ベタ惚れ
久しぶりに両親とのお出かけで少し緊張してしまう。ガタガタと進む馬車の中、私は外を見ながら早くつかないかなとずっと考えていた。早くルカに会いたいな。
朝から侍女達がピカピカに磨き上げてくれ朝の時点ですでに疲れ気味だった。綺麗に着付けられたルカがくれたドレスは、私にピッタリで皆似合うと凄く褒めてくれて嬉しかった。これは殿下が惚れ直しますねと言っていたがそれは無いと即座に返事をした。
昨夜またルカから『迎えに行けなくてゴメンね。会えるのを楽しみにしてます』ていう手紙とお花、さらに追加でまたアクセサリーを頂いた。普段でもつけれそうなアメジストのネックレスで有り難く頂く。ルカって凄くマメよね。婚約者が出来たらこんな感じにするのかな…何故か胸がチクッと痛む。ずっと婚約者なんて出来なければいいのに…。
「殿下とは中で待ち合わせなのか?」
「あ、はい。そうです。」
ふいにお父様に声をかけられ、意識が戻る。もう着くのかな?王宮の入口に馬車が沢山並んでいる。混んでいるな…と思っていたら、道がそれ奥へと進んでいく。どこに行くのかな?外からお父様に従者が話しかけていて了承していた。
「リリカいらっしゃい。待っていたよ。」
馬車の扉が開きルカが手を差し出している。手を取り馬車から降りると凄く見られていて恥ずかしい。
「とても可愛いね。どこの妖精のお姫様かと思ったよ。よく似合ってる。こんなに可愛いリリカを誰にも見せたくないな。」
「…ルカも素敵ですよ。」
凄く褒めてくれてさらに恥ずかしくなる。今日はありがとうございますと両親と話をしている。ルカが待ってたからこちらから入る事になったのか。通常よりさらに豪華な造りが特別な入口なのだとわかる。こっちだよって案内され両親とはここでお別れらしく、さっきまで早く離れたかったのに寂しく感じる。
「粗相のない様にな。」
はい!と頷き、私はルカに連れられていく。しばらく歩くと何かの部屋の前で止まり、警備の騎士様が扉を開ける。連れて来ましたと中に入るルカに慌ててついて行く。
「リリカ·アドラム嬢です。今日パートナーを務めてくれます。リリカ私の両親だよ。こっちは弟と妹。」
「リリカ·アドラムです!王子殿下にはいつも大変お世話になっております!」
「可愛らしい方ね。ルカが迷惑をかけてないかしら?強引な所があるから心配で。」
「とても良くして頂いてます!いつも優しくて私が迷惑ばかりかけていて申し訳無く思ってます。」
「迷惑なんかじゃないよ。私の生きがいを否定しないでね。」
ルカったらベタ惚れね。幸せそうで良かったわと王妃様が言っていて、陛下も深く頷いている。違う!と思ったけどルカがギュッと手を繋いできて遮られた。
「僕がレオンで、こっちが妹のカレンです。私達は双子で年齢は12歳です。よろしくお願いします。リリカお姉様って呼んでもよろしいですか?」
「レオン様こちらこそよろしくお願いいたします。もちろん呼んで頂いて大丈夫です。カレン様もよろしくお願いいたします。」
双子だったんだ。可愛らし過ぎる…ルカの家族全員整いすぎて眩しい。私今日大丈夫かな。
「ルカは婚約いつするのかしら?」
「まだ承諾貰ってませんからね。気持ちもありますので急かさないでください。」
「え!」
皆がこちらを見る…大きな声出してごめんなさい。王妃様がリリカさんどうしたの?と優しく聞いてくれる。
「婚約するのですか?お相手が決まっているって事ですか?」
「リリカまだ私は婚約しないよ。大丈夫。」
「あら、まだまだみたいね。ルカ頑張りなさいよ。」
リリカ行こうって肩を抱かれ部屋から出される。まだ時間あるからこっちにと案内されていく。着いた先はお庭で花が咲き誇っている。綺麗。プライベート用のお庭らしく人目を気にしなくていいと微笑み歩いている。
「ルカ…私ね。自分自身酷い人間なのだと思うの。」
「突然どうしたの?何かあった?」
「ルカに婚約者が出来なければいいのにって思ってしまう。友人の幸せを願えない酷い人間なんだって。」
「リリカは私に婚約者出来て欲しくないの?」
「…うん。ずっと居ないといいのにって思ってしまう。よくないよね。ごめんなさい。」
「私は一生リリカの物だよ。」
「え?」
「最近周りが色々言ってしまうから伝えとくけど、私はリリカと共にありたいと思っている。リリカ以外と結婚するつもりは無いんだ。なかなか伝わらないし長期戦は覚悟している。伝えたしこれからはわかりやすく口説いていくね。」
え?え?ルカが?え?どういう事?優しく微笑むルカの目が私を見つめて離さない。
「母上が言うようにベタ惚れなんだ。可愛くて可愛くて甘やかしたくて仕方無い。リリカを愛してるよ。」
「え…本当に?」
「今はまだ想いを返して貰えるとは思っていない。ただリリカに恋焦がれる私がいるって事を知っていて欲しいんだ。」
そろそろ時間だから行こうと歩き出す。本当まだ言うつもりは無かったんだよって笑うルカを見つめてしまう。




