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その乙女、機動要塞 ~転生女王は超文明で滅びゆく王国を救う~  作者: 星乃渚(旧:鈴片ひかり)


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その乙女、事後処理をこなすを編集

ここまで読んでいただきありがとうございます。


本作は「女王による国家運営」と「SF超文明」を組み合わせた戦記ファンタジーです。

内政、外交、巨大兵器、ロボット、戦争などがお好きな方に楽しんでいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 ◇


 捕縛した襲撃犯は合計11人に及んだ。

 ベルクトを始め、主だった者たちは捕縛されゼノの監視の元で徹底的な尋問が行われた。


 指示したのはリシュメアの中規模勢力を誇るジャマール商会で、後日軍が乗り込み関係者を逮捕しようとしたが、幹部クラスは全て逃走しており残務整理を押し付けられた一般事務員が呆けたように散乱した書類を拾い集めているところだったという。


 こうして闇組織関連はほぼ崩壊し、残された襲撃者たちはというと――


「働いてもらいましょう? 丁度リシュメア王国を支える下水道施設の掃除がそろそろ必要らしいの。


 毎日がんばって半年以上かかるらしいから、綺麗に出来たら釈放してあげてもいいわ」


 雇い主は逃げて放置された恨みもあったためか、掃除を半年という交換条件に襲撃者たちは死ぬよりましだと下水道掃除に同意した。


 もちろん契約を破棄すると死に至る刻印腕輪を装着してはいるが、食事はちゃん手配しており労働環境が想像以上にホワイトだったため、彼も徐々に真面目に働くようになったらしい。


 ベルクトについては、洗いざらい関係筋を自らゲロった。

「どうして話してくれる気になったの?」

「もうこの腕じゃ、そういう稼業はできやしねえ。俺は女王を殺そうとした。あんたの手でちゃんと始末をつけろ」


「もちろん、必要なら処刑するわ。子供奴隷を己の欲望のために凌虐の限りを尽くしていた奴らは即刻斬首したわ」


「それでいい。なんでも許すな、あんたが示した優しさはな、苛烈な部分の一側面であるべきだ。

 民衆は甘やかせばつけあがる。ほどよい緊張で治安を維持したいんだろう?」


「分かってるじゃない」


「俺にはわかる。あんたはただのお人好しな頭お花畑の善人じゃない。

 徹底的なまでのリアリスト。本質に慈愛の心を持っているのは分かるが、奴隷たちをすぐ王国の臨時職員として労働力にするとか、発想がやばい」


「褒めてもらっていると受け取ります」


「早く殺せ」


「……もったいない気がする。そうね、あなた、港町レヴァントで情報収集して私に報告なさい。できるなら帝国に潜り込んで情報を送ってちょうだい」


「は? 俺は女王を襲った大罪人だぞ。お前の守護騎士も傷つけた」


「俺ならピンピンしてるぜ」

「まあユナの嬢ちゃん、俺から頼むわ。こいつは昔は結構いい奴だったんだよ」

「うるせえガルド! てめえには言われたくねえ!」


「ゼノ、拘束を外して武器も返してあげて」


 カチャリ、刻印腕輪と拘束具が外される。


「また俺が寝首をかきに来るとは思わないのか?」

「自分はどうなってもいいから部下を助けてほしいと懇願する人は、なんというか使い道があると思うのよ。

 ということで、帝国の情報待ってるから。

 いい? 私のために働きなさい。

 ゼノ、支度金を渡すのを忘れないように」


「…… なんなんだあんたは」


 その後、ジャマール商会関連の帳簿から関係者を逮捕し公開裁判を実施したことでユナ女王の公平性が広く知られることになった。


 帝国軍を1人で追い返した勇敢な女王から、賢王との誉の呼び声高い 先々代アルシオン・リシュメアの再来として多くの国民から支持されていく。


 さらに男女ともに熱狂する者が多かったのは、ユナのその容姿とやっていることのギャップだった。

 幼少期から庶民とほぼ同じく育てられていたため、知っている者が多くそのおちゃめで優しい人柄が広く知れ渡り、民の気持を分かってくれる女王として庶民人気が急速に高まっている。


 治安も急激に改善し、ユナがゴミ拾いして街をきれいにしよう! と彼女の直筆イラストで立て看板を設置したのが効果があり、あれだけ汚れて治安が悪かった王都リシュタールが清潔になっていく。


 そして今取り組んでいるのは、公衆浴場だ。


 元々水脈や水資源に恵まれていたため、機動要塞のメインコンピューターに演算させ設計させた設計図を元に、魔導ボイラーを実験的に設置。


 そこからの熱で入浴設備を用意し、男女ともに清潔になれば防げる病気がたくさんあるよ というユナのイラストのおかげか、特に女性たちからは歓喜の叫びが起きるほどだ。


「私はね、なんでも日本万歳みたいな設備や食事をこの国に入れるつもりはないのよ」

「でも米食いたいって言ってるじゃん」


「それはそれ。リシュメアの郷土料理だっておいしいでしょ? 私あれ大好きなの」


「俺も好きだ。腹減ってきた」


 傍らで控える護の笑みを見て安心するユナ。


 ここ数か月は怒涛のような日々が続いていたが、ようやく好きだったリシュメアが戻ってきていると最近は特に感じる。


「最近街がさ、臭くないんだよ。嫌な臭いがしない。働いてる人たちの汗のにおいはするけど、それは別に嫌な臭いじゃないからな」


「シバタが言うならやってよかったかな」



お読みいただきありがとうございました。

よろしければブックマークや評価をいただけると、今後の執筆の励みになります。


追伸

母校が甲子園勝ち上がっていてうれしい

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