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【第6章】第4話「星降るクリスマス」

―第6章「冬空と、君の体温」


  第4話「星降るクリスマス」



クリスマス当日。


夕方の駅前は、

人で溢れていた。


イルミネーションを見に来た人たち。


恋人。


家族。


友達同士。


どこも楽しそうで、

冬の街がきらきらして見える。



「わ、すご……!」


透真が目を輝かせた。


待ち合わせ場所に現れた瞬間、

みんな少しだけ息を止める。


白いマフラー。


濃紺のコート。


手袋。


冷たい空気の中、

吐く息が白い。


「透真、

ちゃんと防寒してる」


裕翔が少し安心した顔をする。


「今日は怒られたくないから」


「誰に」


「みんなに」


それはそう。



「じゃ、行くか」


和希が笑う。


自然と並んで歩き出す。


前には夕花と紬。


その後ろに透真。


隣に裕翔。


少し後ろを薫と伊織。


最後尾に昴と和希。


いつの間にか、

この並びが自然になっていた。



中央公園へ近づくにつれて、

光が増えていく。


木々に巻かれたライト。


星型イルミネーション。


青と白の光。


「綺麗……!」


透真が立ち止まる。


その瞳に、

イルミネーションが映った。


「ほんとすごいね」


紬が小さく笑う。


夕花も思わず空を見上げる。


「写真で見るより綺麗」


その時。


「……あ」


透真が突然空を見上げた。


「オリオン座見える」


全員、

少しだけ沈黙する。


「そっち?」


薫が呆れた声を出した。


「いや、

イルミネーションも綺麗だよ!?」


「でも星見てたじゃん」


「冬の空澄んでるから……」


言い訳みたいに言う。


和希が笑った。


「透真くんらしいなぁ」



公園中央。


大きなツリーの前。


人が集まっている。


「写真撮る?」


夕花が聞く。


「撮りたい!」


透真が即答。


その結果。


「もうちょい寄って」


「え、近」


「映んないだろ」


ぎゅうぎゅうになる。


肩が触れる。


距離が近い。


透真は特に気にしていない。


でも。


周りは全然平静じゃない。



「はい撮るよー」


和希がスマホを構える。


その瞬間。


透真が笑った。


冬の光の中。


イルミネーションを映した瞳。


柔らかい笑顔。


みんな一瞬、

ちゃんと見惚れた。


シャッター音だけが響く。



「……ずる」


薫が小さく呟く。


「何が?」


裕翔が聞く。


「なんでも」


言えるわけがない。


こんなの、

好きになるしかない。



冷たい風が吹く。


「寒っ……」


透真が肩を縮めた。


「だから言った」


裕翔がマフラーを整える。


「透真くん、

手冷えてる」


和希が自然にカイロを渡す。


「ありがとうございま……熱っ」


「今開けたから」


みんな少し笑った。


その空気が、

心地いい。



しばらく歩いたあと。


「……温かいもの食べたい」


透真がぽつりと言う。


「賛成」


夕花が即頷いた。


「ファミレス行く?」


伊織が聞く。


「行こ」


全員一致だった。



ファミレス。


暖房の空気。


窓の外にはまだイルミネーション。


「生き返る……」


透真がスープバーのコーンスープを飲む。


「ほんと分かりやすい」


昴が少し笑った。


「だって温かい」


幸せそうな顔。


和希がそれを見ながら、

小さく呟く。


「可愛いなぁ」


「声出てる」


薫が即ツッコむ。



ドリンクバー。


ポテト。


取り分け。


何気ない会話。


でも。


誰も帰りたくなかった。


この時間が、

ずっと続けばいいのにと思っていた。



帰り道。


透真はまた空を見上げる。


「今日、

星も綺麗だったね」


イルミネーションより先に、

それを言う。


でも。


そんな透真だから。


みんな、

目が離せない。


冬の星空の下。


白い吐息が、

静かに夜へ溶けていった。



挿絵(By みてみん)


読んでいただきありがとうございます!

クリスマスのイルミネーション当日の話

毎日21時に投稿予定です५✍⋆*

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⭐️登場人物紹介:https://ncode.syosetu.com/n5363me/1/

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