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第2翼~やさしさの代償×償わられし意思~


 雪が降りしきる

 淡く今にでも解けてしまいそうな雪が

邑輝「・・・雪ですか・・・」

 邑輝が何かを思い出しているようだ

 遠い遠い記憶の奥の話を。

洞窟―入り口

母「椿姉さん…あなたのカタキはきっとうつわ…。」

 母が入り口の前に立つ

母「この程度の結界で、私を封じようとは…。」

 手を前に出して、結界に触れると、

 結界を完全に破壊する

母「省吾さん…あなたは、本当の記憶を手にしてはダメ。本当の記憶を手にしたら、きっと…。」

 いっきに、封魔を破壊していく

洞窟内―

 4人が歩いている

花音「本当にココにいるのか?」

 花音が不安そうに聞く

 確かに真っ暗な上

 何の気配もない

理緒「わからない・・・わからないけど、地図は―――。」

 プリントを手渡す

 アイズが確認する

アイズ「間違いないようだな。」

 理緒に還す

 理緒は受け取り先に進む合図をする

由貴「そうだな、先に行きましょう。」

洞窟―最奥の奥

邑輝「あなた方ですか…。」

 邑輝が振り返りながら言う

琉璃「やはり、ここにいましたね。邑輝。」

省吾「…おまえ…。」

 二人の意識が交差する

邑輝「君は…。」

 邑輝が省吾を見る

省吾「なんだよ!」

邑輝「面白い、まだ、私の呪印が効いているのですね。」

省吾「はぁ?何言ってんだ?」

邑輝「そう、あれは、赤い月の夜だった。」

 手を前に出す

回想Ⅰ

省吾「おまえ…どうして!!」

邑輝「くっくくく、見てしまったのですね。残酷な殺人鬼の顔を…。」

省吾「なっ…。」

邑輝「美しい少年よ…君の体には何を刻みましょうか…。」

 省吾が折り紙を折る

省吾「あんた許さない!」

 折り紙が飛ばされる

 無数の折り鶴が邑輝を襲う

邑輝「バカな…こいつは…。」

省吾「おまえだけは!」

 折り鶴が光を帯びる

 剣のような刃を手にする

邑輝「ぐふぁっ!?」

省吾「おまえは、どうして人を殺す!」

 剣を構えながら言う

 刃先には少し血がついている

邑輝「理由などない。」

省吾「理由もなしに人を殺すのか!?」

邑輝「えぇ、理由などいりませんよ、人は理由もなく人を殺せるのですから。」

省吾「そんな…そんなことない!」

 省吾の腕から炎が上がる

邑輝「これは…朱雀!?」

省吾「キサマだけは…」

 炎が形をなし、邑輝を包み込む

邑輝「ぐっ…。」

省吾「つぎ行くぞ!」

 炎が強い中、次の攻撃が邑輝を切り裂く

邑輝「ぐふぁっ…。」

 邑輝が膝を突く

省吾「どうだ!」

邑輝「決めましたよ…君は、この場で…。」

 全ての攻撃を掻き消し、省吾を掴む

省吾「なっ…何をする!」

邑輝「君の記憶…いただきますよ。」

 省吾から淡い光が現れる

省吾「ぐっ…。」

邑輝「君の記憶は、植え付けますよ。」

 違う記憶を植え付ける

邑輝「それでは…。」

 消えていく

省吾「かあ…さん…」

洞窟

 省吾が少し暴れている

省吾「やめろ…やめろ!!」

 邑輝は省吾につかまれている

邑輝「君は私の人形なんですよ。」

 省吾の周りに色々な気があふれる

省吾「くっ…キサマだけは…。」

 邑輝が少し吹き飛ばされる

邑輝「許していただかなくて結構です。」

省吾「オレが倒す!」

 青き龍が召喚される

 それと同時に、上空が破壊される

邑輝「青龍…流石ですね。」

省吾「オマエだけは!」

 省吾が膨大な気を放っている

琉璃「キャッ!」

 上空から崩れてくる

省吾「琉璃!」

 白い光が現れ

 岩がばらばらになる

琉璃「わたしは平気です。」

 言葉を聞き、うなづく

省吾「わかった。」

 青龍が暴れる

邑輝「なるほど、大天使クラスですね…。」

 邑輝の光が琉璃に向かうが

省吾「させない!」

 青龍がそれを防ぐ

邑輝「あなたは、邪魔ばかりしますね。」

省吾「オマエだけはこの手で倒す!」

 眼を見る

邑輝「その眼は…。」

 普通ではありえない眼

省吾「よそ見している暇はないぞ!」

 青龍が牙となり、邑輝を襲う

邑輝「バカな…。」

 雷鳴が轟く

 全面が光で見えなくなる

邑輝「まさか…こいつは…。」

 再び、回想が入る

回想Ⅱ

 病院

椿「失礼します。」

邑輝「君かい?」

椿「はい、今日からお世話になります。」

 お辞儀をする

邑輝「…ここが、君の席。あとは、自分でするように」

椿「はっ、はい。」

 窓を見る

椿「うっわぁ~!!」

邑輝「どうした?」

 外は雪が降っている

 綺麗に舞っている

椿「雪だ~。」

 子供のようにはしゃいでいえう

邑輝「(ため息)雪がそんなに珍しいのかね?」

 振り向きながら

椿「先生、一ついいですか?」

邑輝「なんですか?」

椿「雪が解けたら何になると思いますか?」

邑輝「何を言ってるんだ?当然、水になるだろう。そんな効くまでもない。」

 口を尖らせて

椿「ぶっ、ぶぅ~!」

邑輝「何!?」

 窓から外を見ながら

椿「雪が解けたら、春になるんだよ。先生。」

 意識が再び元に戻る

洞窟内2

 爆発音

理緒「間違いないみたいだね。」

 辺りに散る無数の音

アイズ「あぁ、これは、あいつの波動だ。」

 かなりはなれているが、

 力の流れが循環している

花音「にしてもだ、こんなにも力を使わなければならない奴が相手なのか?」

 少し心配して言う

由貴「・・・わからない。彼らがどうして、ここに入ったのかもわからないのだから・・・」

 理緒が考えながら

理緒「わかっているのは、最近多発している事件の犯人を探しているってことだけだね。」

アイズ「まぁ、その相手がここにいるんだろうな。」

 気づいたように

花音「まっ、それもそうだな!」

由貴「戦闘しているみたいだしな。」

洞窟2

 青龍が消え去る

邑輝「油断しましたね。」

省吾「だったら!」

 辺りに地面の激動があふれる

邑輝「玄武…。」

省吾「“大地激震”!」

 地面の突起

 無数の突起

邑輝「ぐっ…だが!」

 邑輝の体に印が浮かび、

邑輝「もう、容赦はしませんよ。」

 玄武が消えていく

省吾「バカな…。」

邑輝「まだ、あなたの力はそんなもんじゃないでしょう?」

 眼が更に変化する

省吾「負けない!」

 残りの10の札を同時に使う

邑輝「十二神将!!」

省吾「あぁ、ここまでするのは、あんたで二人目だ。」

 10の札の力が全て、省吾の中に入る

邑輝「裏式も出来るのか…それが、キサマの翼の能力。」

省吾「翼は使ってないぜ!」

 10の力が、邑輝を襲う

邑輝「流石に全部は消せませんね…。」

 何ヶ所か消す

省吾「何個消されようが、また召喚する!」

 消されても更に召喚され、遅いかかる

邑輝「この姿では…」

 邑輝の体に異変が起きる

琉璃「こっ、これは・・・。」

 邑輝の力が変わっていく

省吾「奴は、まだ、本気ではなかったと…。」

邑輝「ふっ…。」

 十二神将が、完全に消える

省吾「ぐふぁっ」

 膝を突く

 血を吐く

邑輝「どうです?諦めますか?」

 ゆっくりと起き上がりながら

省吾「まだだ。」

 最後の符を構える

省吾「うまく扱えないが…。」

 印を組みはじめる

邑輝「その符は…バカな。何故、キサマのような餓鬼が…。」

省吾「行くぞ!倶利伽羅竜王!」

 黒き逆鱗の炎

 全てを灰と成す炎

邑輝「だが、操れぬのなら、たやすい!」

 透明な存在があらわれる

サキ「行きますよ。」

 ツバサが生える

琉璃「うそっ、あの人もツバサを使ってなんか…。」

邑輝「倶利伽羅…眠れ!」

 邑輝が飛ぶ

 倶利伽羅が炎を出す

邑輝「無駄ですよ。」

 更に印を組んで

省吾「裏式!」

 倶利伽羅が姿を変える

邑輝「複縛式を使えないものなどに負けない」

 倶利伽羅が一瞬で、排除される

省吾「(息切れ)流石にもう…。」

 光が溢れ

邑輝「なっ…なんだ!?」

 再び、光で見えなくなる

回想Ⅲ

 赤い月

 桜の木

 桜がまい散る

邑輝「あなたも私のエネルギーとなりなさい。」

 女性を一瞬にして消し去る

邑輝「あなたの力…確かにいただきました。」

 女性が倒れる

サキ「(邑輝…流石ですね)」

 そこに偶然居合わす

椿「雪貴…」

 椿の姿

邑輝「椿…どうして…」

 最愛の人の姿

邑輝「うっ…やめっ…やめろーー!!」

 邑輝の中で何かが暴れている

椿「雪貴?」

サキ「(殺せ…殺すんだ…。)」

 悪魔が暴走しているようだ

邑輝「逃げろ…椿…早く。」

 残りの意識でつばきを逃がそうとする

椿「えっ、えっ!?」

 椿は咄嗟のことで何も出来ない

サキ「(犯行の現場を見られたからには…殺すのだ。それが、盟約。)」

 葛藤が続いている

邑輝「ダメだ!やめろ~!!」

 爆発めいた光が貫かれる

 邑輝の体が一瞬で、椿の前に詰め寄る

椿「なに?」

 完全に意識がもっていかれる

邑輝「見てしまったのですね…残酷な殺人鬼の素顔を。」

椿「…なっ…なに?」

サキ「(そうだ。そうやって、消してしまえ)」

 刃を構えて

邑輝「終わりです…。」

椿「せぇん、せい…雪貴…。」

 一瞬、戻る

邑輝「コイツは…コイツだけはやらせない!」

 右目を貫く

椿「雪貴!」

 邑輝の体が完全に自分の意識になる

邑輝「すまない…椿…。」

 椿を離す

椿「雪貴…こいうことだったんだね。だから、私達とはかかわらない…そうすれば、傷つかないから。」

邑輝「すまない…ほんとうに…。」

 ナミダを流す

 赤いナミダを

椿「うんうん、いいの。私はあなたの全てを受け入れたいから…。」

(邑輝「アイツは、変わっていた。私のことを肯定して…でも、やはり…」)

 場面が変わる

サキ「邑輝がああなったのは、あんたのせいだ!」

 邑輝の翼が椿を責める

椿「(泣)」

 ただ泣くだけで何もしない

サキ「おまえが!おまえが壊したんだ!!」

椿「うっ…うぅ~(泣)」

 おいこまれていく

椿「ごめんね…雪貴…私達出会わなければよかったね…。」

 邑輝も何もいえないでいる

邑輝「椿…。」

サキ「邑輝…」

 場面が変わる

邑輝「椿…すまない。」

 邑輝が椿の前に手をかざす

椿「邑輝…ごめんなさい。」

 二人が涙を流している

邑輝「(最愛の物を――どんな奴でも命令とあれば還してきた――だが…)」

椿「ごめんね、ごめんね。」

邑輝「あぁ、すまない。椿。もう、何の心配もいらないから。」

椿「雪貴…愛していた。心の底から…。」

邑輝「私もだ。愛していた。椿」

 邑輝の手が光を上げる

邑輝「還す――さらばだ、椿…我が最愛の人…。」

 光が椿を包み

 記憶が消える

場面変化

 季節とトキが流れ

椿「今回はありがとうございました。」

邑輝「あぁ。」

椿「先生に教わったことは忘れません。これからに活かして行きたいと思います…って、医者の卵ですけど。」

 椿が去っていく

サキ「邑輝…今度こそ…。」

 桜の木

 赤い月

椿「先生…。」

邑輝「死んでもらいますよ。椿…。」

 椿の体を貫く

椿「えへへっ、ありがとう。先生になら殺されても…。でも、忘れないで。私はあなたの中で行きつづける。」

 邑輝の顔に触れる

邑輝「椿…。」

椿「もう一度、同じ質問ね。雪が解けたら何になる?」

 雪が振り出す

邑輝「ふっ、簡単なことだ。雪が解けたら春になる。解けない雪などないんだから…。」

椿「えへへっ、覚えていたんだね。ありがとう」

 椿が微笑んでいる

邑輝「わけない。」

椿「雪貴…あえてよかった…・幸せに…」

 椿が事切れる

邑輝「椿―!!」

サキ「(これで、私の任は降りた)」

 悪魔のツバサが、元の意味どおりのツバサに戻る

邑輝「サキ…私はどうすればいい?」

 邑輝に問い掛ける

サキ「私は、あなたに従いますよ。ドクター。」

洞窟

 光がやむ

邑輝「(M)今のは…くっ、こいつは、早めに…」

 邑輝の力が更に肥大化する

省吾「(ユフィエル…)」

ユフィ「(まかせておいて…私が力になる)」

邑輝「行くぞ!“邪神合体”!」

 暗黒なる神

 究極の合体

省吾「ユフィエル!」

 ユフィエルが光となり、

 省吾の手に宿る

省吾「“”!!」

 ユフィエルが剣になる

邑輝「無駄だ!“邪神”の力見せてやる」

 暗黒がすべてを支配する

省吾「ドクター…悲しいな。」

 省吾が哀れみの念で言う

邑輝「何を!」

省吾「あんたの闇を…僕が払う!」

 符継姫が輝きを持つ

邑輝「キサマには無理だ!私の闇を払えるひとなどもう、存在しない!」

 闇が募り、二人を包み込む

省吾「邑輝…君は僕が還す…」

 省吾が邑輝と同等の闇を集める

邑輝「やはり…あなたは…。だが、誰が相手でも変わらない!」

 闇の外

琉璃「省吾君…平気かな?」

ウリエル「大丈夫だ。アイツは最強だ。」

 省吾が飛びながら戦っている

琉璃「うん、そうだよね。」

ウリエル「あぁ。」

 ウリエルが上を見て

ウリエル「(省吾…おまえは…)」

 闇の中に戻り

邑輝「行きますよ。」

 邑輝が闇と共に向かってくる

省吾「あぁ!来るなら来い!」

 省吾が構える

 共に異様な動き

邑輝「なるほど、あなたもこの技を使えるのですね。」

 次の瞬間、邑輝がきられる

省吾「ふっ、これでどうだ!」

 邑輝にも見切れなかったようだ

 だが、それが消える

邑輝「今のは、時流ですか?ですがそれは、ですよ、。」

 斬りさった影が消える

省吾「ぐっ…だが!」

 再び、攻撃する

邑輝「甘いですよ…!」

 暗黒の刃が省吾を貫く

 時流を使うまもなく

省吾「ぐふぁっ!?」

 闇が消え去っていく

戦闘開始

琉璃「省吾さん!」

 省吾の体に刃が刺さっている

ユフィ「省吾!」

 完全な致命傷だ

琉璃「おい!」

ユフィ「ダメ…」

 ユフィが首を振る

琉璃「ウリエル!」

ウリエル「私には、回復の能力はない…。たとえあったとしても、間に合わない。」

ユフィ「私の回復力じゃ…間に合わない…。」

邑輝「そのまま、消えなさい。忘れ形見…」

 省吾が、意識なく倒れている

 無数の光の矢が飛び交い

 邑輝にヒットする

邑輝「誰だ!」

琉璃「なに?」

母「邑輝!アンタだけは倒す!」

 再び光の矢が飛び交う

邑輝「無駄ですよ」

 盾を張るが

母「突き破りなさい!」

 矢が光を宿し、貫く

邑輝「ぐふぁっ!」

 かなりのダメージを追う

琉璃「あなたは・・・」

母「琉璃ちゃんは、省吾さんをお願い。」

 省吾に近づき

琉璃「はい!わかりました。」

 札を投げて

ウリエル「これは…。」

母「それが、第3符謳。」

 ユフィがそれを受け取る

ユフィ「琉璃!力を貸して」

琉璃「はい!」

 ユフィが歌をうたうとそれと供応するように

 琉璃の力が加わる

母「邑輝…行きますよ!」

 膨大な力が宿る

邑輝「なるほど…その力、椿の…。」

 母と椿の影が重なる

母「えぇ、椿は私の妹よ。」

邑輝「復讐というわけか…。」

母「そうよ。椿のカタキ…取らせてもらう!」

 無数の札を構える

サキ「(なるほど、奴の…)」

邑輝「来い!」

 サキの闇が邑輝に宿る

母「それが…あなたのツバサ…。そして、私の椿を奪った元凶…」

 母には光の力が宿る

サキ「殺す!」

 サキが刃で攻撃する

母「無駄よ!」

 札で防ぐ

サキ「無駄だ!」

 札から光線が出る

サキ「ぐふぁ。」

母「甘いのはあなたの方よ。」

邑輝「…サキ…邪魔はするな。」

 邑輝がサキの闇を払う

母「あのときとは違うようですね。」

邑輝「もちろんだ。もう、ツバサに操られることはない。呪縛は解いた。」

 右眼を見せる

母「義眼ですね。」

邑輝「そうですよ。」

 義眼が妖しく光

母「…ですが…」

 邑輝が両手を広げて

邑輝「…オレを殺せ…」

 無抵抗になる

母「何を?」

邑輝「おまえなら、オレを殺す権利がある…。」

母「そう…だったら、遠慮なく…。」

 自分の腕に札をつけると刃となる

邑輝「(椿…ようやくおまえの元に行ける…またせたな…)」

 完全に観念する

母「行きますよ!」

 母が飛んで行く

琉璃「ダメーーー!!!!」

 光が向かう

過去-夢

邑輝「どうして…どうして、オレなんかを…」

椿「わからないわ。でも、私はあなたを愛していた。気づかなかったかもしれないけど。」

邑輝「いや、知っていました。」

椿「くすっ、そうだね…」

 椿の体が薄くなる

邑輝「椿!」

椿「残念ね。そろそろ、限界みたい。」

邑輝「どうして…」

椿「ある人にお願いしたの。少しの間だけでいいから、先生とお話がしたいって…」

 椿の体が足から少しずつ消えていく

邑輝「どうして、そこまでして…」

椿「あなたに伝えたいことがあるの。」

邑輝「伝えたいことだと…」

椿「うん。」

 サラに消えていく

邑輝「なんだ?」

椿「ありがとう。」

 椿の眼からナミダがあふれる

邑輝「オマエ…」

 邑輝の眼からも一粒のナミダが流れる

椿「えへへっ、私後悔してないよ。後悔なんて出来ないから…これは、私が望んだことだから。」

邑輝「やはり…」

 邑輝が椿の体を抱き寄せる

椿「えへへっ、やっぱり、私は幸せ者だね。」

 大半が消えている

邑輝「椿…私も愛していました。」

椿「うん、そうだね。」

邑輝「椿…私は…。」

椿「その神力は、私なんかじゃなくて、もっと別な人に使って…あなたが、大切だと思うほかの人に。」

 椿が完全に消える

 残ったのは、邑輝と桜の花びらだけ

邑輝「椿…私が愛したのはオマエだけだ…今までも…そして、これからも。」

 サキの翼が具現化される

邑輝「椿…共に生きよう、私の中で…。」

 サキに光が宿る

 サキが今までとは別な力になる

邑輝「椿…さようなら。」

 サキに椿の面影が宿る

(省吾「邑輝…母さん…。オレは…」)

洞窟内③

 全員で走っている

花音「間に合うのか?」

アイズ「おまえらが全力で走ってくれれば。」

 花音が少し怒りながら

花音「もう、全力だっつーの!」

アイズ「それは、すまない。余力を残していると思ってた。」

花音「キィー!」

 理緒がそれをまとめる

理緒「ほら、けんかなんてしてないで、早く行かないと、また出番がなくなるよ!」

 その言葉にうなづき走り出す

省吾再生

琉璃「えっ!?」

 光が邑輝の前に集う

母「死ね!」

 刃と刃のぶつかる音

邑輝「どうして…」

省吾「母さん!」

 刃と刃のぶつかっているところを見て

母「省吾さん…どうして?」

 不思議なようだ

省吾「コイツは…コイツは悪くない。」

 邑輝をかばう

母「何を言っているの?」

省吾「この人は、自分の罪を・・」

邑輝「省吾…」

 矢が現れる

母「許さない!」

 矢の乱れうち

省吾「させない!」

 ユフィエルの光が矢を消し去る

ユフィエル「お母様…それでは…」

母「いいわよ。コイツは…コイツだけは!」

 矢を連発する

省吾「母さん、いくら母さんでも…」

 符継姫が出来る

母「私と戦うの?」

省吾「それしか方法がないのなら…」

 札をしまい

母「あなたが言うのなら、仕方がないわね…」

 殺気を消す

母「邑輝…今度、椿と同じような事をしたら…」

 消えていく

省吾「大丈夫か?」

 何にも答えず

邑輝「…省吾といったな。」

省吾「あぁ。」

 目をつぶり、そして、質問をする

邑輝「雪が解けたら何になると思う?」

省吾「そんなの簡単だぜ!」

 眼を開ける

邑輝「なんだ?」

省吾「雪が解けたら春になる!解けない雪なんてない。」

 かつてのフレーズが省吾から聞かれる

邑輝「ふっ、アイツと同じ眼…アイツと同じ言動。まるで、椿を見ているようだ。」

 邑輝が微笑んでいる

琉璃「ドクター…」

邑輝「ふっ…もう、関係のない話だ。サラバだ。」

 消えていく

 影が現れる

アイズ「間に合わなかったのか?」

 全員へとへとだ

省吾「遅いよ。みんな」

 いつもの笑顔に戻っている

理緒「はぅ~。」

花音「また、活躍の場が…。」

 がっかりしているようだ

琉璃「いいじゃない。みんなが無事だったんだから」

リコ「それもそうだな。」

由貴「あぁ。」

 全員が納得しているようだ

琉璃「では、返りましょう。」

 琉璃が先頭を行く

省吾「はいはい。」

理緒「行きましょう。」

 理緒が省吾の近くに生き、いっしょに行く

花音「まったく、これじゃぁ、道化だよな。」

由貴「それもそうだな。」

異空間Ⅱ・邑輝

邑輝「省吾…私はおまえを守る。」

椿「お願いね。先生。」

 椿の陰が消える

サキ「ドクタ…」

邑輝「あなたも元に戻ったようですね。」

 サキの右目がくりぬかれている

サキ「すみません…」

邑輝「まったく…侮れませんね。」

 学園のほうを見て言う

過去

母「椿…私は…」

 何かの印を組む

母「私はあなたを…」

 目の前に、何かの材料がある

母「私は、あなたを造る…」

 地面の陣が淡い光を作り出す

 辺りの雰囲気も変わる

母「椿…帰って来い!私達の元に…。」

 目の前の陣が、輝きを強める

 材料が人の形を成していく

母「もう少し…もう少しで…。」

 光が母の体をも包む

母「これは…リバウンド!?」

 光が母の体を奪い始めるが

 扉が開く

父「何をしている!」

 一瞬で、光がやむ

母「私は…」

 無傷

父「人体蘇生…」

母「えぇ、」

 陣の中には赤ちゃんがいる

父「完成したのか?」

母「わからない…」

 赤ちゃんの鳴き声

父「…奇跡なのか?」

 手には、輝石がある

母「クルシスの輝石…生まれつき持っているの?」

 黒い輝きの意思

父「…どうする?」

母「…私が育てます。」

 赤ちゃんを抱く

父「…奴を倒すためか?」

母「えぇ、それが、私達の一族の…。」

父「おまえがそういうのなら、何も言わない。」

 赤ちゃんの髪の毛と瞳が銀色の発光する

 笑顔、嬉しそうに

母「この子は…私達の希望…」

父「名前は?」

母「そうね…省吾。」

父「省吾?」

母「えぇ、椿姉さんが行ってたの。自分に子供ができたら、省吾にしようって。」

父「そうか…」

 赤ちゃんを抱き

父「今日からおまえは、省吾だ!」

 高い高いをする

 笑顔の赤ちゃん

母「(姉さん…この子は姉さんからの贈り物なのね…。)」

父「省吾…オマエなら、我が眷属の宿命を…」

メルネス研究所

 いくつもの溶液がある

 そのうちの一つが空っぽになっている

A「たっ、大変です!」

風祭「どうしました?」

 職員が慌てているようだ

A「No.000が姿を消しました。」

 No.000の札のカプセル(試験官?)

 の中が空っぽになっている

風祭「・・・・どこいいったのでしょうかね?」

 まるで心配していない

 消えたら消えたでよかったのかもしれない

A「ですが、いいのですか?」

風祭「えぇ、もう、研究の結果は出来ています。だから・・・」

 風祭が手を上に上げる

 魔物が職員たちを食らっていく

風祭「これで、すべてがうまくいく。」








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