15話 北都商業戦2
高さを活かして、淳大、泰を中心に攻めるが青山が淳大に対しては仕事させない。
淳大のミスを栄人、一志、大樹でカバーし
気が付けば、第1クォーターを22対22と同点で終わる。
「青山君、まだまだ実力を隠しているわね・・」
「監督、あれやっていい?」
「今村君?あれね、出来れば後半まで温存して貰える?」
栄人の言うあれとは何なのか?とりあえず沙弥に止められ、第2クォーター再開。
「必死で付いてこいよ、淳大」
青山がフェイクを入れつつ、淳大にしかける、必死で食らいつく淳大、抜き去るかと思いきやパスを送る青山。
意表をつかれた、このまま来るかと思った。
ペースを乱された聖峰、青山を起点に北都メンバー全員にリズムが生まれ、連続得点で聖峰を突き放しに掛かり出した。
徐々に淳大と青山の実力の差が明確になり、青山に連続得点を許してしまう。
「くそ・・・」
何とかしたいが、青山にダブルチームに付くと相手の思うツボになると予想した沙弥は、敢えて何も指示はしなかった。
「淳大俺達が取り返すから、気にするな」
栄人の一言で、まだ何とか立っていられるが、自分に対して不甲斐ない自分に苛立ちを覚え出す淳大。
「よし、淳大は俺が相手するとして・・望月向こうの5番任せるぜ、あいつのスリーポイントマジでうぜーわ」
北都商業2年、シューティングガードの望月、青山と北都のレギュラーを張る男。
大樹に比べたら、シュートの精度は劣るがディフェンスには高い評価を得ている。
付いたあだ名は、シューター殺し。
「何か、向こうの雰囲気違わねーか?ヒデ」
「やろー、大樹を封じにかかりやがった」
望月のスッポンの様にへばりつくディフェンスに大樹が思うように動けない。
「チッしゃーねーな」
栄人も上田にマークされ思うようなプレイが出来ていない、泰の高さを活かした攻撃に頼らざるを得ないが、青山に完全に読まれ攻撃がちぐはぐ状態。
「聖峰、必死で食らいついて来な、じゃねーと・・置いていくぜ」
「くそっ」
淳大の必死のディフェンスも虚しく、青山にバスケットカウント与えてしまい、いつの間にか淳大のファウルが4つに重なってしまった。
4ファウル、これが5つカウントされると、その選手は退場となり、二度と試合に出られなくなる。
仕切りに沙弥が淳大をベンチに下げ、河村を投入、当然淳大は納得していない。
「監督・・・」
「頭を冷やしなさい、佐久間君、熱くなりすぎ力の差が開いてるから何?バスケは一人でやるもの?」
「・・・・」
「とにかく今は青山君をじっくり観察しなさい」
淳大が抜け高さに不安が出た聖峰、河村も栄人達の為に道を作ってあげる事しか出来ないでいる。
「今村君ごめん、僕じゃ役不足かも」
「河村さん・・・」
青山と上田の連携に翻弄される聖峰、第2クォーター終盤ついに32対22と突き放された。
第2クォーター終了し、休憩に入り各チーム控え室に戻る。
「淳大、ファウルが怖いなら出て来ないで、邪魔」
「何だとー」
泰がずけずけと淳大に指摘する。
河村が何とか止めに入り、その場は直ぐに収まるが、栄人達は思った以上に体力を奪われていた為、何も喋らなかった。
「佐久間君、次行くわよ、準備はいいわね?」
4ファウル食らってもまだ、自分を出してくれる、自分に出来る事は何なのかと自分に問いかける淳大。
「さて、各学校にはエースと言う存在がいるわ、ウチのエースて誰だと思う?」
「それは、勿論、こいつ」
栄人が一志に指を差したのだが、他のメンバーは栄人に指を差した。
「えっ?皆俺がエース?おかしいだろ」
「いや、お前がいるから、聖峰の攻撃は成り立っているんだぜ」
一志の一言に全員が頷き、満場一致で栄人が聖峰のエースと持ち上げる。
当然それは、沙弥もであった。
「今村君、頑張ってね」
変なプレッシャーを感じたのか、堪らずに菜々子が声を掛ける。
客席でも、観戦に来ている美奈の姿があった。
「美奈、あんたの幼なじみ今日はどうかな?」
「んー、どうかな・・・でも、聖峰リードされているね」
控え室から選手が出てきた、美奈も栄人の姿を確認すると、直ぐ様声を掛ける。
「おーい、ヒデくーん」
手を振る美奈を見て、栄人もそれに応え拳を高々と上げる。
幼なじみが見に来ているのに、恥ずかしいプレイは出来ない。
10点ビハインドのまま、試合は後半を迎える。




