幼少期編 2話
生まれてから2年が経過した。
この2年で分かったことは、生まれ変わってアルガルという異世界へ転生したこと。
絵本の読み聞かせで、この世界のことと現在地はなんとなく分かった。
この世界は創造神と5柱の神様が作った世界で、5つの大陸と4種族を誕生させた。神たちはまず5つの大陸のうち4つそれぞれに龍族、妖精族、獣人族、人族の順番で産み出した。
その後に5柱のうち、最も力のある1柱の神が離反し、創造神達と争い、結果として離反した神を封じることに成功した。
封印される前に、離反した神は魔物と魔物を従える魔族、その王である魔王を産み出した。
神は下界に直接干渉出来ない為、魔を祓う勇者を誕生させ、魔王に対抗させている。
それ以降、2000年という長い間、4種族対魔族という大きな戦いは過去に何度か起きている。
ここ最近での大規模な戦いは100年前に起きたみたいだ。
この世界、アルガルには5つの大陸ある。
そのうちの1つ、人間族が暮らし覇権を争っている"大陸アーガス"だということ。
この大陸には、4つの国、"グレイシア王国"、"パルメリア帝国"、"タリスマン聖国"、"迷宮都市アンフィールド"が存在するということ。
その1つグレイシア王国の最南端、魔の森近くの辺境にある開拓村の平民に生まれた。
両親含めて3人暮らし。
父の名前は、ジルベスター・スタイン
髪は淡い赤色で、短髪。快活だ。騎士のようにガタイがデカい。イケメンだ。身体を動かすのと自慢話しが大好きで、母といつもイチャイチャしている。まあ、仲が悪いよりは良いけど。そういうのは見えない所でしてほしい。
王国の王都出身と聞いた。村では狩人隊のリーダーをしているらしい。剣術と火の魔法が得意。
母の名前は、アリシア・スタイン
髪は銀色で、長髪。のんびりしてる。前世でもモデルとかそういうレベルでスタイルが良い。美女だ。なんでも出来るし、普段は優しいが怒ると怖い。
迷宮都市出身らしい。水、風、光魔法が得意。
俺の名前は、ジークベルト・スタイン
髪は銀色に赤いメッシュが入ってる。鏡で確認したけど、どちらかというと母に似ている。
色々と興味は尽きないけれど、おとなしくしている。
最近していることは父の書斎に入って本を眺めている。言語理解のおかげで読めるし理解も出来る。
両親は昔、冒険者生活をしてて迷宮都市で出会い、他の仲間と共にパーティを組み、活動をしていたみたいだ。冒険者ではさまざまな場所に行き、たくさんの依頼をこなして結構な地位にいたらしい。
その後は縁あって、この開拓村に住み着いたそうだ。
因みにこの情報は絵本ではなく、父の自慢話しから得た情報だ。
「ジーク、パパとママは昔、冒険者をしていたんだ。6人パーティで、王都では知らぬ人が居ないと言われるほどの実力者だったんだぞ。6人中4人はAランク、2人はSランクのパーティだったんだ。
中位のドラゴンも討伐したこともある。」
こんな感じで毎日、読み聞かせるように自慢話しをしてくる。幼児に聞かせる内容じゃないだろ…。
というか、普通言われても理解出来ないだろ。
「あなた、ジークにそんな昔の話しを聞かせて、将来冒険者になるとか言い出したらどうするの?」
「い、いや、ジークの夢が何にしても、冒険者という選択肢もあるかもって思って、、あ、いや。すまん。」
なるほど、父は母には逆らえないらしい。覚えておこう。
「そんなに慌てなくても3才になれば、教会で鑑定の儀を受けられるんだから、その時に何の才能があるか確認してからでいいでしょ。」
母がなんてことないように言った。
え?3才になったら鑑定の儀があるの?異世界あるあるのステータスを鑑定して職業とかスキルを確認するアレのこと?
…ユニークスキルとかも出るのかな…出ないと良いな…騒がれたくない。
でも冒険者には興味がある。
そう思ったら自然と声が出た。
「ぼーーーゃ」
「おぉ!聞いたか?!アリシア!ジークが喋ったぞ!」
「ふふっ2才で話す子なんて聞いた事無いわ。ウチの子はきっと天才だわ」
「俺たちの子なんだ、天才なのは分かってたじゃないか!ははははっ!」
…。父と母は思い込みが強いみたいだ。親バカともいう。もう少し声が出ないか、試行錯誤して試してみる。
「ぱ、パパ。ま、ママ。」
「「!!」」
「い、今…パパって…ママって言ったぞ…」
「え、ええ。言ったわよね…確かに聞いたわ…」
…やばい。喜ぶと思って言ってみたが逆に怪しまれたか?
「やっぱり私たちの子は天才だわ!」
「俺たちの子は天才だーーー!!」
両手を上げて、大はしゃぎする両親。
…やっぱ親バカだったみたいだ。
でもこんなに暖かい家庭に産まれてこれて良かった。
✳︎
次の日、父が盛大にやらかした。
母が大事に育てている木をうっかり切り倒してしまったのだ。
これは特大の雷が落ちてくるだろうと思っていたが、母は切り倒された木に近づくと、父に木を持って切断面を合わせるように言い、木に手を向けると詠唱をした。
「光よ。我が魔力を糧に彼の物を癒したまえ、ヒール」
母の目の前に魔法陣が現れ、光を発した。
すると、切れていたはずの木が元通りにくっついた。
「うん、これで大丈夫ね。あなた、次は無いわよ?分かったかしら?」
「す、すまない、気をつける」
「あら、ふふっどうしたの?ジーク。そんなに目をキラキラさせて、魔法に見惚れちゃったの?」
「どうやらジークは魔法に興味津々みたいだな」
…っ、無意識に前世では物語の中でしか無かった魔法を見て興奮してしまったみたいで、顔に出ていたようだ。
あれが魔法か…魔法を使う前に手のひらに魔法陣が現れていたな…魔法陣を通さないと魔法は行使出来ないのかもしれないな。詠唱は恥ずかしいけど、詠唱省略や無詠唱などもあるのかな…魔法陣の研究をしたら色々なことが分かりそうだ。
ステータス画面のスキルに魔法の才があるから、将来的には魔法が使えるようになるだろうが、先ずは魔法陣について学ばないといけなさそうだ。
その日の夜は眠れなかった。昼間に魔法を見たせいか、頭の中に魔法陣が思い浮かんでいた。
前世の知識では魔法はイメージで再現出来て、自身の魔力を糧に生み出すもの。詠唱は無くても出来る。そういうものだと思っていた。
…母は確か、手のひらに魔法陣を出していた。
目を瞑り、手のひらを出して頭の中にある魔法陣をイメージしてみた。すると、身体から何かが抜けていく感覚したので、目を開けてみると、小さな手のひらに収まるサイズの魔法陣が形成されていた!
「…ぇ?!」
…出来てしまった。これが魔法陣…目の前にかざしてじっくりと観察した。
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条件を達成しました。スキル魔法陣を入手しました。
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「ーーッ!?」
突然、頭の中に女性の声が聞こえてビックリした。
慌てて、ステータスを確認する。
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名前 ジークベルト・スタイン
性別 男
年齢 2
レベル 1
職業 なし
体力 100
魔力 0(200)
攻撃力 10
防御力 10
俊敏力 20
知力 50
運 777+
スキル
言語理解 魔法の才能 魔力アップ(小) 魔法陣生成
ユニークスキル
成長限界突破 幸運
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なんと、スキルが増えていた!
魔法陣生成、読んでその通りの効果だろう。
…でもこんなに簡単にスキルって手に入るものなのだろうか…まあ、いいか。
手に入ったものはありがたく使わせてもらおう。
ーーっ、突然眩暈がして、魔法陣が消えてしまった。全身に力が入らなくなって布団に倒れこんでしまった。頭痛がして、朦朧とする意識の中、一体なにが原因かと考えていたとき、目の前のステータスの魔力が0になっていることに気がついた。
ーーーそうか、魔力切れか…これはキツイな…
そう思い、意識を失った。
✳︎
次の日の昼過ぎに目が覚めた。
頭痛は無く、むしろ良いといって良いくらい体調は良かった。
昨日のことが気になり、ステータス画面を開くと、魔力が元々200だったのが、倍の400になっていた。
なるほど、と思った。もしかして魔力は使えば使うほど増えるのでは?と。
あの頭痛に襲われるのは避けたいけれど、魔力を増やせるのなら耐えてみせる。
俺はやるぞ!この人生を最大限に楽しむためにも、魔法陣を魔法を極めてやると、そう決意をした。
ここまでお読み下さりありがとうございます。
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