14話 北都商業戦1
両チーム整列し、ジャンプボールを泰が制し、栄人にボールが渡る。
「開幕速攻、行くぜ」
栄人がドリブルで中に切り込み、相手ディフェンスと2対1になる。
無謀にも突破を仕掛ける栄人、身長の差を気にせず果敢に攻め入った。
「調子に乗るな」
相手ディフェンス二人は180㎝、栄人に当然勝ち目はないが。
「ボールは、もうないよ」
「えっ?」
栄人得意のノールックパス、行き先は大樹に渡った。
「大樹、よろしく」
「この野郎、いきなりかよ」
鮮やかな、大樹のスリーポイントシュートが決まり、聖峰が先制。
栄人は気づいていた、大樹がフリーになり、目線で合図していた事。
それを一瞬の内に見逃さなかった。
「上田さん、切り替えましょう」
「あぁ、青山逆襲よろしく」
「任せて下さいよ」
北都商業センターを任されている、主将の上田は北都商業の大黒柱、青山に対しては高い信頼を得ている。
ロングボールを、青山が受け取り早速淳大とマッチアップ、互いの思いが交錯するかの様に。
「行かせねーす」
「良い目だな、淳大」
皆が淳大と青山に視線を送る、パスかドリブルか、いつでも北都側の攻撃に備える聖峰。
青山のチェンジオブペースで、一気に抜き去るが、淳大も必死で食らいついている。
「おっ、今のついてきたか・・」
仕切り直して、パスを送ると上田にパスが渡り、泰を吹き飛ばしゴールを決めた。
互いに譲らぬ序盤の展開、今度はカウンターで栄人があっさりシュートを決める。
「ありがとう、栄人」
泰が与えてしまった、失点を直ぐ様取り返した自然と栄人にお礼を言う。
「卜部が言ってた通り、面白そうだな」
青山に自然と笑みがこぼれる、卜部の言う通り、聖峰は強い、北都側に指示が行った。
中を3人で固め、栄人を完全に封じる作戦に出る。
「いきなり、プレッシャーを与えるなんて、今村君潰しに入ったか・・」
序盤なので沙弥もまだ、様子見の段階、今は栄人に託してみる事にした。
「マジかよ・・・」
「ヒデよこせ」
大樹がたまらずにパスを要求し、栄人は大樹にパスを送り、直ぐ様スリーポイントをは放ち、再び突き放しに成功。
「ナイス、絶好調じゃん大樹」
「いつも通りだ」
大樹が課題を着実にこなし、栄人の第2の目となってくれている。
精神的に助かっていた。
たまらずに、北都側がタイムアウトを要求。
「確認するが、お前らきちんと飯食ったよな?」
「ガッツリ食いました」
北都側が考えていた序盤に青山を使って、突き放すゲームプランが完全に崩れ、確認の為にタイムアウトを取ったのだが。
今、北都にとって厄介な相手が栄人。
全ては栄人のプレイにより、得点が生まれている。
「監督、あの7番も厄介ですが、10番は俺に任せてください」
「青山?」
青山はこの試合で、淳大を完全に叩きのめすつもりだ。
全ては、淳大の為、こんな事でバスケを嫌いになって欲しくないから。
淳大と良きライバルでありたいが為。
「青山にゴール下は任せる、上田はあの7番を徹底的に潰せ」
「はい」
試合再開、栄人に指示通り上田がべったりマークにつく。
身長差もあるし、栄人にはきつい相手だった。
「あんた、センターだろ?いいの?」
「ちょっとじゃ、そっとじゃお前は止められないからな、悪いがお前に自由はない」
「おもしれー」
栄人が笑った、自分をこんな風に見ていたなんて、嬉しくてつい、笑った。
上田にしつこくマークされ、今までの相手と桁違いのプレッシャーを監事ながら、淳大にパスを送る。
「来い、淳大」
淳大にボールが渡ると、真っ先に青山がディフェンスに入る。
淳大も果敢に攻めるが、ボールは青山に弾かれ、こぼれ球を泰が拾いシュートに入るが再び青山が泰のシュートをブロック。
青山を始め、連携であっさりカウンターを許した聖峰。
仕返しと言わんばかりに、栄人が一志に速攻でパスを送り、聖峰も取られたら取り返す。
「カズ、今のは普通だな」
「うるせー、素直に喜べ」
ディフェンスにつくと、青山がさっきより速さが増してきた。
マークにつく淳大も食らいつくに精一杯なのだが、あっさりと抜かれゴールを許す。
まるでローギアからセカンドギアに入れるかの様に、青山が徐々に牙を剥き出した。
「淳大、ビートを上げるぜ、止められるか?」
試合中なのに、何故こんなにも自分にこだわるのか、とにかく今はチームの勝利を先決したい。
「受けて立つっすよ」
「そうこなくちゃな」
ギアを上げた青山、真っ先に淳大に勝負を仕掛け、あっさりと抜き去り、淳大も食らいつくがファウルを取られ、バスケットカウントを与えてしまった。
「くそっ・・・」
「ドンマイ、淳大」
栄人が声をかけ、淳大を励ます。
むきにならないように、栄人も淳大を気遣っている。
「今村よこせ」
反撃と言わんばかりに、淳大がボールを要求し、青山に勝負を仕掛ける。
スピードに任せ、一気に青山を抜き去り、ゴールを決めた。
「淳大・・お前、成長してるじゃねーか」
「チームがこんな所で負けるわけには行かねー、あんたにもだ」




