言い放ち、後ずさりすると、南へ向かう馬車へと急ぎ足で立ち去った。
レオの心臓は沈み、空っぽになった。先ほどの震えは、絶望しすぎた男の幻覚に過ぎなかった。最も残酷な真実はこうだ。レオがパリで幻影を追いかけて群衆をかき分けたまさにその瞬間、本当の彼女は、彼から地球の裏側にある騒がしい上海の港に立っていたのである。
青春は過ぎ去った。髪は白髪交じりになった。大陸に散らばる多民族の何百万もの人々の中で、運命は二人を、逆風に吹かれる二粒の砂のようにすれ違わせた。晩年、老いた億万長者は人でごった返すニューヨークの港で車椅子に座り、濁った目で通り過ぎる人々の顔を一つ一つ見回していた。彼は雪の降る午後に息を引き取った。苦悶の羅針盤が一度も本当に脈打つことのなかった、恐ろしいほど平穏な心臓を抱えたまま。あの少女は、彼に一つの手がかりも残さず、彼の人生から静かに滑り落ちていったのだ。
老富豪の最後の息は空へと舞い上がり、どんよりとした雲に絡みつき、そして1718年の冬、天然痘の流行で大混乱に陥ったパリの施療院の、消毒液の匂いが立ち込める重い空気の中へと真っ直ぐに巻き込まれていった。
運命はレオの無言の呪詛を聞き入れたようだった。運命はもう彼に何万里も駆け巡らせることはせず、空間的には絶対的なまでに二人を接近させた。
同じみすぼらしい廊下で、二台の担架が慌ただしくすれ違った。運び出される担架には、飢えと寒さの末に息を引き取ったばかりの、真っ白なシーツを被せられた名もなき浮浪児の少女の遺体が乗せられていた。運び込まれる担架には、叫び声を上げながら出産しようとしている産婦が乗っていた。二つの担架の木枠がぶつかり合い、鈍い音を立てた。
二台の担架が並んだまさにその瞬間、産み落とされたばかりの男の赤ん坊が泣き声を上げ、その生まれたての心臓が突然激しく収縮した。羅針盤は至近距離で反応したが、二人の時間軸は完全に離れており、生存の重なりは正確に0%だった。男の赤ん坊ルイは、常に二度目の心臓の痛みを探し求める胸を抱えて成長したが、自分の心臓を鼓動させることができる唯一の人物が、自分が産声を上げたその瞬間に死体安置所へと押し込まれていたことなど、知る由もなかった。生と死の隔たりは、最も残酷なパラドックスを浮き彫りにした。触れられそうなほど近くにいたのに、一瞬たりとも同じ時間を共有することは永遠に許されなかったのだ。
二十歳で王の軍に徴兵され、異国の戦場で若くして倒れたルイの耳に最後に響いた軍鼓の音は次第に沈み込み、そして結晶化して、1775年プロイセン王国の病院に響く柱時計の冷たい振り子の音へと変わった。その魂の欠片は今や、トーマスという名の外科医になっていた。
ある嵐の午後、当時の医学では手におえない患者だけを集めた特別隔離病棟に足を踏み入れた時、トーマスはカルテを落とした。羅針盤が突然狂ったように痛み出し、彼はその場に崩れ落ちそうになった。彼はアンナを見つけたのだ。今度こそ、空間の隔たりもなく、時間のズレもなく、立ち塞がる禁断の血統もなかった。
しかし、トーマスがよろめきながらベッドの脇に歩み寄った時、神のブラックコメディは最も残酷などんでん返しを繰り出した。アンナはそこで微動だにせず、息も絶え絶えに横たわっていた。彼女の命は、修道女たちが毎日忍耐強く唇の隙間から流し込むスプーン数杯の薄い粥だけで辛うじて繋ぎ止められていた。謎の脳炎が彼女を原因不明の昏睡状態へと沈め、目は固く閉じられ、この世のいかなるものにも反応しなくなっていた。
生死の契約には明確に記されている。「告白し、彼女の意識的な同意の頷きを得なければならない」。トーマスは涙を飲み込み、医長としての特権を使って彼女を引き留め、病室を二人の小さな世界に変えた。数週間、数ヶ月、そして数年が過ぎた。夜になると、彼はベッドの端に顎を乗せ、彼女の冷たくなった手を握りしめ、何万回も懇願した。「愛しているよ、アンナ。お願いだ、指を動かすだけでもいい。ただ頷いてくれるだけでいいんだ…」
彼は戦国時代に喉の奥に詰まらせたあの言葉を口にした。しかし、その絶望的なまでの狂おしい愛への返答は、彼女の胸にそっと押し当てた耳に響く、規則的で無感情な鼓動だけだった。彼女には聞こえないし、応えることもできない。ましてや同意することなど不可能だった。15年が過ぎた。かつて若かった医師の髪には白いものが混じり、やつれ果てていたが、それでもベッドの脇に頑固にしがみついていた。
そして、ある冬の朝、アンナの胸に押し当てた彼の耳は、もうどんな鼓動も拾うことはなかった。その絶対的な静寂は、どんな死を告げるサイレンよりも恐ろしかった。アンナは一度も彼を見るために目を開けることなく、絶対的な静寂の中で息を引き取った。運命はあまりにも完璧な罠を仕掛けていた。彼に言葉を伝える機会を与え、待つために青春を搾り取っておきながら、相手の反応する能力を永遠に奪い去り、彼を完全に絶望的な悲劇へと突き落としてから、次の人生へと放り投げたのである。
お読みいただきありがとうございます!
次話は本日20時20分に更新します。




