初めて
リリカ様お荷物が届きましたと侍女に呼ばれ、玄関ホールへと向かうと大量の荷物が届いている。何これ?
「王子殿下からです。お手紙とお花も一緒に届いております。」
ルカから?ドレスと装飾品一式がもう届いたらしい。早くない?パーティ来月だよね。手紙には『エスコート出来る事を楽しみにしてます』と。箱から出す様にお願いし、一応確認してみる。
白地に紫色の細かい刺繍が施された可愛らしいドレスに、アメジストのアクセサリーが一式。絶対高いよね…これ本当に貰っていいの?お父様が帰ってきたら確認しよう。殿下センス良いですね!リリカ様に絶対似合います!と侍女達がキャッキャ言って賑わっている。
「リリカ様本当愛されてますね!」
「愛されてる?愛では無いと思うけど。」
「絶対愛です!殿下一色ですよ?!全令嬢が憧れるやつです!殿下が知らない訳無いです。」
「愛ってなんだろう…」
リリカ様はまだまだお子様ですねと侍女達に微笑まれる。ただの好きと愛の違いは何よ?拗ねる私は侍女達に詰め寄る。
「殿下の事は好きですか?」
「大好きよ。」
「一緒に居たいですか?」
「もちろん。」
「殿下に好きな方が出来たら応援出来ますか?」
「…出来ないかも。遊んでもらえないもの。」
「リリカ様は殿下以外と手を繋いだり出来ますか?」
「わからないわ…ルカ以外とした事ないもの。」
では殿下以外と繋いでみたらきっとわかりますよ。殿下とお出かけするようになったリリカ様は、ずっと楽しそうですからねと皆頷いている。
「殿下って絶対誰よりも忙しいのに、リリカ様のために色々してくださってそんな方いませんよ。」
「…確かに。」
ドレスが届いたんだって?とお父様が部屋に入ってきた。これはまた…見事一式だと感嘆の声が出ている。
「こんなに高そうなの頂いてもいいのですかね?」
「思ってたより見事なのが来てしまったが受け取る他無い。リリカ…殿下に何か差し上げなさい。ハンカチとか身につける物とか何か殿下が喜びそうな物を考えなさい。一先ずお礼の手紙を書くように。」
「はい。わかりました。何か考えます。」
何がいいのだろう。何でも嬉しいって言ってくれそうだからなー。お礼の手紙を書きながら、部屋に飾られたドレスを見て悩む。ドレス贈られるの初めてだから難しい…明日ベルに聞こう。
「ベルってマックス様にプレゼントは何を贈ったりするの?」
「え?ハンカチかカフスとか…万年筆とか使えそうな物かな。プレゼントするの?」
「ドレス一式貰ったから何かお礼を考えていて…でも初めてだから何がいいのかわからなくて。」
「何でも喜ぶわよ。」
やっぱりそうよね?何でも喜んでくれるとは思うけど…んー、難しい。
「リリカが口づけの1つでもしてあげたら、国宝でも貰えそうよね。」
「はいはい。またそんな事言って。万年筆にしようかしら…ハンカチも添えて。」
一緒に見に行ってくれる事になりお願いする。問題は解決した?って。
「あ、そうなの。ありがとう。悶絶はしてなかったわよ。」
「え、意外だわ。効かなかったのかしら。」
「崩れ落ちていただけだったわよ。ノア以外にはしたらダメって注意されたわ。」
「良かった。効いてた。効かない理由が無いわよね。ココ!って大事な時に殿下に使うのよ。」
わかったと頷く。心のノートに書き込む。数年後まさかココ!って時が来るとは、今の私は思っても無かった。




